$a$ を正の数とします。$xy$ 平面において、点 $A(a, 0)$ をとり、$C_1$ を双曲線 $x^2 - 4y^2 = -4$ とし、$C_2$ を双曲線 $x^2 - 4y^2 = 4$ とします。 (1) 点 $P$ が $C_1$ 上にあるとき、$AP$ を最小にする点 $P$ とその最小値を求めます。 (2) 点 $P$ が $C_2$ 上にあるとき、$AP$ を最小にする点 $P$ とその最小値を求めます。 (3) 点 $P$ が $C_1$ または $C_2$ 上にあるとき、点 $(2, 0)$ が $AP$ の最小値を与える点 $P$ となるような $a$ の値の範囲を求めます。

代数学双曲線距離最小値平方完成不等式
2025/7/17

1. 問題の内容

aa を正の数とします。xyxy 平面において、点 A(a,0)A(a, 0) をとり、C1C_1 を双曲線 x24y2=4x^2 - 4y^2 = -4 とし、C2C_2 を双曲線 x24y2=4x^2 - 4y^2 = 4 とします。
(1) 点 PPC1C_1 上にあるとき、APAP を最小にする点 PP とその最小値を求めます。
(2) 点 PPC2C_2 上にあるとき、APAP を最小にする点 PP とその最小値を求めます。
(3) 点 PPC1C_1 または C2C_2 上にあるとき、点 (2,0)(2, 0)APAP の最小値を与える点 PP となるような aa の値の範囲を求めます。

