確率密度関数 $f(x)$ が与えられている。ただし、 $f(x) = \begin{cases} cx & (0 \le x \le 1) \\ 0 & (\text{それ以外}) \end{cases}$ ここで、$c$ は実定数である。 (1) $c$ の値を決定する。 (2) 確率変数 $X$ の分布関数を求める。 (3) $X$ の期待値と分散を求める。

確率論・統計学確率密度関数分布関数期待値分散二項分布ポアソン分布
2025/7/17
## 問題3

1. 問題の内容

確率密度関数 f(x)f(x) が与えられている。ただし、
f(x)={cx(0x1)0(それ以外)f(x) = \begin{cases} cx & (0 \le x \le 1) \\ 0 & (\text{それ以外}) \end{cases}
ここで、cc は実定数である。
(1) cc の値を決定する。
(2) 確率変数 XX の分布関数を求める。
(3) XX の期待値と分散を求める。

2. 解き方の手順

(1) 確率密度関数の性質より、全区間での積分が 1 になる必要がある。つまり、
f(x)dx=1\int_{-\infty}^{\infty} f(x) dx = 1
この積分を計算し、cc の値を求める。
(2) 分布関数 F(x)F(x) は、F(x)=P(Xx)=xf(t)dtF(x) = P(X \le x) = \int_{-\infty}^{x} f(t) dt で定義される。
xx の範囲に応じて積分を計算し、F(x)F(x) を求める。
(3) 期待値 E[X]E[X] は、E[X]=xf(x)dxE[X] = \int_{-\infty}^{\infty} x f(x) dx で計算される。
分散 Var[X]Var[X] は、Var[X]=E[X2](E[X])2Var[X] = E[X^2] - (E[X])^2 で計算される。ここで、E[X2]=x2f(x)dxE[X^2] = \int_{-\infty}^{\infty} x^2 f(x) dx である。

3. 最終的な答え

(1) 01cxdx=1\int_{0}^{1} cx dx = 1 より、
[cx22]01=c2=1\left[ \frac{cx^2}{2} \right]_{0}^{1} = \frac{c}{2} = 1
したがって、c=2c = 2
(2) 分布関数 F(x)F(x) は、
F(x)={0(x<0)0x2tdt=x2(0x1)1(x>1)F(x) = \begin{cases} 0 & (x < 0) \\ \int_{0}^{x} 2t dt = x^2 & (0 \le x \le 1) \\ 1 & (x > 1) \end{cases}
(3) 期待値 E[X]E[X] は、
E[X]=01x(2x)dx=012x2dx=[2x33]01=23E[X] = \int_{0}^{1} x(2x) dx = \int_{0}^{1} 2x^2 dx = \left[ \frac{2x^3}{3} \right]_{0}^{1} = \frac{2}{3}
E[X2]=01x2(2x)dx=012x3dx=[2x44]01=12E[X^2] = \int_{0}^{1} x^2(2x) dx = \int_{0}^{1} 2x^3 dx = \left[ \frac{2x^4}{4} \right]_{0}^{1} = \frac{1}{2}
分散 Var[X]Var[X] は、
Var[X]=E[X2](E[X])2=12(23)2=1249=9818=118Var[X] = E[X^2] - (E[X])^2 = \frac{1}{2} - \left( \frac{2}{3} \right)^2 = \frac{1}{2} - \frac{4}{9} = \frac{9 - 8}{18} = \frac{1}{18}
## 問題4

1. 問題の内容

任意の人が男である確率が 1/2 であるとき、10 人のグループで男女が 5 人ずつである確率を求める。

2. 解き方の手順

これは二項分布の問題である。10人中5人が男である確率を計算する。
確率質量関数は、P(X=k)=(nk)pk(1p)nkP(X=k) = \binom{n}{k} p^k (1-p)^{n-k}
ここで、n=10n=10, k=5k=5, p=1/2p=1/2 である。

3. 最終的な答え

P(X=5)=(105)(1/2)5(1/2)5=10!5!5!(1/2)10=1098765432111024=25211024=2521024=632560.246P(X=5) = \binom{10}{5} (1/2)^5 (1/2)^5 = \frac{10!}{5!5!} (1/2)^{10} = \frac{10 \cdot 9 \cdot 8 \cdot 7 \cdot 6}{5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1} \cdot \frac{1}{1024} = 252 \cdot \frac{1}{1024} = \frac{252}{1024} = \frac{63}{256} \approx 0.246
## 問題5

1. 問題の内容

100 万人の都市で、1 日平均 1 人が交通事故で死亡する。保険会社は 1 日 10 円の保険料で、交通事故死の場合 1000 万円を支払う。市民全員が加入し、会社は 3 日で夜逃げした。e ≈ 2.72 とする。
(1) 会社が儲けた確率を求める。
(2) 会社が損得なしだった確率を求める。
(3) 会社が損をした確率を求める。

