代表寸法が0.8mのレーシングカーの性能を、縮小模型を使って時速200km/hで測定したい。 (1) 模型のサイズを1/5にした場合、実験で必要な流速を求める。 (2) 実験で可能な流速が最大500km/hの場合、模型の最小サイズを求める。

応用数学流体力学相似則レイノルズ数スケールモデル
2025/7/21

1. 問題の内容

代表寸法が0.8mのレーシングカーの性能を、縮小模型を使って時速200km/hで測定したい。
(1) 模型のサイズを1/5にした場合、実験で必要な流速を求める。
(2) 実験で可能な流速が最大500km/hの場合、模型の最小サイズを求める。

2. 解き方の手順

流れの相似則を用いる。ここでは、模型と実物でレイノルズ数を一致させることを考える。レイノルズ数は、代表長さ、流速、流体の動粘性係数によって決まる。動粘性係数は一定と仮定する。
レイノルズ数は以下の式で表される。
Re=VLνRe = \frac{VL}{\nu}
ここで、VVは流速、LLは代表長さ、ν\nuは動粘性係数である。
模型と実物でレイノルズ数を一致させるためには、以下の式が成り立つ必要がある。
VmLmνm=VpLpνp\frac{V_m L_m}{\nu_m} = \frac{V_p L_p}{\nu_p}
ここで、VmV_mは模型の流速、LmL_mは模型の代表長さ、VpV_pは実物の流速、LpL_pは実物の代表長さ、νm\nu_mνp\nu_pはそれぞれ模型と実物の動粘性係数である。
νm=νp\nu_m = \nu_pと仮定すると、
VmLm=VpLpV_m L_m = V_p L_p
が成り立つ。
(1) 模型のサイズが1/5の場合(Lm=15LpL_m = \frac{1}{5}L_p)、必要な流速VmV_mを求める。
Vm×15Lp=VpLpV_m \times \frac{1}{5}L_p = V_p L_p
Vm=5VpV_m = 5 V_p
Vp=200V_p = 200 km/hなので、
Vm=5×200=1000V_m = 5 \times 200 = 1000 km/h
(2) 実験で可能な流速が最大500km/h (Vm=500V_m = 500 km/h)の場合、模型のサイズ(縮尺)を求める。
VmLm=VpLpV_m L_m = V_p L_p
500×Lm=200×Lp500 \times L_m = 200 \times L_p
Lm=200500Lp=25LpL_m = \frac{200}{500} L_p = \frac{2}{5} L_p
よって、模型のサイズは2/5になる。

3. 最終的な答え

(1) 模型のサイズを1/5とした場合、実験において必要とされる流速:1000 km/h
(2) 実験で可能な流速が最大で500km/hである場合、模型のサイズは最小で2/5必要。

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