関数 $y = x^2(x - a)$ の増減を、$a > 0$, $a = 0$, $a < 0$ のそれぞれの場合について調べ、極大値があればその極大値を求める。

1. 問題の内容

関数 $y = x^2(x - a)$ の増減を、$a > 0$, $a = 0$, $a < 0$ のそれぞれの場合について調べ、極大値があればその極大値を求める。

2. 解き方の手順

まず、$y = x^2(x - a) = x^3 - ax^2$ を微分して、$y'$ を求める。

$y' = 3x^2 - 2ax$

次に、$y' = 0$ となる $x$ を求める。

$3x^2 - 2ax = x(3x - 2a) = 0$

よって、$x = 0, \frac{2a}{3}$ が $y'$ の零点となる。

次に、$y''$ を求める。

$y'' = 6x - 2a$

(1) $a > 0$ の場合

$x = 0$ のとき、$y'' = -2a < 0$ なので、$x = 0$ で極大となる。このとき、$y = 0^2(0 - a) = 0$。

$x = \frac{2a}{3}$ のとき、$y'' = 6(\frac{2a}{3}) - 2a = 4a - 2a = 2a > 0$ なので、$x = \frac{2a}{3}$ で極小となる。

増減表は次のようになる。

$x$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\frac{2a}{3}$ | $\cdots$

------- | -------- | -------- | -------- | -------- | --------

$y'$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$

$y''$ | $-$ | $-$ | $-$ | $+$ | $+$

$y$ | $\nearrow$ | $0$ | $\searrow$ | $-\frac{4a^3}{27}$ | $\nearrow$

極大値は $0$。

(2) $a = 0$ の場合

$y = x^3$ なので、$y' = 3x^2$, $y' = 0$ となるのは $x = 0$ のみ。

$y'' = 6x$ なので、$x > 0$ で $y'' > 0$, $x < 0$ で $y'' < 0$ となる。

増減表は次のようになる。

$x$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$

------- | -------- | -------- | --------

$y'$ | $+$ | $0$ | $+$

$y''$ | $-$ | $0$ | $+$

$y$ | $\nearrow$ | $0$ | $\nearrow$

極大値はない。

(3) $a < 0$ の場合

$x = 0$ のとき、$y'' = -2a > 0$ なので、$x = 0$ で極小となる。このとき、$y = 0^2(0 - a) = 0$。

$x = \frac{2a}{3}$ のとき、$y'' = 6(\frac{2a}{3}) - 2a = 4a - 2a = 2a < 0$ なので、$x = \frac{2a}{3}$ で極大となる。

$y = (\frac{2a}{3})^2(\frac{2a}{3} - a) = \frac{4a^2}{9}(-\frac{a}{3}) = -\frac{4a^3}{27}$

増減表は次のようになる。

$x$ | $\cdots$ | $\frac{2a}{3}$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$

------- | -------- | -------- | -------- | -------- | --------

$y'$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$

$y''$ | $-$ | $-$ | $-$ | $+$ | $+$

$y$ | $\nearrow$ | $-\frac{4a^3}{27}$ | $\searrow$ | $0$ | $\nearrow$

極大値は $-\frac{4a^3}{27}$。

3. 最終的な答え

(1) $a > 0$ のとき、極大値 $0$

(2) $a = 0$ のとき、極大値なし

(3) $a < 0$ のとき、極大値 $-\frac{4a^3}{27}$