$R^3$ の数ベクトル $a_1, a_2, a_3$ について、命題「組 $a_1, a_2$ と組 $a_2, a_3$ と組 $a_3, a_1$ がどれも一次独立ならば、組 $a_1, a_2, a_3$ は一次独立である」が正しいかどうかを判定し、真ならば証明、偽ならば反例を挙げる。

代数学線形代数一次独立一次従属ベクトル行列線形写像カーネル
2025/7/18
## 問題 (3)

1. 問題の内容

R3R^3 の数ベクトル a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 について、命題「組 a1,a2a_1, a_2 と組 a2,a3a_2, a_3 と組 a3,a1a_3, a_1 がどれも一次独立ならば、組 a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 は一次独立である」が正しいかどうかを判定し、真ならば証明、偽ならば反例を挙げる。

2. 解き方の手順

この命題は偽である。反例を挙げる。
a1=(100)a_1 = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}, a2=(010)a_2 = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix}, a3=(110)a_3 = \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix} とする。
a1a_1a2a_2 は一次独立である。なぜなら、c1a1+c2a2=0c_1 a_1 + c_2 a_2 = 0 ならば c1=c2=0c_1 = c_2 = 0 だから。
a2a_2a3a_3 は一次独立である。なぜなら、c2a2+c3a3=0c_2 a_2 + c_3 a_3 = 0 ならば c2a2+c3a3=(c3c2+c30)=0c_2 a_2 + c_3 a_3 = \begin{pmatrix} c_3 \\ c_2 + c_3 \\ 0 \end{pmatrix} = 0 となるので c3=0c_3=0 かつ c2+c3=0c_2+c_3 = 0。従って c2=0c_2=0 かつ c3=0c_3 = 0
a3a_3a1a_1 は一次独立である。なぜなら、c3a3+c1a1=0c_3 a_3 + c_1 a_1 = 0 ならば c3a3+c1a1=(c3+c1c30)=0c_3 a_3 + c_1 a_1 = \begin{pmatrix} c_3 + c_1 \\ c_3 \\ 0 \end{pmatrix} = 0 となるので c3=0c_3=0 かつ c3+c1=0c_3+c_1 = 0。従って c1=0c_1=0 かつ c3=0c_3 = 0
しかし、a1a_1, a2a_2, a3a_3 は一次独立ではない。なぜなら、1a1+1a21a3=01 \cdot a_1 + 1 \cdot a_2 - 1 \cdot a_3 = 0 となるから。

3. 最終的な答え

## 問題 4.(1)

1. 問題の内容

AA は 2 次正方行列とする。線形写像 f(x)=Axf(x) = Ax について、f(x1),f(x2)f(x_1), f(x_2) が一次独立ならば、x1,x2x_1, x_2 も一次独立であることを示す。

2. 解き方の手順

この命題は偽である。反例を示す。
A=(1000)A = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} とおく。
x1=(01),x2=(02)x_1 = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}, x_2 = \begin{pmatrix} 0 \\ 2 \end{pmatrix} とおく。
すると,f(x1)=Ax1=(00),f(x2)=Ax2=(00)f(x_1) = A x_1 = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix}, f(x_2) = A x_2 = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix} となる。
f(x1)f(x_1)f(x2)f(x_2) は一次独立ではない。
しかし、x1x_1x2x_2 は一次従属であるから、条件を満たさない。
A=(0000)A = \begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} とおく。
x1=(10),x2=(01)x_1 = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}, x_2 = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix} とおく。
すると、f(x1)=Ax1=(00),f(x2)=Ax2=(00)f(x_1) = A x_1 = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix}, f(x_2) = A x_2 = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix} となる。
f(x1)f(x_1)f(x2)f(x_2) は一次独立ではない。x1x_1x2x_2 は一次独立である。
従って、仮定 f(x1),f(x2)f(x_1), f(x_2) が一次独立ならば、x1,x2x_1, x_2 も一次独立である、は成り立たない。

3. 最終的な答え

## 問題 4.(2)

1. 問題の内容

AA は 2 次正方行列とする。線形写像 f(x)=Axf(x) = Ax について、KerA={0}\text{Ker} A = \{0\} とする。このとき、x1,x2x_1, x_2 が一次独立ならば、f(x1),f(x2)f(x_1), f(x_2) も一次独立であることを示す。

2. 解き方の手順

c1f(x1)+c2f(x2)=0c_1 f(x_1) + c_2 f(x_2) = 0 を仮定する。
c1Ax1+c2Ax2=0c_1 A x_1 + c_2 A x_2 = 0 となる。
A(c1x1+c2x2)=0A (c_1 x_1 + c_2 x_2) = 0 となる。
従って、c1x1+c2x2KerAc_1 x_1 + c_2 x_2 \in \text{Ker} A となる。
仮定より、KerA={0}\text{Ker} A = \{0\} なので、c1x1+c2x2=0c_1 x_1 + c_2 x_2 = 0 となる。
x1x_1x2x_2 は一次独立なので、c1=0c_1 = 0 かつ c2=0c_2 = 0 となる。
従って、f(x1)f(x_1)f(x2)f(x_2) は一次独立である。

3. 最終的な答え

証明終わり

「代数学」の関連問題

方程式 $(x-1)^2 = 4$ を解く問題です。$x-1$ を $X$ と置き換えることで、簡単な二次方程式 $X^2 = 4$ を解き、$X$ の値を求めた後、$X$ を $x-1$ に戻して ...

二次方程式方程式解の公式
2025/7/18

$x = \sqrt{5} + 2$, $y = \sqrt{5} - 2$ のとき、$xy - y^2$ の値を求める問題です。

式の計算平方根展開
2025/7/18

与えられた方程式は $\frac{1}{2}(2x-10)(10-x)=5$ です。この方程式を解いて、$x$ の値を求めます。

二次方程式解の公式
2025/7/18

与えられた数式 $(x-y-z)(x+y-z)$ を展開して簡略化してください。

展開因数分解多項式簡略化
2025/7/18

与えられた方程式は $\frac{1}{2}(15-x)^2 = 32$ です。この方程式を解いて、$x$ の値を求めます。

二次方程式方程式平方根
2025/7/18

与えられた行列 $P$ の逆行列 $P^{-1}$ を求める問題です。行列 $P$ は以下のように与えられています。 $ P = \begin{pmatrix} 1 & 0 & -1 \\ -2 & ...

線形代数行列逆行列掃き出し法
2025/7/18

与えられた行列 $P$ の逆行列 $P^{-1}$ を求める問題です。 $P = \begin{pmatrix} 0 & -1 \\ 2 & 2 \\ -2 & 1 \end{pmatrix}$ この...

線形代数行列逆行列2x2行列
2025/7/18

3点 $(1, 6)$, $(-2, 21)$, $(2, 9)$ を通る2次関数 $y = ax^2 + bx + c$ の係数 $a, b, c$ を求めよ。

二次関数連立方程式係数
2025/7/18

与えられた行列 $P = \begin{pmatrix} 0 & 1 & -1 \\ -2 & 2 & 1 \\ 2 & -1 & -1 \end{pmatrix}$ の逆行列 $P^{-1}$ を求...

線形代数行列逆行列掃き出し法
2025/7/18

グラフの軸が直線 $x=2$ で、グラフが2点 $(-1, 28)$, $(1, 4)$ を通る2次関数の式を求めます。求める式は $y = エ (x - オ)^2 + カ$ の形です。

二次関数グラフ頂点方程式
2025/7/18