2. 解き方の手順

これはポアソン分布の問題である。1日に死亡する人数は平均 1 人なので、λ = 1 である。3 日間では λ = 3 となる。
P(X=k)=eλλkk!P(X=k) = \frac{e^{-\lambda} \lambda^k}{k!}
会社の収入は 100 万人 x 10 円 x 3 日 = 3000 万円である。
(1) 会社が儲けるのは、死亡者が 2 人以下の場合である。つまり、0 人、1 人、2 人の場合である。
P(X2)=P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)P(X \le 2) = P(X=0) + P(X=1) + P(X=2)
(2) 会社が損得なしなのは、死亡者が 3 人の場合である。
P(X=3)P(X=3)
(3) 会社が損をするのは、死亡者が 4 人以上の場合である。
P(X4)=1P(X3)=1[P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)+P(X=3)]P(X \ge 4) = 1 - P(X \le 3) = 1 - [P(X=0) + P(X=1) + P(X=2) + P(X=3)]

3. 最終的な答え

λ = 3 より、
P(X=0)=e3300!=e3120.090.0498P(X=0) = \frac{e^{-3} 3^0}{0!} = e^{-3} \approx \frac{1}{20.09} \approx 0.0498
P(X=1)=e3311!=3e330.04980.1494P(X=1) = \frac{e^{-3} 3^1}{1!} = 3e^{-3} \approx 3 \cdot 0.0498 \approx 0.1494
P(X=2)=e3322!=92e3920.04980.2241P(X=2) = \frac{e^{-3} 3^2}{2!} = \frac{9}{2} e^{-3} \approx \frac{9}{2} \cdot 0.0498 \approx 0.2241
P(X=3)=e3333!=276e3=92e3920.04980.2241P(X=3) = \frac{e^{-3} 3^3}{3!} = \frac{27}{6} e^{-3} = \frac{9}{2} e^{-3} \approx \frac{9}{2} \cdot 0.0498 \approx 0.2241
(1) P(X2)=P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)0.0498+0.1494+0.2241=0.4233P(X \le 2) = P(X=0) + P(X=1) + P(X=2) \approx 0.0498 + 0.1494 + 0.2241 = 0.4233
(2) P(X=3)0.2241P(X=3) \approx 0.2241
(3) P(X4)=1P(X3)=1(P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)+P(X=3))1(0.0498+0.1494+0.2241+0.2241)=10.6474=0.3526P(X \ge 4) = 1 - P(X \le 3) = 1 - (P(X=0) + P(X=1) + P(X=2) + P(X=3)) \approx 1 - (0.0498 + 0.1494 + 0.2241 + 0.2241) = 1 - 0.6474 = 0.3526

「確率論・統計学」の関連問題

確率論における「独立な試行」とはどのようなことかを30字以上で説明する問題です。

確率独立試行確率の定義事象
2025/7/17

10本のくじの中に当たりくじが3本ある。AとBが順番にくじを1本ずつ引くとき、2人とも当たる確率を求める。Aが引いたくじを元に戻す場合と、元に戻さない場合で、それぞれどのような確率の考え方を用いるのが...

確率独立事象乗法定理くじ引き
2025/7/17

あるくじの賞金と本数が表で与えられている。(1)このくじの賞金の期待値を求め、(2)このくじが1本250円のとき、参加すべきかどうかを期待値を根拠に30字以上で答える。

期待値確率くじ
2025/7/17

袋の中に1から3の数字が書かれた白球が3個と、4から7の数字が書かれた赤球が4個入っている。この袋から球を1つ取り出すとき、白球が出る事象をA、奇数の球が出る事象をBとする。このとき、条件付き確率 $...

確率条件付き確率事象
2025/7/17

弓道部のAさんが的に矢を命中させる確率は $\frac{1}{3}$、Bさんが的に矢を命中させる確率は $\frac{1}{4}$である。2人が続けて弓を射て、ともに的に矢を命中させる確率が $\fr...

確率独立事象確率の乗法定理
2025/7/17

袋の中に赤球が4個、白球が5個入っている。この袋から2個の球を続けて取り出す。ただし、取り出した球は元に戻さない。以下の確率を求めよ。 (1) 2個とも赤球である確率 (2) 1個目が白球で、2個目が...

確率組み合わせ条件付き確率
2025/7/17

袋の中に赤球が2個、白球が4個入っている。この袋から一度に2個の球を取り出すとき、取り出した球に含まれる赤球の個数の確率分布を求め、期待値を計算する。まず、赤球の個数ごとの確率を求める。

確率確率分布期待値組み合わせ
2025/7/17

人口100万人の都市で、1日平均1人の交通事故死亡事故が発生する。保険会社が、1日10円の保険料で、交通事故死の場合1000万円を支払う保険を提供した。全市民が加入した場合、会社が3日間で夜逃げしたと...

確率ポアソン分布統計期待値リスク
2025/7/17

1から5までの5つの数字をすべて使って5桁の整数を作るとき、偶数は全部で何個できるか。

順列組合せ場合の数整数
2025/7/17

10人のグループにおいて、任意の1人が男である確率が$\frac{1}{2}$であるとき、グループ内で男女が5人ずつになる確率を求める。

二項分布確率組み合わせ
2025/7/17