$X_1$ と $X_2$ がそれぞれパラメータ $p_1$ と $p_2$ の幾何分布に従う独立な確率変数であるとき、$X_1$ と $X_2$ の最小値 $Z$ の分布を求める。ただし、$P(X_j > k) = (1 - p_j)^k$ ($k = 1, 2, \dots$, $j = 1, 2$)が与えられている。

確率論・統計学確率分布幾何分布確率変数最小値独立
2025/7/17

1. 問題の内容

X1X_1X2X_2 がそれぞれパラメータ p1p_1p2p_2 の幾何分布に従う独立な確率変数であるとき、X1X_1X2X_2 の最小値 ZZ の分布を求める。ただし、P(Xj>k)=(1pj)kP(X_j > k) = (1 - p_j)^k (k=1,2,k = 1, 2, \dots, j=1,2j = 1, 2)が与えられている。

2. 解き方の手順

Z=min(X1,X2)Z = \min(X_1, X_2) の分布を求める。まず、Z>kZ > k となる確率を考える。Z>kZ > k であることは、X1>kX_1 > k かつ X2>kX_2 > k であることと同値である。X1X_1X2X_2 は独立なので、
P(Z>k)=P(X1>kX2>k)=P(X1>k)P(X2>k)P(Z > k) = P(X_1 > k \cap X_2 > k) = P(X_1 > k)P(X_2 > k).
与えられた条件から、P(X1>k)=(1p1)kP(X_1 > k) = (1 - p_1)^k および P(X2>k)=(1p2)kP(X_2 > k) = (1 - p_2)^k であるので、
P(Z>k)=(1p1)k(1p2)k=((1p1)(1p2))kP(Z > k) = (1 - p_1)^k (1 - p_2)^k = ((1 - p_1)(1 - p_2))^k.
ここで、q=(1p1)(1p2)q = (1 - p_1)(1 - p_2) とおくと、P(Z>k)=qkP(Z > k) = q^k となる。
P(Z=k)=P(Z>k1)P(Z>k)P(Z = k) = P(Z > k-1) - P(Z > k) を用いて、P(Z=k)P(Z = k) を求める。
P(Z=k)=qk1qk=qk1(1q)P(Z = k) = q^{k-1} - q^k = q^{k-1}(1 - q).
q=(1p1)(1p2)q = (1 - p_1)(1 - p_2) を代入すると、
P(Z=k)=((1p1)(1p2))k1(1(1p1)(1p2))P(Z = k) = ((1 - p_1)(1 - p_2))^{k-1} (1 - (1 - p_1)(1 - p_2)).
P(Z=k)=((1p1)(1p2))k1(1(1p1p2+p1p2))=((1p1)(1p2))k1(p1+p2p1p2)P(Z = k) = ((1 - p_1)(1 - p_2))^{k-1} (1 - (1 - p_1 - p_2 + p_1p_2)) = ((1 - p_1)(1 - p_2))^{k-1} (p_1 + p_2 - p_1p_2).

3. 最終的な答え

ZZ の分布は、
P(Z=k)=((1p1)(1p2))k1(p1+p2p1p2)P(Z = k) = ((1 - p_1)(1 - p_2))^{k-1} (p_1 + p_2 - p_1p_2)
となる。これはパラメータ p=p1+p2p1p2p = p_1 + p_2 - p_1 p_2 を持つ幾何分布である。

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