複素数平面上で、方程式 $\frac{z-1}{z+1} = |\frac{z-1}{z+1}| i$ を満たす点 $z$ 全体が表す図形を求め、その図形を複素数平面上に図示する。ここで、$i$ は虚数単位であり、$|w|$ は複素数 $w$ の絶対値を表す。

幾何学複素数平面複素数図形絶対値
2025/7/20

1. 問題の内容

複素数平面上で、方程式 z1z+1=z1z+1i\frac{z-1}{z+1} = |\frac{z-1}{z+1}| i を満たす点 zz 全体が表す図形を求め、その図形を複素数平面上に図示する。ここで、ii は虚数単位であり、w|w| は複素数 ww の絶対値を表す。

2. 解き方の手順

まず、w=z1z+1w = \frac{z-1}{z+1} とおく。すると与えられた式は w=wiw = |w|i となる。
ww を実部と虚部に分けて w=x+yiw = x + yi (x,yx, y は実数) と表すと、この式は x+yi=x2+y2ix + yi = \sqrt{x^2 + y^2} i と書ける。
この式から、x=0x = 0 かつ y=x2+y2y = \sqrt{x^2 + y^2} が成り立つ。
x=0x = 0 を代入すると、y=02+y2=yy = \sqrt{0^2 + y^2} = |y| となるので、y0y \ge 0 である。
つまり、ww は純虚数で、かつ虚部が非負である。
したがって、w=z1z+1=yiw = \frac{z-1}{z+1} = yiy0y \ge 0)とおける。
この式を zz について解く。
z1=yi(z+1)z-1 = yi(z+1)
z1=yiz+yiz - 1 = yiz + yi
zyiz=yi+1z - yiz = yi + 1
z(1yi)=1+yiz(1 - yi) = 1 + yi
z=1+yi1yiz = \frac{1+yi}{1-yi}
この式を実部と虚部に分けるために、分母の共役複素数を分母分子にかける。
z=(1+yi)(1+yi)(1yi)(1+yi)=1+2yiy21+y2=1y21+y2+2y1+y2iz = \frac{(1+yi)(1+yi)}{(1-yi)(1+yi)} = \frac{1 + 2yi - y^2}{1 + y^2} = \frac{1-y^2}{1+y^2} + \frac{2y}{1+y^2}i
z=x+yiz = x' + y'i とおくと、x=1y21+y2x' = \frac{1-y^2}{1+y^2}, y=2y1+y2y' = \frac{2y}{1+y^2} である。
y0y \ge 0 であることに注意する。
y=0y = 0 のとき、z=1z = 1
y>0y > 0 のとき、
x2+(y1)2=(1y21+y2)2+(2y1+y21)2=(1y21+y2)2+(2y1y21+y2)2x'^2 + (y'-1)^2 = (\frac{1-y^2}{1+y^2})^2 + (\frac{2y}{1+y^2} - 1)^2 = (\frac{1-y^2}{1+y^2})^2 + (\frac{2y - 1 - y^2}{1+y^2})^2
=(1y2)2+(1+y)2y(1+y)2(1y)2(1+y2)2=(1y2)2+(y21)2(1+y2)2= \frac{(1-y^2)^2 + (-1+y)^2y(1+y)^2 - (1-y)^2}{ (1+y^2)^2}= \frac{(1-y^2)^2 + (y^2 -1)^2}{(1+y^2)^2}
=12y2+y4+4y24y+1+y4+12y2+y42y+412y2+y4=1= \frac{1 -2y^2+y^4 +4y^2 - 4y + 1 + y^4 + 1-2y^2+y^4 - 2y + 4}{1-2y^2+y^4}=1
x2+(y1)2=(1y21+y2)2+(2y(1+y2)1+y2)2=(1y2)2+(y21)2(1+y2)2=2(1y2)2(1+y2)2x'^2 + (y'-1)^2 = (\frac{1-y^2}{1+y^2})^2 + (\frac{2y - (1+y^2)}{1+y^2})^2 = \frac{(1-y^2)^2 + (y^2-1)^2}{(1+y^2)^2} = \frac{2(1-y^2)^2}{(1+y^2)^2}
x2+y2=1x'^2 + y'^2 = 1 を示す。x=1y21+y2,y=2y1+y2x' = \frac{1-y^2}{1+y^2}, y' = \frac{2y}{1+y^2}
x2+y2=(1y21+y2)2+(2y1+y2)2=12y2+y4+4y2(1+y2)2=1+2y2+y4(1+y2)2=(1+y2)2(1+y2)2=1x'^2 + y'^2 = (\frac{1-y^2}{1+y^2})^2 + (\frac{2y}{1+y^2})^2 = \frac{1-2y^2+y^4 + 4y^2}{(1+y^2)^2} = \frac{1+2y^2+y^4}{(1+y^2)^2} = \frac{(1+y^2)^2}{(1+y^2)^2} = 1
よって、zz は原点中心、半径1の円周上にある。
y0y \ge 0 なので、y=2y1+y20y' = \frac{2y}{1+y^2} \ge 0。つまり、zz は上半平面にある。
z=1z=1 のとき、y=0y = 0 である。

3. 最終的な答え

求める図形は、原点中心、半径1の円の上半部分。ただし、z=1z = 1 を含む。

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