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1. 問題の内容
問題2: のベクトル と の一次結合として表すことのできない のベクトルを一つ求める。
問題3:
(1) のベクトル組 が一次独立ならば、ベクトル組 も一次独立であることを示す。
(2) 一次独立でないことを一次従属であるという。 のベクトル組 が一次従属ならば、 の任意のベクトル に対してベクトル組 は一次従属であることを示す。
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2. 解き方の手順
**問題2:**
1. 与えられたベクトルを $\mathbf{v}_1 = \begin{bmatrix} -1 \\ 0 \\ 1 \end{bmatrix}$、$\mathbf{v}_2 = \begin{bmatrix} 2 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix}$ とする。
2. これらのベクトルの一次結合で表せるベクトルは、あるスカラー $c_1, c_2$ を用いて、$c_1 \mathbf{v}_1 + c_2 \mathbf{v}_2$ の形で表される。
3. $\mathbb{R}^3$ の任意のベクトル $\mathbf{v} = \begin{bmatrix} x \\ y \\ z \end{bmatrix}$ が与えられたとき、$\mathbf{v} = c_1 \mathbf{v}_1 + c_2 \mathbf{v}_2$ となるような $c_1, c_2$ が存在するかどうかを調べる。
4. 上記の式は、次のような連立一次方程式になる。
5. これを解くと、$c_2 = y/2$、 $c_1 = z - y/2 = (2z-y)/2$ となる。
6. これらの値を最初の式に代入すると、$ -(2z-y)/2 + 2(y/2) = x$ となる。
7. これを整理すると、$x + z - \frac{3}{2}y = 0 $ となり、 $2x + 2z -3y=0$ が成り立つ必要がある。
8. したがって、$2x - 3y + 2z = 0$を満たさないベクトルは、与えられたベクトルの一次結合で表すことができない。
9. 例として、$\begin{bmatrix} 1 \\ 1 \\ 1 \end{bmatrix}$ を考えると、$2(1) - 3(1) + 2(1) = 1 \neq 0$ となる。
**問題3:**
(1)
1. ベクトル組 $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2$ が一次独立であるとは、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$ ならば、$c_1 = c_2 = 0$ であることを意味する。
2. ベクトル組 $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_1 + \mathbf{a}_2$ が一次独立であることを示すためには、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 (\mathbf{a}_1 + \mathbf{a}_2) = \mathbf{0}$ ならば、$c_1 = c_2 = 0$ であることを示す必要がある。
3. $c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 (\mathbf{a}_1 + \mathbf{a}_2) = (c_1 + c_2) \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$
4. $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2$ は一次独立なので、$c_1 + c_2 = 0$ かつ $c_2 = 0$ が成り立つ必要がある。
5. したがって、$c_2 = 0$ であり、$c_1 + c_2 = c_1 = 0$ となる。
6. よって、$c_1 = c_2 = 0$ となるので、ベクトル組 $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_1 + \mathbf{a}_2$ は一次独立である。
(2)
1. $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2$ が一次従属であるとは、あるスカラー $c_1, c_2$ が存在し、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$ であり、かつ $c_1, c_2$ の少なくとも一方がゼロでないことを意味する。
2. $\mathbf{a}$ を $\mathbb{R}^3$ の任意のベクトルとする。$\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2, \mathbf{a}$ が一次従属であることを示すには、あるスカラー $c_1, c_2, c_3$ が存在し、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 + c_3 \mathbf{a} = \mathbf{0}$ であり、かつ $c_1, c_2, c_3$ の少なくとも一方がゼロでないことを示す必要がある。
3. $\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2$ は一次従属なので、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$ かつ $c_1, c_2$ の少なくとも一方がゼロでないような $c_1, c_2$ が存在する。
4. ここで、$c_3 = 0$ とすれば、$c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 + c_3 \mathbf{a} = c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 + 0 \mathbf{a} = c_1 \mathbf{a}_1 + c_2 \mathbf{a}_2 = \mathbf{0}$ となる。
5. $c_1, c_2$ の少なくとも一方はゼロでないので、$c_1, c_2, c_3$ の少なくとも一方はゼロでない。
6. したがって、$\mathbf{a}_1, \mathbf{a}_2, \mathbf{a}$ は一次従属である。
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3. 最終的な答え
**問題2:** (例)
**問題3:**
(1) 証明終わり
(2) 証明終わり