この問題は、貨幣乗数、実質貨幣需要関数、および貨幣に関する記述の正誤を問うものです。具体的には以下の問いに答えます。 1-1: 現金・預金保有比率と預金準備率が与えられたときの貨幣乗数の計算と、ハイパワードマネーが与えられたときの名目貨幣量の計算。 1-2: 名目貨幣量、預金準備、貨幣乗数が与えられたときの預金通貨の計算。 2-1: 実質貨幣需要関数、GDP、名目貨幣供給量が与えられたときの均衡利子率の計算。 2-2: 名目貨幣供給量の変化が与えられたときの利子率の変化の計算。 3: 貨幣に関する記述の正誤判定。
2025/7/21
1. 問題の内容
この問題は、貨幣乗数、実質貨幣需要関数、および貨幣に関する記述の正誤を問うものです。具体的には以下の問いに答えます。
1-1: 現金・預金保有比率と預金準備率が与えられたときの貨幣乗数の計算と、ハイパワードマネーが与えられたときの名目貨幣量の計算。
1-2: 名目貨幣量、預金準備、貨幣乗数が与えられたときの預金通貨の計算。
2-1: 実質貨幣需要関数、GDP、名目貨幣供給量が与えられたときの均衡利子率の計算。
2-2: 名目貨幣供給量の変化が与えられたときの利子率の変化の計算。
3: 貨幣に関する記述の正誤判定。
2. 解き方の手順
1-1:
* 貨幣乗数 は、現金・預金保有比率 と預金準備率 を用いて、 で計算できます。与えられた と を代入して を求めます。
* 名目貨幣量 は、ハイパワードマネー と貨幣乗数 を用いて、 で計算できます。 兆円と上で求めた を代入して を求めます。
1-2:
* 名目貨幣量 は、現金通貨 と預金通貨 の合計 で表されます。貨幣乗数 は です。預金準備 は預金通貨 に預金準備率 を掛けたものです。
* 兆円、、兆円が与えられているので、 より、。また、。よって、、、。
* より、。よって、兆円。
2-1:
* 貨幣市場の均衡は、実質貨幣需要 と実質貨幣供給 が等しくなるときに成立します。すなわち、。
* 与えられた , , , を代入して、 を解きます。
2-2:
* 同様に、 を用います。ただし、 に変更されています。
* を解きます。
利子率は から に変化します。
3:
* ① M2 には、現金通貨、預金通貨に加え、準通貨(定期預金、貯蓄預金など)が含まれます。郵貯銀行の預金も含まれます。よって正しい。
* ② 代表的な貨幣需要の要因は、取引動機、予備的動機、資産選択動機です。期待形成は含まれません。よって誤り。
* ③ 貨幣需要量と名目 GDP との比例関係をマーシャルの k で表した式は、貨幣数量説の一部として用いられます。フィッシャーの交換方程式は で表され、マーシャルの k を用いると となります。与えられた記述は正しい。
* ④ 家計が銀行預金よりもタンス預金(現金保有)を選択するようになると、預金通貨が減少し、貨幣乗数は減少します。よって正しい。
* ⑤ 中央銀行が買いオペレーションを行うと、市中銀行の準備預金が増加し、ハイパワードマネーが増加します。よって正しい。
正しい文章は、①、③、④、⑤です。
3. 最終的な答え
1-1: 貨幣乗数: 約 3.03、名目貨幣量: 約 151.5 兆円
1-2: 預金通貨: 60兆円
2-1: 均衡利子率: 0.12
2-2: 利子率の変化: 0.12 から 0.10 に減少
3: 正しい文章の番号: ①、③、④、⑤