母平均 $m$、母標準偏差 $\sigma$ の正規分布に従う母集団から大きさ $n$ の無作為標本を抽出するとき、その標本平均 $\bar{X}$ について、$P(|\bar{X}-m|\geq \frac{\sigma}{4}) \leq 0.02$ を満たす最小の $n$ を求める。

確率論・統計学標本平均正規分布標本抽出統計的推測
2025/7/21

1. 問題の内容

母平均 mm、母標準偏差 σ\sigma の正規分布に従う母集団から大きさ nn の無作為標本を抽出するとき、その標本平均 Xˉ\bar{X} について、P(Xˉmσ4)0.02P(|\bar{X}-m|\geq \frac{\sigma}{4}) \leq 0.02 を満たす最小の nn を求める。

2. 解き方の手順

Xˉ\bar{X} は平均 mm、標準偏差 σn\frac{\sigma}{\sqrt{n}} の正規分布に従う。
Z=Xˉmσ/nZ = \frac{\bar{X} - m}{\sigma/\sqrt{n}} とおくと、ZZ は標準正規分布 N(0,1)N(0, 1) に従う。
与えられた確率の式を変形する。
P(Xˉmσ4)0.02P(|\bar{X}-m|\geq \frac{\sigma}{4}) \leq 0.02
P(Xˉmσ/nσ/4σ/n)0.02P(|\frac{\bar{X}-m}{\sigma/\sqrt{n}}|\geq \frac{\sigma/4}{\sigma/\sqrt{n}}) \leq 0.02
P(Zn4)0.02P(|Z|\geq \frac{\sqrt{n}}{4}) \leq 0.02
P(Zn4)+P(Zn4)0.02P(Z \geq \frac{\sqrt{n}}{4}) + P(Z \leq -\frac{\sqrt{n}}{4}) \leq 0.02
2P(Zn4)0.022P(Z \geq \frac{\sqrt{n}}{4}) \leq 0.02
P(Zn4)0.01P(Z \geq \frac{\sqrt{n}}{4}) \leq 0.01
標準正規分布表より、P(Z2.33)0.01P(Z \geq 2.33) \approx 0.01 であるから、n42.33\frac{\sqrt{n}}{4} \geq 2.33 である必要がある。
n4×2.33=9.32\sqrt{n} \geq 4 \times 2.33 = 9.32
n(9.32)2=86.8624n \geq (9.32)^2 = 86.8624
nn は整数なので、n87n \geq 87 である。

3. 最終的な答え

87

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