質量 $m$ の質点の位置ベクトルを $\vec{r}$ 、速度ベクトルを $\vec{v}$ とする。質点には力 $\vec{F}$ が働いている。以下の問いに答える。 (1) 質点の運動方程式を $m$ 、 $\vec{v}$ 、 $\vec{F}$ を用いて表せ。 (2) 角運動量ベクトル $\vec{L} = m \vec{r} \times \vec{v}$ を定義すると、 $\frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{N}$ が成立することを示せ。ここで、 $\vec{N} = \vec{r} \times \vec{F}$ は力のモーメントである。 (3) 力ベクトルが $\vec{F} = f(r) \frac{\vec{r}}{r}$ と表されるとき、 $\vec{N} = 0$ であることを示せ。ここで、$r = |\vec{r}|$ で、$f(r)$ は $r$ の任意の関数である。 (4) (3) のとき、質点の位置ベクトル $\vec{r}$ と速度ベクトル $\vec{v}$ は、ベクトル $\vec{L}$ を法線にもつ平面内のみに存在することを示せ。 (5) (4) のとき、 $\vec{L}$ を $z$ 軸に並行にすると、質点は $xy$ 平面上で運動する。質点の位置が $x = r \cos{\phi}$ 、 $y = r \sin{\phi}$ で与えられるとすると、$L = |\vec{L}| = mr^2 \dot{\phi}$ で与えられることを示せ。

## 問3

1. 問題の内容

質量 $m$ の質点の位置ベクトルを $\vec{r}$ 、速度ベクトルを $\vec{v}$ とする。質点には力 $\vec{F}$ が働いている。以下の問いに答える。

(1) 質点の運動方程式を $m$ 、 $\vec{v}$ 、 $\vec{F}$ を用いて表せ。

(2) 角運動量ベクトル $\vec{L} = m \vec{r} \times \vec{v}$ を定義すると、 $\frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{N}$ が成立することを示せ。ここで、 $\vec{N} = \vec{r} \times \vec{F}$ は力のモーメントである。

(3) 力ベクトルが $\vec{F} = f(r) \frac{\vec{r}}{r}$ と表されるとき、 $\vec{N} = 0$ であることを示せ。ここで、$r = |\vec{r}|$ で、$f(r)$ は $r$ の任意の関数である。

(4) (3) のとき、質点の位置ベクトル $\vec{r}$ と速度ベクトル $\vec{v}$ は、ベクトル $\vec{L}$ を法線にもつ平面内のみに存在することを示せ。

(5) (4) のとき、 $\vec{L}$ を $z$ 軸に並行にすると、質点は $xy$ 平面上で運動する。質点の位置が $x = r \cos{\phi}$ 、 $y = r \sin{\phi}$ で与えられるとすると、$L = |\vec{L}| = mr^2 \dot{\phi}$ で与えられることを示せ。

2. 解き方の手順

(1) 運動方程式はニュートンの第二法則から直接的に導かれる。

(2) 角運動量の時間微分を計算し、運動方程式を用いることで $\frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{N}$ を示す。

(3) $\vec{N} = \vec{r} \times \vec{F}$ に $\vec{F} = f(r) \frac{\vec{r}}{r}$ を代入し、ベクトルの外積の性質を用いることで $\vec{N} = 0$ を示す。

(4) $\vec{L}$ は時間的に一定である。 $\vec{L} = m \vec{r} \times \vec{v}$ より、 $\vec{r}$ と $\vec{v}$ は $\vec{L}$ に垂直な平面内にある。

(5) $\vec{L}$ が $z$ 軸に平行な場合、質点は $xy$ 平面内で運動する。極座標 $(r, \phi)$ を用いて、 $\vec{r} = (r \cos{\phi}, r \sin{\phi}, 0)$ 、 $\vec{v} = (\dot{r} \cos{\phi} - r \dot{\phi} \sin{\phi}, \dot{r} \sin{\phi} + r \dot{\phi} \cos{\phi}, 0)$ と表せる。したがって、

$\vec{L} = m \vec{r} \times \vec{v} = (0, 0, mr^2 \dot{\phi})$

$L = |\vec{L}| = mr^2 \dot{\phi}$

3. 最終的な答え

(1) $m \frac{d\vec{v}}{dt} = \vec{F}$

(2) $\frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{N}$

(3) $\vec{N} = 0$

(4) 質点の位置ベクトル $\vec{r}$ と速度ベクトル $\vec{v}$ は、ベクトル $\vec{L}$ を法線にもつ平面内のみに存在する。

(5) $L = |\vec{L}| = mr^2 \dot{\phi}$