## 問題の回答

応用数学運動方程式ニュートンの法則力学微分方程式摩擦力加速度
2025/7/17
## 問題の回答
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1. 問題の内容

この問題は、3つの独立した物理の問題から構成されています。

1. 質量 $m$ の質点に重力 $mg$ と粘性抵抗力 $bv$ が働くときの運動方程式を立て、成分表示すること。

2. 質量 $m_A$ の物体Aの上に質量 $m_B$ の物体Bが置かれており、AとBの間の静止摩擦係数が $\mu$ である。物体Bが物体Aから滑り落ちないように物体Aを力 $f$ で水平方向に引っ張る際の、力 $f$ の最大値を求めること。

3. エレベータ内に体重計があり、その上に質量 $m$ の人が乗っている。エレベータの加速度が $a$ (上向き正)であるとき、体重計に表示される値を求めること。重力加速度の大きさは $g$ とする。

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2. 解き方の手順

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1. 運動方程式**

* **運動方程式の立式:**
ニュートンの運動方程式は、F=maF = ma です。ここで、FF は質点に働く力の合力、mm は質量、aa は加速度です。
xx 軸方向には粘性抵抗力 bvx-bv_x が働き、yy 軸方向には重力 mg-mg が働きます。
したがって、xx 軸方向と yy 軸方向の運動方程式はそれぞれ次のようになります。
md2xdt2=bvxm \frac{d^2x}{dt^2} = -bv_x
md2ydt2=mgbvym \frac{d^2y}{dt^2} = -mg -bv_y
* **成分表示:**
加速度を axa_x , aya_y とすると、上記の運動方程式は次のように書き換えられます。
max=bvxm a_x = -bv_x
may=mgbvym a_y = -mg -bv_y
さらに、vx=dxdtv_x = \frac{dx}{dt} , vy=dydtv_y = \frac{dy}{dt} , ax=d2xdt2a_x = \frac{d^2x}{dt^2} , ay=d2ydt2a_y = \frac{d^2y}{dt^2} を代入しても良いです。
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2. 力 $f$ の上限**

* **Bに働く力の考察:**
物体Bは、重力 mBgm_Bg 、垂直抗力 NN 、静止摩擦力 FfF_f を受けます。物体BがAからずれないためには、FfF_f が最大静止摩擦力 μN\mu N を超えない必要があります。
また、Bは鉛直方向に釣り合っているので、N=mBgN = m_B g です。
* **Aに働く力の考察:**
物体Aは、重力 mAgm_Ag 、垂直抗力 NN' 、物体Bからの垂直抗力 N-N 、物体Bからの静止摩擦力 Ff-F_f、外力 ff を受けます。床とAの間には摩擦がないので、水平方向には外力と静止摩擦力のみが働きます。
* **全体の運動:**
物体AとBが一体となって運動すると考えます。AとBの加速度を aa とすると、運動方程式は (mA+mB)a=f(m_A + m_B)a = f となります。
* **Bの運動:**
物体Bに働く水平方向の力は静止摩擦力 FfF_f のみなので、Ff=mBaF_f = m_B a となります。
* **力の最大値:**
物体Bが滑り出さない条件は、FfμN=μmBgF_f \leq \mu N = \mu m_B g であることです。
Ff=mBaF_f = m_B a(mA+mB)a=f(m_A + m_B)a = f より、a=fmA+mBa = \frac{f}{m_A + m_B} なので、mBfmA+mBμmBgm_B \frac{f}{m_A + m_B} \leq \mu m_B g となります。
これを ff について解くと、fμ(mA+mB)gf \leq \mu (m_A + m_B) g となります。
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3. 体重計の表示値**

* **人に働く力の考察:**
人は、重力 mgmg と体重計からの垂直抗力 RR を受けます。体重計の表示値は、この垂直抗力 RR に対応します。
* **運動方程式:**
エレベータに乗っている人の運動方程式は、ma=Rmgma = R - mg となります。
* **体重計の表示値:**
この式から、R=m(g+a)R = m(g + a) となります。したがって、体重計に表示される値は m(g+a)m(g + a) となります。
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3. 最終的な答え

1. 運動方程式:

md2xdt2=bvxm \frac{d^2x}{dt^2} = -bv_x
md2ydt2=mgbvym \frac{d^2y}{dt^2} = -mg -bv_y
成分表示:
max=bvxm a_x = -bv_x
may=mgbvym a_y = -mg -bv_y

2. 力 $f$ の上限:

fμ(mA+mB)gf \leq \mu (m_A + m_B) g

3. 体重計の表示値:

m(g+a)m(g + a)

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