問1：$x$軸上のみを運動する質量$m$の質点に関する問題。 (1) 質点に一定の力$F$が加わったときの運動方程式と、その解$x(t)$を求める。初期条件は$t=0$で$x(0)=x_0$, $\dot{x}(0)=v_0$。 (2) 質点がポテンシャルエネルギー$U(x)$の下にあるときの運動方程式を示す。 (3) (2)の運動方程式に$\dot{x}$をかけて積分し、$\frac{1}{2}m\dot{x}^2 + U(x) = E$を導出する。 (4) (3)で$U=\frac{1}{2}kx^2$のとき、質点が運動する$x$の上限値を求める。 問2：一定速度$V$で走る電車が受ける空気抵抗に関する問題。 (1) 時間$\Delta t$あたりにフロントガラスに衝突する空気の質量を求める。 (2) 力積と運動量の関係から、フロントガラスが受ける圧力を求める。 (3) $V = 108 \text{ km/h}$, $\rho = 1.3 \text{ kg/m}^3$, $S=2 \text{ m}^2$のとき、フロントガラスが受ける力を求める。 (4) 衝突が完全弾性の場合、フロントガラスが受ける力は完全非弾性の場合の何倍になるかを求める。

1. 問題の内容

問1：$x$軸上のみを運動する質量$m$の質点に関する問題。

(1) 質点に一定の力$F$が加わったときの運動方程式と、その解$x(t)$を求める。初期条件は$t=0$で$x(0)=x_0$, $\dot{x}(0)=v_0$。

(2) 質点がポテンシャルエネルギー$U(x)$の下にあるときの運動方程式を示す。

(3) (2)の運動方程式に$\dot{x}$をかけて積分し、$\frac{1}{2}m\dot{x}^2 + U(x) = E$を導出する。

(4) (3)で$U=\frac{1}{2}kx^2$のとき、質点が運動する$x$の上限値を求める。

問2：一定速度$V$で走る電車が受ける空気抵抗に関する問題。

(1) 時間$\Delta t$あたりにフロントガラスに衝突する空気の質量を求める。

(2) 力積と運動量の関係から、フロントガラスが受ける圧力を求める。

(3) $V = 108 \text{ km/h}$, $\rho = 1.3 \text{ kg/m}^3$, $S=2 \text{ m}^2$のとき、フロントガラスが受ける力を求める。

(4) 衝突が完全弾性の場合、フロントガラスが受ける力は完全非弾性の場合の何倍になるかを求める。

2. 解き方の手順

問1：

(1) 運動方程式は、$m\ddot{x} = F$。

$\ddot{x} = \frac{F}{m}$を積分して、$\dot{x} = \frac{F}{m}t + C_1$。初期条件$\dot{x}(0) = v_0$から$C_1 = v_0$。

よって、$\dot{x} = \frac{F}{m}t + v_0$。

これを積分して、$x = \frac{1}{2}\frac{F}{m}t^2 + v_0 t + C_2$。初期条件$x(0) = x_0$から$C_2 = x_0$。

よって、$x(t) = \frac{1}{2}\frac{F}{m}t^2 + v_0 t + x_0$。

(2) 運動方程式は、$m\ddot{x} = - \frac{dU(x)}{dx}$。

(3) $m\ddot{x} = - \frac{dU(x)}{dx}$に$\dot{x}$をかける。

$m\ddot{x}\dot{x} = - \frac{dU(x)}{dx}\dot{x}$

$m\dot{x}\frac{d\dot{x}}{dt} = - \frac{dU(x)}{dx}\frac{dx}{dt}$

$\frac{d}{dt}(\frac{1}{2}m\dot{x}^2) = - \frac{d}{dt}(U(x))$

$\frac{1}{2}m\dot{x}^2 = - U(x) + E$。ここで$E$は積分定数。

よって、$\frac{1}{2}m\dot{x}^2 + U(x) = E$。

(4) $\frac{1}{2}m\dot{x}^2 + \frac{1}{2}kx^2 = E$

$\dot{x} = 0$のとき、$x$は最大値を取る。$\frac{1}{2}kx^2 = E$。

$x^2 = \frac{2E}{k}$。

$x = \pm\sqrt{\frac{2E}{k}}$。

上限値は$\sqrt{\frac{2E}{k}}$。

問2：

(1) フロントガラスに$\Delta t$秒間に衝突する空気の体積は、$V\Delta t S$。

衝突する空気の質量は、$\Delta m = \rho V \Delta t S$。

(2) 力積は運動量の変化に等しい。$\Delta t$秒間にフロントガラスが受ける力は、$F = \frac{\Delta p}{\Delta t}$。

空気の速度は$V$から0に変化するので、運動量の変化は$\Delta p = \Delta m V = \rho V^2 \Delta t S$。

したがって、$F = \frac{\rho V^2 \Delta t S}{\Delta t} = \rho V^2 S$。

圧力は、$P = \frac{F}{S} = \rho V^2$。

(3) $V = 108 \text{ km/h} = 30 \text{ m/s}$, $\rho = 1.3 \text{ kg/m}^3$, $S = 2 \text{ m}^2$。

$F = \rho V^2 S = 1.3 \text{ kg/m}^3 \times (30 \text{ m/s})^2 \times 2 \text{ m}^2 = 1.3 \times 900 \times 2 \text{ N} = 2340 \text{ N}$。

(4) 完全弾性衝突の場合、空気の速度は$V$から$-V$に変化するので、運動量の変化は$2\rho V^2 \Delta t S$になる。

したがって、力は$2\rho V^2 S$になる。

完全弾性衝突の場合の力は、完全非弾性衝突の場合の力の2倍である。

3. 最終的な答え

問1：

(1) 運動方程式: $m\ddot{x} = F$。 解: $x(t) = \frac{1}{2}\frac{F}{m}t^2 + v_0 t + x_0$。

(2) $m\ddot{x} = - \frac{dU(x)}{dx}$

(3) $\frac{1}{2}m\dot{x}^2 + U(x) = E$

(4) $x$の上限値: $\sqrt{\frac{2E}{k}}$

問2：

(1) $\Delta m = \rho V \Delta t S$

(2) $P = \rho V^2$

(3) $2340 \text{ N}$

(4) 2倍