1から6の目が等しい確率で出るサイコロを投げ、「出た目×200円」が賞金としてもらえる。ただし、1回サイコロを投げるのに、500円の参加費が必要である。このゲームで得られるお金(賞金 - 参加費)を確率変数 $X$ で表す。このとき、$X$ の分散 $V[X]$ を求め、ゲームの参加料が600円に変わった場合の(賞金 - 参加費)を表す確率変数を $Y$ とするとき、$Y$ の期待値と分散に関する説明として正しいものを選択肢から選ぶ。

確率論・統計学確率変数期待値分散サイコロ確率
2025/7/18

1. 問題の内容

1から6の目が等しい確率で出るサイコロを投げ、「出た目×200円」が賞金としてもらえる。ただし、1回サイコロを投げるのに、500円の参加費が必要である。このゲームで得られるお金(賞金 - 参加費)を確率変数 XX で表す。このとき、XX の分散 V[X]V[X] を求め、ゲームの参加料が600円に変わった場合の(賞金 - 参加費)を表す確率変数を YY とするとき、YY の期待値と分散に関する説明として正しいものを選択肢から選ぶ。

2. 解き方の手順

まず、XX の期待値 E[X]E[X] を求める。サイコロの出目は1から6まで等確率であるから、各目の出る確率は 1/61/6 である。したがって、賞金の期待値は
E[賞金]=16(200+400+600+800+1000+1200)=16(4200)=700 E[\text{賞金}] = \frac{1}{6}(200 + 400 + 600 + 800 + 1000 + 1200) = \frac{1}{6}(4200) = 700
確率変数 XX は「賞金 - 参加費」であるから、X=賞金500X = \text{賞金} - 500
したがって、XX の期待値は
E[X]=E[賞金]500=700500=200 E[X] = E[\text{賞金}] - 500 = 700 - 500 = 200
次に、X2X^2 の期待値 E[X2]E[X^2] を求める。賞金 - 500 = ZZとおくと、ZZの取りうる値は 300,100,100,300,500,700-300, -100, 100, 300, 500, 700X2=Z2=(賞金500)2X^2=Z^2=(\text{賞金}-500)^2だから、
E[X2]=E[(賞金500)2]=16((300)2+(100)2+1002+3002+5002+7002) E[X^2] = E[(\text{賞金} - 500)^2] = \frac{1}{6}((-300)^2 + (-100)^2 + 100^2 + 300^2 + 500^2 + 700^2)
=16(90000+10000+10000+90000+250000+490000)=16(940000)=4700003 = \frac{1}{6}(90000 + 10000 + 10000 + 90000 + 250000 + 490000) = \frac{1}{6}(940000) = \frac{470000}{3}
XX の分散 V[X]V[X] は、V[X]=E[X2](E[X])2V[X] = E[X^2] - (E[X])^2 で求められる。
V[X]=4700003(200)2=470000340000=4700001200003=3500003 V[X] = \frac{470000}{3} - (200)^2 = \frac{470000}{3} - 40000 = \frac{470000 - 120000}{3} = \frac{350000}{3}
V[X]=350000/3V[X] = 350000/3
次に、YY の期待値と分散を考える。Y=賞金600Y = \text{賞金} - 600
E[Y]=E[賞金600]=E[賞金]600=700600=100E[Y] = E[\text{賞金} - 600] = E[\text{賞金}] - 600 = 700 - 600 = 100
V[Y]=V[賞金600]=V[賞金]=V[X]V[Y] = V[\text{賞金} - 600] = V[\text{賞金}] = V[X]
よって、V[Y]=3500003V[Y] = \frac{350000}{3}

3. 最終的な答え

Xの分散 V[X]:350000/3
Yの期待値と分散に関する説明として正しいもの:Yの期待値は100円であり、分散はXの分散と等しい。

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