(1) 臨界点を求める。
∂x1∂f=1+x1x22+2x1x22 ∂x2∂f=2x2log(1+x1)+2x12x2 臨界点では、これらの偏微分が同時に0となる。
∂x1∂f=x22(1+x11+2x1)=0 ∂x2∂f=2x2(log(1+x1)+x12)=0 最初の式から x2=0 または 1+x11+2x1=0。 2番目の式から x2=0 または log(1+x1)+x12=0。 x2=0 のとき、∂x1∂f=0 が常に成立し、∂x2∂f=0 より 0=0 となり、x1>−1 のすべての x1 に対して条件を満たす。したがって、(x1,0) は臨界点である。 x2=0 のとき、 1+x11+2x1=0 より 1+2x1(1+x1)=0, つまり 2x12+2x1+1=0。 この2次方程式の判別式は 22−4(2)(1)=4−8=−4<0 なので、実数解を持たない。 log(1+x1)+x12=0 を満たす x1 を探す。 x1=0 は明らかに解である。x1=0 であれば解はない。 x1=0の場合、1+x11+2x1=1+0=1=0 なので、解にはならない。 したがって、臨界点は (x1,0),x1>−1。 (2) ヘッセ行列の行列式を求める。
∂x12∂2f=∂x1∂(1+x1x22+2x1x22)=−(1+x1)2x22+2x22 ∂x1∂x2∂2f=∂x1∂(2x2log(1+x1)+2x12x2)=1+x12x2+4x1x2 ∂x2∂x1∂2f=∂x2∂(1+x1x22+2x1x22)=1+x12x2+4x1x2 ∂x22∂2f=∂x2∂(2x2log(1+x1)+2x12x2)=2log(1+x1)+2x12 ヘッセ行列は
$H(x_1, x_2) = \begin{pmatrix}
-\frac{x_2^2}{(1+x_1)^2} + 2x_2^2 & \frac{2x_2}{1+x_1} + 4x_1 x_2 \\
\frac{2x_2}{1+x_1} + 4x_1 x_2 & 2\log(1+x_1) + 2x_1^2
\end{pmatrix}$
臨界点 (x1,0) でのヘッセ行列は $H(x_1, 0) = \begin{pmatrix}
0 & 0 \\
0 & 2\log(1+x_1) + 2x_1^2
\end{pmatrix}$
したがって、ヘッセ行列の行列式は
det(H(x1,0))=0 (3) 局所的な最大値、最小値をとる点を求める。
ヘッセ行列の行列式が 0 なので、この判定法では判断できない。
f(x1,x2)=x22(log(1+x1)+x12) x2=0 のとき、x22>0 であり、log(1+x1)+x12 の符号によって f(x1,x2) の符号が決まる。 臨界点 (x1,0) の近くで、x2 を少しだけ動かすことを考える。 x1 を固定したとき、x2 が 0 に近い範囲で、x22>0 であるから、log(1+x1)+x12>0 であれば f(x1,x2)>f(x1,0)=0 となり、(x1,0) は局所的な最小値をとる。 log(1+x1)+x12<0 であれば f(x1,x2)<f(x1,0)=0 となり、(x1,0) は局所的な最大値をとる。 log(1+x1)+x12=0 の場合、f(x1,x2)=0 である。 g(x1)=log(1+x1)+x12 を考える。g(0)=0 である。 g′(x1)=1+x11+2x1 g′(0)=1>0 なので、x1>0 のとき g(x1)>0 であり、x1<0 のとき g(x1)<0 である。 したがって、x1=0 のとき f(x1,x2) は局所的な最小値と最大値をとる。 x1=0 のとき、x2=0 であれば f(x1,x2)=0 となるため、x2=0 の近傍では局所的な最大値も最小値もとらない。