A県の高校1年生男子の身長を調査する問題です。 (1) では、無作為に抽出した100人の身長データから、身長が164.8cm以上の男子の比率 $p$ に対する信頼度95%の信頼区間を求めます。 (2) では、今年の高校1年生男子の身長の平均が、昨年の平均より低くなったかどうかを有意水準5%で検定します。

確率論・統計学統計的推測信頼区間仮説検定正規分布母比率標本平均
2025/7/16

1. 問題の内容

A県の高校1年生男子の身長を調査する問題です。
(1) では、無作為に抽出した100人の身長データから、身長が164.8cm以上の男子の比率 pp に対する信頼度95%の信頼区間を求めます。
(2) では、今年の高校1年生男子の身長の平均が、昨年の平均より低くなったかどうかを有意水準5%で検定します。

2. 解き方の手順

(1)
・標本における身長164.8cm以上の男子の比率 p0p_0 を計算します。p0=61/100=0.61p_0 = 61/100 = 0.61
・標本の大きさが十分に大きいので、二項分布を正規分布で近似します。
・比率 pp に対する信頼度95%の信頼区間は、近似的に p01.96p0(1p0)npp0+1.96p0(1p0)np_0 - 1.96\sqrt{\frac{p_0(1-p_0)}{n}} \leq p \leq p_0 + 1.96\sqrt{\frac{p_0(1-p_0)}{n}} となります。ここで、n=100n = 100 です。
・信頼区間の下限 pL=0.611.960.61(10.61)1000.611.96×0.04870.610.09550.5145p_L = 0.61 - 1.96\sqrt{\frac{0.61(1-0.61)}{100}} \approx 0.61 - 1.96 \times 0.0487 \approx 0.61 - 0.0955 \approx 0.5145
・信頼区間の上限 pU=0.61+1.960.61(10.61)1000.61+1.96×0.04870.61+0.09550.7055p_U = 0.61 + 1.96\sqrt{\frac{0.61(1-0.61)}{100}} \approx 0.61 + 1.96 \times 0.0487 \approx 0.61 + 0.0955 \approx 0.7055
・よって、0.52p0.700.52 \leq p \leq 0.70 となります。
(2)
・帰無仮説を「A県の高校1年生男子の身長の平均 mm は昨年と変わらない (m=164.1)(m = 164.1)」とします。
・対立仮説を「A県の高校1年生男子の身長の平均 mm は昨年より低い (m<164.1)(m < 164.1)」とします。
・標本平均 X\overline{X} は、標本の大きさ100が十分に大きいので、平均 m=164.1m = 164.1、標準偏差 σ/n=4.2/100=0.42\sigma/\sqrt{n} = 4.2/\sqrt{100} = 0.42 の正規分布に従います。
Z=Xmσ/n=161.9164.10.425.238Z = \frac{\overline{X}-m}{\sigma/\sqrt{n}} = \frac{161.9 - 164.1}{0.42} \approx -5.238 とおくと、ZZ は標準正規分布 N(0,1)N(0,1) に近似的に従います。
・標準正規分布表より、P(Zα)=0.05P(Z \geq \alpha) = 0.05 を満たす α\alpha の値は1.64です。
・棄却域は Z1.64Z \leq -1.64 です。
Z5.238Z \approx -5.238 は棄却域に含まれるので、帰無仮説は棄却できます。
・よって、有意水準5%で片側検定すると、A県の高校1年生男子の身長は、昨年より今年の方が低くなったと判断してよい。

3. 最終的な答え

ア: 0
イ: 6
ウ: 3
エ: 0
オ: 4
カ: 3
キ: 1
ク: 0
ケ: 0
コ: 1

「確率論・統計学」の関連問題

(1) 男子8人、女子9人の中から5人を選ぶとき、次の場合の数を求めます。 1. 特定の2人 A, B を必ず選ぶ 2. 男子2人、女子3人を選ぶ 3. 特定の男子 C ...

組み合わせ場合の数順列
2025/7/17

写真には全部で6つの組み合わせと確率に関する問題があります。 (2) 12人の生徒から3人の委員を選ぶ組み合わせと、班長、副班長、会計を選ぶ順列の数を求める。 (3) 15人の生徒から3人の委員を選ぶ...

組み合わせ順列場合の数二項係数総当たり戦
2025/7/17

大小中小の3つのサイコロを投げるとき、次の条件を満たす場合は何通りあるか。 (1) 目の積が偶数になる。 (2) 目の積が20になる。 (3) 大中小のサイコロの目をそれぞれ $a, b, c$ とす...

確率場合の数サイコロ組み合わせ
2025/7/17

5人の人にそれぞれ書類を送る際に、宛名と書類の内容が食い違ってしまった。 (1) ちょうど2人分の宛名と書面が食い違っている場合は何通りあるか。 (2) ちょうど4人分の宛名と書面が食い違っている場合...

順列組み合わせ場合の数完全順列
2025/7/17

確率変数 $T$ が標準正規分布 $N(0, 1)$ に従い、確率変数 $X$ が正規分布 $N(2, 4)$ に従うとき、$P(-1 \le X \le 3)$ を求める問題です。ここで、$N(2,...

正規分布確率標準化累積分布関数
2025/7/17

4種類のSOYJOY(ブルーベリー、アップル、アーモンド&チョコレート、抹茶&マカダミア)がそれぞれ同じ本数だけ箱に入っている。箱から無作為に2本のSOYJOYを取り出したとき、取り出した2本が同じ味...

確率組み合わせ分数確率の計算
2025/7/17

箱の中に-4, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3と書かれた8個のボールが入っている。この箱から3個のボールを同時に取り出す。以下の確率を求めよ。 (1) 取り出した3個のボールに書かれた数...

確率組み合わせ期待値場合の数
2025/7/17

ある選挙区でA候補とB候補の2人が出馬した。無作為に100票を開票したところ、A候補が70票、B候補が30票であった。仮説検定の考え方を用いて、基準となる確率を1%とした場合、A氏は当選確実と判断して...

仮説検定二項検定確率分布統計有意水準
2025/7/17

与えられたデータは1994年から2020年の最終消費支出額系列(単位:兆円)であり、四半期ごとのデータが含まれています。問題は以下の通りです。 * D列に季節調整系列を計算し、小数第4位まで表示す...

時系列分析季節調整増加率データ分析
2025/7/17

10個のデータがあり、そのうち5個のデータの平均が4、標準偏差が2である。残りの5個のデータの平均は8、標準偏差は6である。 (1)全体の平均を求めよ。 (2)全体の分散を求めよ。

平均分散標準偏差データの分析
2025/7/17