与えられた行列 $A$ が正則行列となるような実数 $a$ の条件を求め、そのときの逆行列 $A^{-1}$ を求める問題です。 行列 $A$ は以下で与えられます。 $ A = \begin{bmatrix} 0 & -1 & 4 \\ 2 & 1 & a \\ -1 & 0 & -1 \end{bmatrix} $

代数学行列正則行列逆行列行列式
2025/7/21

1. 問題の内容

与えられた行列 AA が正則行列となるような実数 aa の条件を求め、そのときの逆行列 A1A^{-1} を求める問題です。
行列 AA は以下で与えられます。
A = \begin{bmatrix}
0 & -1 & 4 \\
2 & 1 & a \\
-1 & 0 & -1
\end{bmatrix}

2. 解き方の手順

まず、行列 AA が正則であるための条件は、その行列式が0でないことです。したがって、行列式 det(A)\det(A) を計算し、aa について解きます。
det(A)\det(A) を計算します。
det(A)=0(1(1)a0)(1)(2(1)a(1))+4(201(1))\det(A) = 0\cdot(1\cdot(-1) - a\cdot0) - (-1)\cdot(2\cdot(-1) - a\cdot(-1)) + 4\cdot(2\cdot0 - 1\cdot(-1))
det(A)=0+(2+a)+4(0+1)\det(A) = 0 + (-2 + a) + 4(0+1)
det(A)=2+a+4\det(A) = -2 + a + 4
det(A)=a+2\det(A) = a + 2
行列 AA が正則であるためには、det(A)0\det(A) \neq 0 である必要があります。
a+20a+2 \neq 0
a2a \neq -2
次に、a2a \neq -2 のとき、行列 AA の逆行列 A1A^{-1} を求めます。
A1=1det(A)adj(A)A^{-1} = \frac{1}{\det(A)} \mathrm{adj}(A)
ここで、adj(A)\mathrm{adj}(A)AA の余因子行列の転置です。
AA の余因子行列を計算します。
C11=(1)(1)(a)(0)=1C_{11} = (1)(-1) - (a)(0) = -1
C12=(2(1)a(1))=2aC_{12} = -(2(-1) - a(-1)) = 2 - a
C13=(2)(0)(1)(1)=1C_{13} = (2)(0) - (1)(-1) = 1
C21=((1)(1)(4)(0))=1C_{21} = -((-1)(-1) - (4)(0)) = -1
C22=(0)(1)(4)(1)=4C_{22} = (0)(-1) - (4)(-1) = 4
C23=(0(0)(1)(1))=1C_{23} = -(0(0) - (-1)(-1)) = 1
C31=(1)(a)(4)(1)=a4C_{31} = (-1)(a) - (4)(1) = -a - 4
C32=(0(a)(4)(2))=8C_{32} = -(0(a) - (4)(2)) = 8
C33=(0)(1)(1)(2)=2C_{33} = (0)(1) - (-1)(2) = 2
余因子行列は次のようになります。
[12a1141a482]\begin{bmatrix} -1 & 2-a & 1 \\ -1 & 4 & 1 \\ -a-4 & 8 & 2 \end{bmatrix}
余因子行列の転置 (随伴行列) は次のようになります。
adj(A)=[11a42a48112]\mathrm{adj}(A) = \begin{bmatrix} -1 & -1 & -a-4 \\ 2-a & 4 & 8 \\ 1 & 1 & 2 \end{bmatrix}
したがって、AA の逆行列は次のようになります。
A1=1a+2[11a42a48112]A^{-1} = \frac{1}{a+2} \begin{bmatrix} -1 & -1 & -a-4 \\ 2-a & 4 & 8 \\ 1 & 1 & 2 \end{bmatrix}

3. 最終的な答え

a2a \neq -2 のとき、行列 AA は正則であり、その逆行列は次のようになります。
A1=1a+2[11a42a48112]A^{-1} = \frac{1}{a+2} \begin{bmatrix} -1 & -1 & -a-4 \\ 2-a & 4 & 8 \\ 1 & 1 & 2 \end{bmatrix}

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