(1) 極限が存在すると仮定して、その値を求める。
limn→∞an=α と仮定する。このとき、limn→∞an+1=α も成り立つ。 漸化式 an+1=an+7−1 の両辺で n→∞ の極限を取ると、 α=α+7−1 α+1=α+7 両辺を2乗して、
(α+1)2=α+7 α2+2α+1=α+7 α2+α−6=0 (α+3)(α−2)=0 α=−3,2 an は正の数列であるため、極限値は正である必要がある。よって、α=2。 (2) 数列 {an} が単調減少であることを示す。 a1=3, a2=3+7−1=10−1≈2.162 a3=10−1+7−1=10+6−1≈1.973 a1>a2>a3 となるので、数列は単調減少と予想できる。 an+1−an=an+7−1−an an+1−an<0 を示すには、an+7−1−an<0 を示せば良い。これは an+7<an+1 と同値である。さらにこれは an+7<(an+1)2=an2+2an+1 と同値である。つまり、an2+an−6>0 を示せばよい。 an2+an−6=(an+3)(an−2)>0 数列 {an} が 2 より大きいことが示せれば良い。 a1=3>2 であり、 an>2 を仮定すると、an+1=an+7−1>2+7−1=3−1=2 となるので、数学的帰納法より全ての n に対して an>2 が成り立つ。 したがって、 an>2 より、an+3>0 であり、an−2>0 であるから、an2+an−6>0 が成り立ち、an+1−an<0 となる。 したがって、数列 {an} は単調減少である。 (3) 数列 {an} が下に有界であることを示す。 an>2 より、数列 {an} は下に有界である。 (4) 極限の存在の証明
単調減少で下に有界な数列は収束するため、数列 {an} は極限を持つ。 先に求めた極限の候補は 2 であり、これが実際に極限値となる。
(5) なぜまず極限が存在すると仮定してその値を求めるのか
まず極限が存在すると仮定してその値を求めるのは、もし極限が存在する場合、その候補となる値を特定するためです。
もし極限が存在しなければ、上記の手順で求めた値は意味を持ちません。
その後、数列が単調増加または単調減少であることを示すのは、単調な数列が有界であれば必ず収束するという定理(単調収束定理)を利用するためです。