この問題は、さいころを複数個同時に投げたとき、出る目の積が6の倍数になる確率を求める問題です。 (1) 2個のさいころを投げた場合、 (2) 3個のさいころを投げた場合、 (3) n個のさいころを投げた場合 について、それぞれ確率を求める必要があります。

確率論・統計学確率確率分布事象さいころ場合の数
2025/7/17

1. 問題の内容

この問題は、さいころを複数個同時に投げたとき、出る目の積が6の倍数になる確率を求める問題です。
(1) 2個のさいころを投げた場合、
(2) 3個のさいころを投げた場合、
(3) n個のさいころを投げた場合
について、それぞれ確率を求める必要があります。

2. 解き方の手順

(1) 2個のさいころの場合:
全事象は6×6=366 \times 6 = 36通りです。
積が6の倍数にならない場合を考えます。つまり、どの目にも2と3の両方が含まれない場合を考えます。
具体的には、1, 2, 3, 4, 5, 6 のうち、2と3の少なくともどちらかを含まない目を選びます。
6の倍数にならない目は、(1, 1), (1, 2), (1, 3), (1, 4), (1, 5), (2, 1), (2, 2), (2, 4), (2, 5), (3, 1), (3, 2), (3, 3), (3, 4), (3, 5), (4, 1), (4, 2), (4, 3), (4, 4), (4, 5), (5, 1), (5, 2), (5, 3), (5, 4), (5, 5)
しかし、この方法だと見落としがあるので、より構造的に考えます。
積が6の倍数にならないのは、以下のいずれかの場合です。
- どちらの目にも3が含まれない(つまり1, 2, 4, 5のみ)
- どちらの目にも2が含まれない(つまり1, 3, 5のみ)
- 片方の目には3が含まれず、もう片方の目には2が含まれない
事象A: 少なくとも一つの目が3の倍数(3,6)である
事象B: 少なくとも一つの目が2の倍数(2,4,6)である
求める確率は、P(AB)=P(A)+P(B)P(AB)P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B)で計算できます。
P(A)=1(4/6)2=116/36=20/36P(A) = 1 - (4/6)^2 = 1 - 16/36 = 20/36
P(B)=1(3/6)2=19/36=27/36P(B) = 1 - (3/6)^2 = 1 - 9/36 = 27/36
P(AB)=1P(AˉBˉ)P(A \cap B) = 1 - P(\bar{A} \cup \bar{B})
P(Aˉ)=(4/6)2=16/36P(\bar{A}) = (4/6)^2 = 16/36
P(Bˉ)=(3/6)2=9/36P(\bar{B}) = (3/6)^2 = 9/36
P(AˉBˉ)=(2/6)2=4/36P(\bar{A} \cap \bar{B}) = (2/6)^2 = 4/36
P(AˉBˉ)=P(Aˉ)+P(Bˉ)P(AˉBˉ)=16/36+9/364/36=21/36P(\bar{A} \cup \bar{B}) = P(\bar{A}) + P(\bar{B}) - P(\bar{A} \cap \bar{B}) = 16/36 + 9/36 - 4/36 = 21/36
P(AB)=121/36=15/36P(A \cap B) = 1 - 21/36 = 15/36
P(AB)=20/36+27/3615/36=32/36=8/9P(A \cup B) = 20/36 + 27/36 - 15/36 = 32/36 = 8/9
(2) 3個のさいころの場合:
全事象は6×6×6=2166 \times 6 \times 6 = 216通りです。
積が6の倍数にならないのは、どの目にも2と3の両方が含まれない場合です。
- 3の倍数(3, 6)が一つも含まれない確率は (4/6)3=(2/3)3=8/27=64/216(4/6)^3 = (2/3)^3 = 8/27 = 64/216
- 2の倍数(2, 4, 6)が一つも含まれない確率は (3/6)3=(1/2)3=1/8=27/216(3/6)^3 = (1/2)^3 = 1/8 = 27/216
- 2の倍数も3の倍数も一つも含まれない確率は (2/6)3=(1/3)3=1/27=8/216(2/6)^3 = (1/3)^3 = 1/27 = 8/216
少なくとも1つ2の倍数または3の倍数が出る確率 = 1 - (2の倍数も3の倍数も一つも出ない確率) - ((3の倍数だけ出る確率) + (2の倍数だけ出る確率))
求める確率は、1(4/6)3(3/6)3+(2/6)3=164/21627/216+8/216=183/216=133/2161 - (4/6)^3 - (3/6)^3 + (2/6)^3 = 1 - 64/216 - 27/216 + 8/216 = 1 - 83/216 = 133/216
(3) n個のさいころの場合:
全事象は6n6^n通りです。
積が6の倍数にならないのは、どの目にも2と3の両方が含まれない場合です。
- どの目にも3の倍数(3, 6)が含まれない確率は(4/6)n(4/6)^n
- どの目にも2の倍数(2, 4, 6)が含まれない確率は(3/6)n(3/6)^n
- どの目にも2の倍数も3の倍数も含まれない確率は(2/6)n(2/6)^n
したがって、積が6の倍数になる確率は、
1(4/6)n(3/6)n+(2/6)n=1(2/3)n(1/2)n+(1/3)n1 - (4/6)^n - (3/6)^n + (2/6)^n = 1 - (2/3)^n - (1/2)^n + (1/3)^n

3. 最終的な答え

(1) 2個のさいころの場合: 89\frac{8}{9}
(2) 3個のさいころの場合: 133216\frac{133}{216}
(3) n個のさいころの場合: 1(23)n(12)n+(13)n1 - (\frac{2}{3})^n - (\frac{1}{2})^n + (\frac{1}{3})^n

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