ある株式について、以下の情報が与えられています。 * 1株当たりの配当期待値: 10円 * 安全資産の収益率: 3% * キャピタルゲインの期待値: 5% * 株式のリスクプレミアム: 7% 問題は以下の2つです。 2-1: この株式の理論株価を求めよ。 2-2: この企業は、100万株発行しており、資本の再取得価格は4億円(負債は0)である。この企業のトービンのqを求め、設備投資を行うべきか判断せよ。
2025/7/21
1. 問題の内容
ある株式について、以下の情報が与えられています。
* 1株当たりの配当期待値: 10円
* 安全資産の収益率: 3%
* キャピタルゲインの期待値: 5%
* 株式のリスクプレミアム: 7%
問題は以下の2つです。
2-1: この株式の理論株価を求めよ。
2-2: この企業は、100万株発行しており、資本の再取得価格は4億円(負債は0)である。この企業のトービンのqを求め、設備投資を行うべきか判断せよ。
2. 解き方の手順
2-1: 理論株価の計算
株式のリスクプレミアムは、期待収益率と安全資産収益率の差で表されます。したがって、株式の期待収益率は、安全資産収益率とリスクプレミアムの和で求められます。
期待収益率 = 安全資産収益率 + リスクプレミアム
ゴードンモデル(定率成長配当割引モデル)を用いて理論株価を求めます。
配当成長率をgとすると、株価Pは以下の式で表されます。
ここで、
: 1株当たり配当期待値(10円)
: 期待収益率(0.1)
: 配当成長率
配当成長率は、ここではキャピタルゲインの期待値と一致すると考えます。
したがって、理論株価は、
円
2-2: トービンのqの計算と設備投資判断
トービンのqは、企業の市場価値を資本の再取得価格で割ったものです。
まず、企業の市場価値を計算します。
発行済株式数:100万株
理論株価(1株当たり):200円
したがって、企業の市場価値は、
億円
次に、トービンのqを計算します。
トービンのq = 企業の市場価値 / 資本の再取得価格
トービンのqが1より小さい場合、企業の市場価値が資本の再取得価格を下回っていることを意味します。これは、企業が保有する資産を売却して再投資する方が、事業を継続するよりも価値が高まる可能性があることを示唆します。したがって、この企業は追加の設備投資を行うべきではありません。なぜなら、現時点での市場価値が再取得価格を下回っているため、投資効率が悪いと判断できるからです。
3. 最終的な答え
2-1: 理論株価は200円です。
2-2: トービンのqは0.5です。この企業は追加の設備投資を行うべきではありません。