(1)
・標本における身長164.8cm以上の男子の比率 p0 を計算します。p0=61/100=0.61。 ・標本の大きさが十分に大きいので、二項分布を正規分布で近似します。
・比率 p に対する信頼度95%の信頼区間は、近似的に p0−1.96np0(1−p0)≤p≤p0+1.96np0(1−p0) となります。ここで、n=100 です。 ・信頼区間の下限 pL=0.61−1.961000.61(1−0.61)≈0.61−1.96×0.0487≈0.61−0.0955≈0.5145 ・信頼区間の上限 pU=0.61+1.961000.61(1−0.61)≈0.61+1.96×0.0487≈0.61+0.0955≈0.7055 ・よって、0.52≤p≤0.70 となります。 (2)
・帰無仮説を「A県の高校1年生男子の身長の平均 m は昨年と変わらない (m=164.1)」とします。 ・対立仮説を「A県の高校1年生男子の身長の平均 m は昨年より低い (m<164.1)」とします。 ・標本平均 X は、標本の大きさ100が十分に大きいので、平均 m=164.1、標準偏差 σ/n=4.2/100=0.42 の正規分布に従います。 ・Z=σ/nX−m=0.42161.9−164.1≈−5.238 とおくと、Z は標準正規分布 N(0,1) に近似的に従います。 ・標準正規分布表より、P(Z≥α)=0.05 を満たす α の値は1.64です。 ・棄却域は Z≤−1.64 です。 ・Z≈−5.238 は棄却域に含まれるので、帰無仮説は棄却できます。 ・よって、有意水準5%で片側検定すると、A県の高校1年生男子の身長は、昨年より今年の方が低くなったと判断してよい。