与えられた関数の高次導関数に関する問題です。具体的には、以下の2つの問題に答えます。 (1) $f(x) = \frac{1}{1-x^2}$ の $n$ 階導関数 $f^{(n)}(x)$ について、$f^{(n)}(0)$ を求めます。 (2) $f(x) = e^x \sin x$ の $n$ 階導関数 $f^{(n)}(x)$ について、$f^{(n)}(\frac{\pi}{2} - \frac{n\pi}{4})$ を求めます。

解析学高次導関数微分部分分数分解三角関数指数関数
2025/7/16

1. 問題の内容

与えられた関数の高次導関数に関する問題です。具体的には、以下の2つの問題に答えます。
(1) f(x)=11x2f(x) = \frac{1}{1-x^2}nn 階導関数 f(n)(x)f^{(n)}(x) について、f(n)(0)f^{(n)}(0) を求めます。
(2) f(x)=exsinxf(x) = e^x \sin xnn 階導関数 f(n)(x)f^{(n)}(x) について、f(n)(π2nπ4)f^{(n)}(\frac{\pi}{2} - \frac{n\pi}{4}) を求めます。

2. 解き方の手順

(1) f(x)=11x2f(x) = \frac{1}{1-x^2} を部分分数分解します。
f(x)=11x2=1(1x)(1+x)=A1x+B1+xf(x) = \frac{1}{1-x^2} = \frac{1}{(1-x)(1+x)} = \frac{A}{1-x} + \frac{B}{1+x}
1=A(1+x)+B(1x)1 = A(1+x) + B(1-x)
x=1x=1 のとき、1=2A1 = 2A より A=12A = \frac{1}{2}
x=1x=-1 のとき、1=2B1 = 2B より B=12B = \frac{1}{2}
したがって、f(x)=12(11x+11+x)f(x) = \frac{1}{2}(\frac{1}{1-x} + \frac{1}{1+x})
11x\frac{1}{1-x}nn 階導関数は n!(1x)n+1\frac{n!}{(1-x)^{n+1}}
11+x\frac{1}{1+x}nn 階導関数は (1)nn!(1+x)n+1\frac{(-1)^n n!}{(1+x)^{n+1}}
よって、f(n)(x)=12(n!(1x)n+1+(1)nn!(1+x)n+1)f^{(n)}(x) = \frac{1}{2} (\frac{n!}{(1-x)^{n+1}} + \frac{(-1)^n n!}{(1+x)^{n+1}})
f(n)(0)=12(n!+(1)nn!)=n!2(1+(1)n)f^{(n)}(0) = \frac{1}{2} (n! + (-1)^n n!) = \frac{n!}{2} (1 + (-1)^n)
nn が偶数のとき、f(n)(0)=n!2(1+1)=n!f^{(n)}(0) = \frac{n!}{2} (1+1) = n!
nn が奇数のとき、f(n)(0)=n!2(11)=0f^{(n)}(0) = \frac{n!}{2} (1-1) = 0
(2) f(x)=exsinxf(x) = e^x \sin x について、
f(x)=exsinx+excosx=ex(sinx+cosx)f'(x) = e^x \sin x + e^x \cos x = e^x (\sin x + \cos x)
f(x)=ex(sinx+cosx)+ex(cosxsinx)=ex(2cosx)f''(x) = e^x (\sin x + \cos x) + e^x (\cos x - \sin x) = e^x (2\cos x)
f(x)=ex(2cosx)+ex(2sinx)=ex(2cosx2sinx)f'''(x) = e^x (2\cos x) + e^x (-2\sin x) = e^x (2\cos x - 2\sin x)
f(x)=ex(2cosx2sinx)+ex(2sinx2cosx)=ex(4sinx)f''''(x) = e^x (2\cos x - 2\sin x) + e^x (-2\sin x - 2\cos x) = e^x (-4\sin x)
一般に、関数 exsinxe^x \sin xnn 階導関数は
f(n)(x)=(2)nexsin(x+nπ4)f^{(n)}(x) = (\sqrt{2})^n e^x \sin(x + \frac{n\pi}{4}) と表せる。
したがって、f(n)(π2nπ4)=(2)neπ2nπ4sin(π2nπ4+nπ4)=(2)neπ2nπ4sin(π2)=(2)neπ2nπ4f^{(n)}(\frac{\pi}{2} - \frac{n\pi}{4}) = (\sqrt{2})^n e^{\frac{\pi}{2} - \frac{n\pi}{4}} \sin(\frac{\pi}{2} - \frac{n\pi}{4} + \frac{n\pi}{4}) = (\sqrt{2})^n e^{\frac{\pi}{2} - \frac{n\pi}{4}} \sin(\frac{\pi}{2}) = (\sqrt{2})^n e^{\frac{\pi}{2} - \frac{n\pi}{4}}

3. 最終的な答え

(1) f(n)(0)={n!(n が偶数のとき)0(n が奇数のとき)f^{(n)}(0) = \begin{cases} n! & (n \text{ が偶数のとき}) \\ 0 & (n \text{ が奇数のとき}) \end{cases}
(2) f(n)(π2nπ4)=(2)neπ2nπ4f^{(n)}(\frac{\pi}{2} - \frac{n\pi}{4}) = (\sqrt{2})^n e^{\frac{\pi}{2} - \frac{n\pi}{4}}

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