以下の3つの不等式を証明する問題です。ただし、対数は自然対数とします。 (1) $t > 0$ のとき、$ \log t \leq t - 1 $ (2) $t > 0$ のとき、$ \log t \geq 1 - \frac{1}{t} $ (3) $x > 0$, $y > 0$ のとき、$ x \log x \geq x \log y + x - y $
2025/7/17
## 問題69
1. 問題の内容
以下の3つの不等式を証明する問題です。ただし、対数は自然対数とします。
(1) のとき、
(2) のとき、
(3) , のとき、
2. 解き方の手順
(1) 関数 を定義し、この関数が で常に0以上であることを示します。
となるのは のとき。
で , で なので、 で は最小値をとります。
したがって、 となり、 が成り立ちます。
(2) 関数 を定義し、この関数が で常に0以上であることを示します。
となるのは のとき。
で , で なので、 で は最小値をとります。
したがって、 となり、 が成り立ちます。
(3) 与えられた不等式を と変形します。
と変形できます。
よって、 を示すことになります。
とおくと、 となります。
これを不等式に代入すると、
なので、 となります。
これは (1) で証明した不等式そのものです。
したがって、 が成り立ちます。
3. 最終的な答え
(1) のとき、不等式 が成り立つ。
(2) のとき、不等式 が成り立つ。
(3) , のとき、不等式 が成り立つ。
## 問題70
1. 問題の内容
任意の に対して、不等式 が成り立つような の範囲を求める問題です。ただし、対数は自然対数とします。
2. 解き方の手順
与えられた不等式を と変形します。
関数 を定義し、この関数の最大値を求めます。
となるのは のとき、つまり のとき。
のとき であり、 のとき なので、 で は最大値をとります。
したがって、 の最大値は です。
任意の に対して、 が成り立つためには、 である必要があります。