2点 $A(1, 3, 0)$ と $B(0, 4, -1)$ を通る直線を $l$ とする。点 $C(-1, 3, 2)$ を通り、ベクトル $\vec{d} = (-1, 2, 0)$ に平行な直線を $m$ とする。 (1) $l$ と $m$ が交わらないことを示せ。 (2) $l$ 上の点 $P$ と $m$ 上の点 $Q$ の距離 $PQ$ の最小値を求めよ。

幾何学空間ベクトル直線交差距離最小値
2025/7/15

1. 問題の内容

2点 A(1,3,0)A(1, 3, 0)B(0,4,1)B(0, 4, -1) を通る直線を ll とする。点 C(1,3,2)C(-1, 3, 2) を通り、ベクトル d=(1,2,0)\vec{d} = (-1, 2, 0) に平行な直線を mm とする。
(1) llmm が交わらないことを示せ。
(2) ll 上の点 PPmm 上の点 QQ の距離 PQPQ の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) ll の方向ベクトル v\vec{v} を計算する。v=OBOA=(01,43,10)=(1,1,1)\vec{v} = \vec{OB} - \vec{OA} = (0-1, 4-3, -1-0) = (-1, 1, -1) となる。
ll は点 A(1,3,0)A(1, 3, 0) を通り、方向ベクトル v=(1,1,1)\vec{v} = (-1, 1, -1) を持つ直線である。
mm は点 C(1,3,2)C(-1, 3, 2) を通り、方向ベクトル d=(1,2,0)\vec{d} = (-1, 2, 0) を持つ直線である。
llmm が交わらないことを示すためには、まず llmm が平行でないことを示す。v\vec{v}d\vec{d} が平行でないことは、v=kd\vec{v} = k\vec{d} となる実数 kk が存在しないことからわかる。1=k-1 = -k, 1=2k1 = 2k, 1=0k-1 = 0k を満たす kk が存在しないので、v\vec{v}d\vec{d} は平行ではない。
次に、llmm が同一平面上にないことを示す。AC=(11,33,20)=(2,0,2)\vec{AC} = (-1-1, 3-3, 2-0) = (-2, 0, 2) を計算する。
v\vec{v}, d\vec{d}, AC\vec{AC} が一次独立であることを示せばよい。つまり、v(d×AC)0\vec{v} \cdot (\vec{d} \times \vec{AC}) \neq 0 を示せばよい。
d×AC=ijk120202=(40)i(20)j+(0(4))k=(4,2,4)\vec{d} \times \vec{AC} = \begin{vmatrix} \vec{i} & \vec{j} & \vec{k} \\ -1 & 2 & 0 \\ -2 & 0 & 2 \end{vmatrix} = (4-0)\vec{i} - (-2-0)\vec{j} + (0-(-4))\vec{k} = (4, 2, 4).
v(d×AC)=(1,1,1)(4,2,4)=4+24=60\vec{v} \cdot (\vec{d} \times \vec{AC}) = (-1, 1, -1) \cdot (4, 2, 4) = -4 + 2 - 4 = -6 \neq 0.
したがって、llmm は交わらない。
(2) ll 上の点 PPP=(1s,3+s,s)P = (1-s, 3+s, -s) と表せる。
mm 上の点 QQQ=(1t,3+2t,2)Q = (-1-t, 3+2t, 2) と表せる。
PQ=(1t(1s),3+2t(3+s),2(s))=(2t+s,2ts,2+s)\vec{PQ} = (-1-t-(1-s), 3+2t-(3+s), 2-(-s)) = (-2-t+s, 2t-s, 2+s).
PQPQ が最小となるのは、PQ\vec{PQ}v\vec{v}d\vec{d} の両方に垂直なときである。
PQv=(2t+s)(1)+(2ts)(1)+(2+s)(1)=2+ts+2ts2s=3t3s=0\vec{PQ} \cdot \vec{v} = (-2-t+s)(-1) + (2t-s)(1) + (2+s)(-1) = 2+t-s+2t-s-2-s = 3t-3s = 0.
PQd=(2t+s)(1)+(2ts)(2)+(2+s)(0)=2+ts+4t2s=5t3s+2=0\vec{PQ} \cdot \vec{d} = (-2-t+s)(-1) + (2t-s)(2) + (2+s)(0) = 2+t-s+4t-2s = 5t-3s+2 = 0.
3t=3s3t = 3s より t=st = s.
5t3s+2=5s3s+2=2s+2=05t-3s+2 = 5s-3s+2 = 2s+2 = 0 より s=1s = -1.
t=1t = -1.
P=(1(1),3+(1),(1))=(2,2,1)P = (1-(-1), 3+(-1), -(-1)) = (2, 2, 1).
Q=(1(1),3+2(1),2)=(0,1,2)Q = (-1-(-1), 3+2(-1), 2) = (0, 1, 2).
PQ=(02,12,21)=(2,1,1)\vec{PQ} = (0-2, 1-2, 2-1) = (-2, -1, 1).
PQ=(2)2+(1)2+12=4+1+1=6PQ = \sqrt{(-2)^2 + (-1)^2 + 1^2} = \sqrt{4+1+1} = \sqrt{6}.

3. 最終的な答え

(1) llmm は交わらない(証明終わり)。
(2) PQPQ の最小値は 6\sqrt{6}

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