4つの面に1が書かれ、残りの2つの面に2が書かれた立方体を$n$回振ったとき、1回目から$n$回目までに出た面に書かれた数の和が偶数である確率を$p_n$とする。 (1) $p_1$と$p_2$を求める。 (2) $p_{n+1}$を$p_n$を用いて表す。 (3) $p_n$を求める。

確率論・統計学確率確率変数漸化式等比数列
2025/7/17

1. 問題の内容

4つの面に1が書かれ、残りの2つの面に2が書かれた立方体をnn回振ったとき、1回目からnn回目までに出た面に書かれた数の和が偶数である確率をpnp_nとする。
(1) p1p_1p2p_2を求める。
(2) pn+1p_{n+1}pnp_nを用いて表す。
(3) pnp_nを求める。

2. 解き方の手順

(1) p1p_1p2p_2を求める。
- p1p_1について:
1回振って出た目の和が偶数になるのは、2が出たときなので、
p1=26=13p_1 = \frac{2}{6} = \frac{1}{3}
- p2p_2について:
2回振って出た目の和が偶数になるのは、(1, 1), (2, 2)のときである。
(1, 1)となる確率は、46×46=1636\frac{4}{6} \times \frac{4}{6} = \frac{16}{36}
(2, 2)となる確率は、26×26=436\frac{2}{6} \times \frac{2}{6} = \frac{4}{36}
よって、p2=1636+436=2036=59p_2 = \frac{16}{36} + \frac{4}{36} = \frac{20}{36} = \frac{5}{9}
(2) pn+1p_{n+1}pnp_nを用いて表す。
n+1n+1回振って出た目の和が偶数になるのは、以下の2つの場合である。
- nn回目までの和が偶数で、n+1n+1回目に偶数(2)が出る場合。この確率は、pn×26=13pnp_n \times \frac{2}{6} = \frac{1}{3}p_n
- nn回目までの和が奇数で、n+1n+1回目に奇数(1)が出る場合。この確率は、(1pn)×46=23(1pn)(1-p_n) \times \frac{4}{6} = \frac{2}{3}(1-p_n)
したがって、
pn+1=13pn+23(1pn)=13pn+2323pn=13pn+23p_{n+1} = \frac{1}{3}p_n + \frac{2}{3}(1-p_n) = \frac{1}{3}p_n + \frac{2}{3} - \frac{2}{3}p_n = -\frac{1}{3}p_n + \frac{2}{3}
(3) pnp_nを求める。
pn+1=13pn+23p_{n+1} = -\frac{1}{3}p_n + \frac{2}{3}を変形する。
pn+1α=13(pnα)p_{n+1} - \alpha = -\frac{1}{3}(p_n - \alpha)とおくと、
pn+1=13pn+13α+α=13pn+43αp_{n+1} = -\frac{1}{3}p_n + \frac{1}{3}\alpha + \alpha = -\frac{1}{3}p_n + \frac{4}{3}\alpha
43α=23\frac{4}{3}\alpha = \frac{2}{3}より、α=12\alpha = \frac{1}{2}
よって、pn+112=13(pn12)p_{n+1} - \frac{1}{2} = -\frac{1}{3}(p_n - \frac{1}{2})
数列{pn12}\{p_n - \frac{1}{2}\}は、初項p112=1312=16p_1 - \frac{1}{2} = \frac{1}{3} - \frac{1}{2} = -\frac{1}{6}、公比13-\frac{1}{3}の等比数列である。
したがって、pn12=16(13)n1p_n - \frac{1}{2} = -\frac{1}{6}(-\frac{1}{3})^{n-1}
pn=1216(13)n1=12+12(13)n=12+(1)n23np_n = \frac{1}{2} - \frac{1}{6}(-\frac{1}{3})^{n-1} = \frac{1}{2} + \frac{1}{2}(-\frac{1}{3})^n = \frac{1}{2} + \frac{(-1)^n}{2\cdot 3^n}

3. 最終的な答え

(1) p1=13p_1 = \frac{1}{3}, p2=59p_2 = \frac{5}{9}
(2) pn+1=13pn+23p_{n+1} = -\frac{1}{3}p_n + \frac{2}{3}
(3) pn=12+(1)n23np_n = \frac{1}{2} + \frac{(-1)^n}{2\cdot 3^n}

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