右図のような道のある町で、PからQまで遠回りをしないで行く道の総数を求めます。以下の3つの場合について考えます。 (1) 全ての道順 (2) Rを通って行く場合 (3) ×印の箇所を通らないで行く場合

離散数学組み合わせ順列場合の数経路
2025/7/21

1. 問題の内容

右図のような道のある町で、PからQまで遠回りをしないで行く道の総数を求めます。以下の3つの場合について考えます。
(1) 全ての道順
(2) Rを通って行く場合
(3) ×印の箇所を通らないで行く場合

2. 解き方の手順

(1) 全ての道順
PからQまで行くには、右に6回、上に5回移動する必要があります。したがって、合計11回の移動のうち、右への移動を6回選ぶ組み合わせの数を求めればよいです。これは 11C6_{11}C_6 または 11C5_{11}C_5 で計算できます。
11C5=11!5!6!=11×10×9×8×75×4×3×2×1=11×3×2×7=462_{11}C_5 = \frac{11!}{5!6!} = \frac{11 \times 10 \times 9 \times 8 \times 7}{5 \times 4 \times 3 \times 2 \times 1} = 11 \times 3 \times 2 \times 7 = 462
(2) Rを通って行く場合
PからRまで行く場合の数と、RからQまで行く場合の数をそれぞれ計算し、それらを掛け合わせます。
PからRまでは、右に2回、上に2回移動する必要があるので、4C2=4!2!2!=4×32×1=6_{4}C_2 = \frac{4!}{2!2!} = \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6 通りです。
RからQまでは、右に4回、上に3回移動する必要があるので、7C3=7!3!4!=7×6×53×2×1=7×5=35_{7}C_3 = \frac{7!}{3!4!} = \frac{7 \times 6 \times 5}{3 \times 2 \times 1} = 7 \times 5 = 35 通りです。
したがって、Rを通って行く場合の数は 6×35=2106 \times 35 = 210 通りです。
(3) ×印の箇所を通らないで行く場合
×印の箇所をAとします。PからAに行く場合の数とAからQに行く場合の数をそれぞれ計算し、それらを掛け合わせることで、Aを通る経路を求めます。その後、全ての経路からAを通る経路を引くことで、Aを通らない経路を求めます。しかし、問題文に「×印の箇所を通らないで行く」と書かれているので、×印の箇所を通る経路を計算し、すべての経路から引く必要はありません。問題文の通り、 Pから×印の箇所まで行き、×印の箇所からQまで行く経路数を求めればよいです。
PからAまでは、右に2回、上に2回移動する必要があるので、4C2=4!2!2!=4×32×1=6_{4}C_2 = \frac{4!}{2!2!} = \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6 通りです。
AからQまでは、右に4回、上に3回移動する必要があるので、7C3=7!3!4!=7×6×53×2×1=7×5=35_{7}C_3 = \frac{7!}{3!4!} = \frac{7 \times 6 \times 5}{3 \times 2 \times 1} = 7 \times 5 = 35 通りです。
問題文から、図に×印が記入されている箇所は、右に2回、上に3回移動した地点と読めるため、Pから×印の地点に行く経路数は5C2=5!2!3!=5×42×1=10_{5}C_2 = \frac{5!}{2!3!} = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} = 10通りです。×印の地点からQに行く経路数は、右に4回、上に2回移動する必要があるため、6C4=6C2=6!4!2!=6×52×1=15_{6}C_4 = _{6}C_2 = \frac{6!}{4!2!} = \frac{6 \times 5}{2 \times 1} = 15通りです。したがって、×印の箇所を通って行く場合の数は 10×15=15010 \times 15 = 150 通りです。
×印を通らない経路数は、すべての経路数から×印を通る経路数を引くことで求められます。
462150=312462 - 150 = 312
解答用紙には、(3)の答えとして100通りと記載されていますが、これは誤りです。計算の過程で、5C3_{5}C_3の計算が誤っている可能性があります。正しくは5C3=5×42×1=10_{5}C_3 = \frac{5 \times 4}{2 \times 1}=10であり、10×10=10010 \times 10=100となるので、この値が解答用紙に記載されていると思われます。ただし、上記で示したように、経路数を正しく求めると150通りとなり、すべての経路数からこの値を引くことで、×印を通らない経路数を312通りと求めることができます。

3. 最終的な答え

(1) 462通り
(2) 210通り
(3) 312通り

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