(5) 5で割ると3余り、8で割ると1余る自然数で最も小さいものを求める。 (6) 14で割ると3余り、21で割ると12余るような整数が存在しないことを示す。

数論合同式剰余不定方程式中国剰余定理
2025/7/16

1. 問題の内容

(5) 5で割ると3余り、8で割ると1余る自然数で最も小さいものを求める。
(6) 14で割ると3余り、21で割ると12余るような整数が存在しないことを示す。

2. 解き方の手順

(5)
求める自然数を nn とすると、以下の2つの式が成り立つ。
n3(mod5)n \equiv 3 \pmod{5}
n1(mod8)n \equiv 1 \pmod{8}
1つ目の式より、n=5k+3n = 5k + 3kk は整数)と表せる。
これを2つ目の式に代入すると、
5k+31(mod8)5k + 3 \equiv 1 \pmod{8}
5k26(mod8)5k \equiv -2 \equiv 6 \pmod{8}
5k6(mod8)5k \equiv 6 \pmod{8} の両辺に5をかけると、
25k30(mod8)25k \equiv 30 \pmod{8}
k6(mod8)k \equiv 6 \pmod{8} (∵ 251(mod8)25 \equiv 1 \pmod{8} , 306(mod8)30 \equiv 6 \pmod{8}
したがって、k=8l+6k = 8l + 6ll は整数)と表せる。
これを n=5k+3n = 5k + 3 に代入すると、
n=5(8l+6)+3=40l+30+3=40l+33n = 5(8l + 6) + 3 = 40l + 30 + 3 = 40l + 33
l=0l = 0 のとき、n=33n = 33
l=1l = 1 のとき、n=73n = 73
l=2l = 2 のとき、n=113n = 113
最小の自然数は、n=33n=33 である。
(6)
求める整数を nn とすると、以下の2つの式が成り立つ。
n3(mod14)n \equiv 3 \pmod{14}
n12(mod21)n \equiv 12 \pmod{21}
1つ目の式より、n=14k+3n = 14k + 3kk は整数)と表せる。
これを2つ目の式に代入すると、
14k+312(mod21)14k + 3 \equiv 12 \pmod{21}
14k9(mod21)14k \equiv 9 \pmod{21}
14k=21m+914k = 21m + 9 (mは整数) と表せる.
これを変形すると,
2k=3m+972k = 3m + \frac{9}{7}
左辺は整数であるため、右辺も整数でなければならない。しかし、mm が整数のとき、3m+973m + \frac{9}{7} は整数にならない。これは、14k9(mod21)14k \equiv 9 \pmod{21} に整数解が存在しないことを意味する。
gcd(14, 21) = 7 であり, 9は7の倍数ではないため, 不定方程式 14k21m=914k - 21m = 9 は整数解を持たない。したがって、nn は存在しない。

3. 最終的な答え

(5) 33
(6) 存在しない

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