(1) 関数 $f(x) = \log(1+x)$ をマクローリンの定理($n=2$)を用いて展開した式を求める。 (2) (1)で求めた式を用いて $\log(1.02)$ の近似値を小数第4位まで求める。 (3) (2)で求めた近似値の誤差の限界について調べる。

解析学マクローリン展開テイラー展開対数関数近似誤差
2025/7/18

1. 問題の内容

(1) 関数 f(x)=log(1+x)f(x) = \log(1+x) をマクローリンの定理(n=2n=2)を用いて展開した式を求める。
(2) (1)で求めた式を用いて log(1.02)\log(1.02) の近似値を小数第4位まで求める。
(3) (2)で求めた近似値の誤差の限界について調べる。

2. 解き方の手順

(1) マクローリンの定理は、f(x)f(0)+f(0)x+f(0)2!x2++f(n)(0)n!xnf(x) \approx f(0) + f'(0)x + \frac{f''(0)}{2!}x^2 + \cdots + \frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n で与えられます。
まず、f(x)=log(1+x)f(x) = \log(1+x) の導関数を求めます。
f(x)=11+xf'(x) = \frac{1}{1+x}
f(x)=1(1+x)2f''(x) = -\frac{1}{(1+x)^2}
f(x)=2(1+x)3f'''(x) = \frac{2}{(1+x)^3}
次に、これらの導関数に x=0x=0 を代入します。
f(0)=log(1+0)=log(1)=0f(0) = \log(1+0) = \log(1) = 0
f(0)=11+0=1f'(0) = \frac{1}{1+0} = 1
f(0)=1(1+0)2=1f''(0) = -\frac{1}{(1+0)^2} = -1
したがって、n=2n=2 のマクローリン展開は次のようになります。
f(x)f(0)+f(0)x+f(0)2!x2=0+1x+12x2=xx22f(x) \approx f(0) + f'(0)x + \frac{f''(0)}{2!}x^2 = 0 + 1 \cdot x + \frac{-1}{2}x^2 = x - \frac{x^2}{2}
(2) (1) で求めた式に x=0.02x = 0.02 を代入して log(1.02)\log(1.02) の近似値を求めます。
log(1.02)0.02(0.02)22=0.020.00042=0.020.0002=0.0198\log(1.02) \approx 0.02 - \frac{(0.02)^2}{2} = 0.02 - \frac{0.0004}{2} = 0.02 - 0.0002 = 0.0198
(3) 誤差の限界を調べるには、剰余項を評価する必要があります。n=2n=2 の場合、ラグランジュの剰余項は次のように表されます。
R2(x)=f(c)3!x3=26(1+c)3x3=13(1+c)3x3R_2(x) = \frac{f'''(c)}{3!}x^3 = \frac{2}{6(1+c)^3}x^3 = \frac{1}{3(1+c)^3}x^3
ここで、0<c<x0 < c < x です。 x=0.02x = 0.02 の場合、0<c<0.020 < c < 0.02 です。
したがって、誤差は次のようになります。
R2(0.02)=13(1+c)3(0.02)3=(0.02)33(1+c)3|R_2(0.02)| = \left| \frac{1}{3(1+c)^3}(0.02)^3 \right| = \frac{(0.02)^3}{3(1+c)^3}
cc の範囲を考えると、1<1+c<1.021 < 1+c < 1.02 です。 したがって、1<(1+c)3<(1.02)31.0612081 < (1+c)^3 < (1.02)^3 \approx 1.061208 となります。
したがって、
(0.02)33(1.02)3<R2(0.02)<(0.02)33\frac{(0.02)^3}{3(1.02)^3} < |R_2(0.02)| < \frac{(0.02)^3}{3}
(0.02)33(1.02)30.0000083×1.0612080.00000251\frac{(0.02)^3}{3(1.02)^3} \approx \frac{0.000008}{3 \times 1.061208} \approx 0.00000251
(0.02)33=0.00000830.00000267\frac{(0.02)^3}{3} = \frac{0.000008}{3} \approx 0.00000267
したがって、誤差の限界は 0<R2(0.02)<0.000002670 < |R_2(0.02)| < 0.00000267 となります。

3. 最終的な答え

(1) f(x)xx22f(x) \approx x - \frac{x^2}{2}
(2) log(1.02)0.0198\log(1.02) \approx 0.0198
(3) 誤差の限界:0<R2(0.02)<0.000002670 < |R_2(0.02)| < 0.00000267

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