次の不等式を示す問題です。 (1) $x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} < \sin x < x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} \quad (0 < x < \pi)$ (2) $1 + x + \frac{x^2}{2!} + \dots + \frac{x^n}{n!} < e^x \quad (0 < x, n \in \mathbb{N})$ (3) $e^x < \frac{1}{1-x} \quad (0 < x < 1)$
2025/7/16
1. 問題の内容
次の不等式を示す問題です。
(1)
(2)
(3)
2. 解き方の手順
(1) マクローリン展開の剰余項を利用して証明します。 のマクローリン展開は、 であり、これは交代級数であるため、剰余項の絶対値は次の項の絶対値よりも小さくなります。
のマクローリン展開を 次で打ち切ったときの剰余項を とすると、 と書けます。 の符号は正であるため、 が成立します。
また、 と書けます。 の符号は負であるため、 が成立します。
(2) のマクローリン展開は です。与えられた不等式の左辺は のマクローリン展開の 次までの和です。 のマクローリン展開の各項は正であるため、 が成立します。
(3) のマクローリン展開は です。
のマクローリン展開(等比級数)は です。
のとき、 が成立します。なぜなら、 が で成り立つからです。
3. 最終的な答え
(1)
(2)
(3)