## 1. 問題の内容

代数学線形代数ベクトル一次結合一次独立一次従属線形空間
2025/7/18
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1. 問題の内容

問題2:R3\mathbb{R}^3 のベクトル [101]\begin{bmatrix} -1 \\ 0 \\ 1 \end{bmatrix}[221]\begin{bmatrix} 2 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix} の一次結合として表すことのできない R3\mathbb{R}^3 のベクトルを一つ求める。
問題3:
(1) R3\mathbb{R}^3 のベクトル組 a1,a2\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2 が一次独立ならば、ベクトル組 a1,a1+a2\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_1 + \mathbf{a}_2 も一次独立であることを示す。
(2) 一次独立でないことを一次従属であるという。R3\mathbb{R}^3 のベクトル組 a1,a2\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2 が一次従属ならば、R3\mathbb{R}^3 の任意のベクトル a\mathbf{a} に対してベクトル組 a1,a2,a\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2, \mathbf{a} は一次従属であることを示す。
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2. 解き方の手順

**問題2:**

1. 与えられたベクトルを $\mathbf{v}_1 = \begin{bmatrix} -1 \\ 0 \\ 1 \end{bmatrix}$、$\mathbf{v}_2 = \begin{bmatrix} 2 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix}$ とする。

2. これらのベクトルの一次結合で表せるベクトルは、あるスカラー $c_1, c_2$ を用いて、$c_1 \mathbf{v}_1 + c_2 \mathbf{v}_2$ の形で表される。

3. $\mathbb{R}^3$ の任意のベクトル $\mathbf{v} = \begin{bmatrix} x \\ y \\ z \end{bmatrix}$ が与えられたとき、$\mathbf{v} = c_1 \mathbf{v}_1 + c_2 \mathbf{v}_2$ となるような $c_1, c_2$ が存在するかどうかを調べる。

4. 上記の式は、次のような連立一次方程式になる。

c1+2c2=x-c_1 + 2c_2 = x
2c2=y2c_2 = y
c1+c2=zc_1 + c_2 = z

5. これを解くと、$c_2 = y/2$、 $c_1 = z - y/2 = (2z-y)/2$ となる。

6. これらの値を最初の式に代入すると、$ -(2z-y)/2 + 2(y/2) = x$ となる。

7. これを整理すると、$x + z - \frac{3}{2}y = 0 $ となり、 $2x + 2z -3y=0$ が成り立つ必要がある。

8. したがって、$2x - 3y + 2z = 0$を満たさないベクトルは、与えられたベクトルの一次結合で表すことができない。

9. 例として、$\begin{bmatrix} 1 \\ 1 \\ 1 \end{bmatrix}$ を考えると、$2(1) - 3(1) + 2(1) = 1 \neq 0$ となる。

**問題3:**
(1)

1. ベクトル組 $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2$ が一次独立であるとは、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$ ならば、$c_1 = c_2 = 0$ であることを意味する。

2. ベクトル組 $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_1 + \mathbf{a}_2$ が一次独立であることを示すためには、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 (\mathbf{a}_1 + \mathbf{a}_2) = \mathbf{0}$ ならば、$c_1 = c_2 = 0$ であることを示す必要がある。

3. $c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 (\mathbf{a}_1 + \mathbf{a}_2) = (c_1 + c_2) \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$

4. $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2$ は一次独立なので、$c_1 + c_2 = 0$ かつ $c_2 = 0$ が成り立つ必要がある。

5. したがって、$c_2 = 0$ であり、$c_1 + c_2 = c_1 = 0$ となる。

6. よって、$c_1 = c_2 = 0$ となるので、ベクトル組 $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_1 + \mathbf{a}_2$ は一次独立である。

(2)

1. $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2$ が一次従属であるとは、あるスカラー $c_1, c_2$ が存在し、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$ であり、かつ $c_1, c_2$ の少なくとも一方がゼロでないことを意味する。

2. $\mathbf{a}$ を $\mathbb{R}^3$ の任意のベクトルとする。$\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2, \mathbf{a}$ が一次従属であることを示すには、あるスカラー $c_1, c_2, c_3$ が存在し、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 + c_3 \mathbf{a} = \mathbf{0}$ であり、かつ $c_1, c_2, c_3$ の少なくとも一方がゼロでないことを示す必要がある。

3. $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2$ は一次従属なので、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$ かつ $c_1, c_2$ の少なくとも一方がゼロでないような $c_1, c_2$ が存在する。

4. ここで、$c_3 = 0$ とすれば、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 + c_3 \mathbf{a} = c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 + 0 \mathbf{a} = c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$ となる。

5. $c_1, c_2$ の少なくとも一方はゼロでないので、$c_1, c_2, c_3$ の少なくとも一方はゼロでない。

6. したがって、$\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2, \mathbf{a}$ は一次従属である。

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3. 最終的な答え

**問題2:** [111]\begin{bmatrix} 1 \\ 1 \\ 1 \end{bmatrix} (例)
**問題3:**
(1) 証明終わり
(2) 証明終わり

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