袋の中に赤球3個と白球4個が入っている。この袋に対して以下の試行を繰り返す。 (ア) まず同時に2個の球を取り出す。 (イ) その2個の球が同色であればそのまま袋に戻し、色違いであれば、取り出した球の代わりに赤球を2個袋に入れる。 (ウ) 最後に白球1個を袋に追加してかき混ぜ、1回目の試行を終える。 $n$回目の試行が終わった時点での袋の中の赤球の個数を$X_n$とする。 (1) $X_1 = 4$となる確率を求めよ。 (2) $X_2 = 4$となる確率を求めよ。 (3) $X_2 = 4$であったとき、$X_1 = 4$である条件付き確率を求めよ。

確率論・統計学確率条件付き確率場合の数確率分布
2025/7/15
以下に問題の解答を示します。

1. 問題の内容

袋の中に赤球3個と白球4個が入っている。この袋に対して以下の試行を繰り返す。
(ア) まず同時に2個の球を取り出す。
(イ) その2個の球が同色であればそのまま袋に戻し、色違いであれば、取り出した球の代わりに赤球を2個袋に入れる。
(ウ) 最後に白球1個を袋に追加してかき混ぜ、1回目の試行を終える。
nn回目の試行が終わった時点での袋の中の赤球の個数をXnX_nとする。
(1) X1=4X_1 = 4となる確率を求めよ。
(2) X2=4X_2 = 4となる確率を求めよ。
(3) X2=4X_2 = 4であったとき、X1=4X_1 = 4である条件付き確率を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) X1=4X_1 = 4となる確率
最初に赤球3個、白球4個が入っている。合計7個。
X1=4X_1 = 4となるのは、1回目の試行で色違いの球を取り出した場合である。
色違いの球を取り出す確率は、
13C2+4C27C2=13+621=1921=137=471 - \frac{{}_3C_2 + {}_4C_2}{{}_7C_2} = 1 - \frac{3 + 6}{21} = 1 - \frac{9}{21} = 1 - \frac{3}{7} = \frac{4}{7}
または、直接計算すると
3C14C17C2=3421=1221=47\frac{{}_3C_1 \cdot {}_4C_1}{{}_7C_2} = \frac{3 \cdot 4}{21} = \frac{12}{21} = \frac{4}{7}.
1回目の試行後、白球1個が追加されるので、合計8個になる。
したがって、X1=4X_1=4となる確率は47\frac{4}{7}である。
(2) X2=4X_2 = 4となる確率
X2=4X_2 = 4となるためには、2回目の試行が終わった時点で赤球の個数が4個になっている必要がある。
場合分けをして考える。
(i) 1回目に色違いを取り出し、X1=4X_1 = 4となった場合。
この時、袋の中身は赤球4個、白球4個である。
2回目に赤球2個を取り出すとX2=4X_2 = 4になる。
赤球2個を取り出す確率は4C28C2=628=314\frac{{}_4C_2}{{}_8C_2} = \frac{6}{28} = \frac{3}{14}.
したがって、この場合の確率は47314=1298=649\frac{4}{7} \cdot \frac{3}{14} = \frac{12}{98} = \frac{6}{49}.
(ii) 1回目に同色を取り出し、X1=3X_1 = 3となった場合。
この時、袋の中身は赤球3個、白球5個である。
2回目に色違いを取り出すとX2=4X_2=4になる。
色違いを取り出す確率は3C15C18C2=3528=1528\frac{{}_3C_1 \cdot {}_5C_1}{{}_8C_2} = \frac{3 \cdot 5}{28} = \frac{15}{28}.
1回目に同色を取り出す確率は3C2+4C27C2=3+621=921=37\frac{{}_3C_2 + {}_4C_2}{{}_7C_2} = \frac{3+6}{21} = \frac{9}{21} = \frac{3}{7}.
したがって、この場合の確率は371528=45196\frac{3}{7} \cdot \frac{15}{28} = \frac{45}{196}.
X2=4X_2 = 4となる確率は649+45196=24196+45196=69196\frac{6}{49} + \frac{45}{196} = \frac{24}{196} + \frac{45}{196} = \frac{69}{196}.
(3) X2=4X_2=4であったとき、X1=4X_1 = 4である条件つき確率
求める確率はP(X1=4X2=4)=P(X1=4,X2=4)P(X2=4)P(X_1=4 | X_2=4) = \frac{P(X_1=4, X_2=4)}{P(X_2=4)}.
P(X1=4,X2=4)P(X_1=4, X_2=4)は1回目に色違いを取り出し、2回目に赤球2個を取り出す確率であり、(2)の(i)で求めた。649\frac{6}{49}.
P(X2=4)P(X_2=4)は(2)で求めた。69196\frac{69}{196}.
したがって、
P(X1=4X2=4)=64969196=64919669=6469=2469=823P(X_1=4 | X_2=4) = \frac{\frac{6}{49}}{\frac{69}{196}} = \frac{6}{49} \cdot \frac{196}{69} = \frac{6 \cdot 4}{69} = \frac{24}{69} = \frac{8}{23}.

3. 最終的な答え

(1) 47\frac{4}{7}
(2) 69196\frac{69}{196}
(3) 823\frac{8}{23}

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