2. 解き方の手順

(1)
PP の座標を (x,y)(x, y) とすると、PPC1C_1 上にあるので、x24y2=4x^2 - 4y^2 = -4 が成り立ちます。この式から y2=x2+44y^2 = \frac{x^2 + 4}{4} となり、y=±x2+42y = \pm \frac{\sqrt{x^2+4}}{2} となります。
AP2=(xa)2+y2=(xa)2+x2+44=x22ax+a2+x24+1=54x22ax+a2+1AP^2 = (x - a)^2 + y^2 = (x - a)^2 + \frac{x^2 + 4}{4} = x^2 - 2ax + a^2 + \frac{x^2}{4} + 1 = \frac{5}{4}x^2 - 2ax + a^2 + 1 となります。
AP2AP^2 を最小にする xx を求めるために、平方完成します。
AP2=54(x285ax)+a2+1=54(x45a)2541625a2+a2+1=54(x45a)2+15a2+1AP^2 = \frac{5}{4} (x^2 - \frac{8}{5}ax) + a^2 + 1 = \frac{5}{4} (x - \frac{4}{5}a)^2 - \frac{5}{4} \cdot \frac{16}{25}a^2 + a^2 + 1 = \frac{5}{4} (x - \frac{4}{5}a)^2 + \frac{1}{5}a^2 + 1 となります。
AP2AP^2 が最小となるのは x=45ax = \frac{4}{5}a のときです。このとき、x0x \ge 0 である必要があります。
このとき y2=(45a)2+44=1625a2+44=425a2+1y^2 = \frac{(\frac{4}{5}a)^2 + 4}{4} = \frac{\frac{16}{25}a^2 + 4}{4} = \frac{4}{25}a^2 + 1 となります。
したがって、y=±425a2+1y = \pm \sqrt{\frac{4}{25}a^2 + 1} となります。
APAP の最小値は 15a2+1\sqrt{\frac{1}{5}a^2 + 1} となります。
したがって、P(45a,±425a2+1)P(\frac{4}{5}a, \pm \sqrt{\frac{4}{25}a^2 + 1}) であり、APAP の最小値は 15a2+1\sqrt{\frac{1}{5}a^2 + 1} です。
(2)
PP の座標を (x,y)(x, y) とすると、PPC2C_2 上にあるので、x24y2=4x^2 - 4y^2 = 4 が成り立ちます。この式から y2=x244y^2 = \frac{x^2 - 4}{4} となり、y=±x242y = \pm \frac{\sqrt{x^2-4}}{2} となります。
AP2=(xa)2+y2=(xa)2+x244=x22ax+a2+x241=54x22ax+a21AP^2 = (x - a)^2 + y^2 = (x - a)^2 + \frac{x^2 - 4}{4} = x^2 - 2ax + a^2 + \frac{x^2}{4} - 1 = \frac{5}{4}x^2 - 2ax + a^2 - 1 となります。ただし、x24x^2 \ge 4 が必要です。つまり x2|x| \ge 2 が必要です。
AP2AP^2 を最小にする xx を求めるために、平方完成します。
AP2=54(x285ax)+a21=54(x45a)2541625a2+a21=54(x45a)2+15a21AP^2 = \frac{5}{4} (x^2 - \frac{8}{5}ax) + a^2 - 1 = \frac{5}{4} (x - \frac{4}{5}a)^2 - \frac{5}{4} \cdot \frac{16}{25}a^2 + a^2 - 1 = \frac{5}{4} (x - \frac{4}{5}a)^2 + \frac{1}{5}a^2 - 1 となります。
もし 45a2\frac{4}{5}a \ge 2、つまり a52a \ge \frac{5}{2} なら、x=45ax = \frac{4}{5}aAP2AP^2 は最小となり、最小値は 15a21\frac{1}{5}a^2 - 1 となります。このとき y=±(45a)242=±1625a242y = \pm \frac{\sqrt{(\frac{4}{5}a)^2 - 4}}{2} = \pm \frac{\sqrt{\frac{16}{25}a^2 - 4}}{2} となります。
もし 0<a<520 < a < \frac{5}{2} なら、x=2x = 2AP2AP^2 は最小となり、最小値は 5442a2+a21=54a+a21=a24a+4=(a2)2\frac{5}{4} \cdot 4 - 2a \cdot 2 + a^2 - 1 = 5 - 4a + a^2 - 1 = a^2 - 4a + 4 = (a-2)^2 となります。このとき y=0y = 0 となります。
したがって、a52a \ge \frac{5}{2} のとき、P(45a,±1625a242)P(\frac{4}{5}a, \pm \frac{\sqrt{\frac{16}{25}a^2 - 4}}{2}) であり、APAP の最小値は 15a21\sqrt{\frac{1}{5}a^2 - 1} です。
0<a<520 < a < \frac{5}{2} のとき、P(2,0)P(2, 0) であり、APAP の最小値は a2|a-2| です。
(3)
もし a52a \ge \frac{5}{2} なら、P(2,0)P(2,0)APAP を最小にすることはあり得ません。なぜなら、(2) より P(2,0)P(2, 0)0<a<520 < a < \frac{5}{2} のときの C2C_2 上の APAP を最小にする点であるからです。
0<a<520 < a < \frac{5}{2} の場合を考えます。
C1C_1 上の点 PPAPAP を最小にする点は (45a,±425a2+1)(\frac{4}{5}a, \pm \sqrt{\frac{4}{25}a^2 + 1}) であり、このときの APAP の値は 15a2+1\sqrt{\frac{1}{5}a^2 + 1} です。
C2C_2 上の点 PPAPAP を最小にする点は (2,0)(2, 0) であり、このときの APAP の値は a2|a - 2| です。
(2,0)(2,0)APAP の最小値を与える点となるためには、15a2+1a2\sqrt{\frac{1}{5}a^2 + 1} \ge |a-2| が必要です。
15a2+1(a2)2=a24a+4\frac{1}{5}a^2 + 1 \ge (a - 2)^2 = a^2 - 4a + 4
a2+55a220a+20a^2 + 5 \ge 5a^2 - 20a + 20
04a220a+150 \ge 4a^2 - 20a + 15
4a220a+1504a^2 - 20a + 15 \le 0
解の公式より、a=20±4002408=20±1608=20±4108=5±102a = \frac{20 \pm \sqrt{400 - 240}}{8} = \frac{20 \pm \sqrt{160}}{8} = \frac{20 \pm 4\sqrt{10}}{8} = \frac{5 \pm \sqrt{10}}{2} となります。
したがって、5102a5+102\frac{5 - \sqrt{10}}{2} \le a \le \frac{5 + \sqrt{10}}{2} となります。
ここで、5102>0\frac{5 - \sqrt{10}}{2} > 0 であり、5+1025+3.1624.08<52=2.5\frac{5 + \sqrt{10}}{2} \approx \frac{5 + 3.16}{2} \approx 4.08 < \frac{5}{2} = 2.5 です。
以上より、5102a5+102\frac{5-\sqrt{10}}{2} \le a \le \frac{5+\sqrt{10}}{2}。ただし、a<52a < \frac{5}{2} なので、5102a5+102\frac{5 - \sqrt{10}}{2} \le a \le \frac{5+\sqrt{10}}{2}5102a52\frac{5 - \sqrt{10}}{2} \le a \le \frac{5}{2} の共通範囲を取ると、5102a2\frac{5-\sqrt{10}}{2} \le a \le 2 が求めたい範囲である。ただし5+102\frac{5 + \sqrt{10}}{2}5/25/2より大きいので、その共通範囲をとる必要はない。5102a52\frac{5 - \sqrt{10}}{2} \le a \le \frac{5}{2}となる。計算間違いがありました。訂正します。
a=5+1024.08a = \frac{5 + \sqrt{10}}{2} \approx 4.0852\frac{5}{2} より大きいので、0<a<520 < a < \frac{5}{2} より 5102a52\frac{5-\sqrt{10}}{2} \le a \le \frac{5}{2} が、APAPの最小値を C2C_2 上の (2,0)(2,0) が与えるようなaaの範囲。

3. 最終的な答え

(1) P(45a,±425a2+1)P(\frac{4}{5}a, \pm \sqrt{\frac{4}{25}a^2 + 1}) 、最小値 15a2+1\sqrt{\frac{1}{5}a^2 + 1}
(2) a52a \ge \frac{5}{2} のとき、P(45a,±1625a242)P(\frac{4}{5}a, \pm \frac{\sqrt{\frac{16}{25}a^2 - 4}}{2}) 、最小値 15a21\sqrt{\frac{1}{5}a^2 - 1}
0<a<520 < a < \frac{5}{2} のとき、P(2,0)P(2, 0) 、最小値 a2|a-2|
(3) 5102a52\frac{5-\sqrt{10}}{2} \le a \le \frac{5}{2}

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