複素数 $z$ に対し、以下の2つの問題を解く。 (1) $\frac{1}{z+i} + \frac{1}{z-i}$ が実数となる点 $z$ 全体の描く図形 $P$ を複素数平面上に図示する。 (2) $z$ が (1) で求めた図形 $P$ 上を動くとき、$w = \frac{z+i}{z-i}$ の描く図形を複素数平面上に図示する。

代数学複素数複素数平面図形方程式
2025/7/21

1. 問題の内容

複素数 zz に対し、以下の2つの問題を解く。
(1) 1z+i+1zi\frac{1}{z+i} + \frac{1}{z-i} が実数となる点 zz 全体の描く図形 PP を複素数平面上に図示する。
(2) zz が (1) で求めた図形 PP 上を動くとき、w=z+iziw = \frac{z+i}{z-i} の描く図形を複素数平面上に図示する。

2. 解き方の手順

(1) z=x+yiz = x + yi (x,yx, y は実数) とおく。
1z+i+1zi=1x+(y+1)i+1x+(y1)i\frac{1}{z+i} + \frac{1}{z-i} = \frac{1}{x + (y+1)i} + \frac{1}{x + (y-1)i}
=x(y+1)ix2+(y+1)2+x(y1)ix2+(y1)2= \frac{x - (y+1)i}{x^2 + (y+1)^2} + \frac{x - (y-1)i}{x^2 + (y-1)^2}
=xx2+(y+1)2y+1x2+(y+1)2i+xx2+(y1)2y1x2+(y1)2i= \frac{x}{x^2 + (y+1)^2} - \frac{y+1}{x^2 + (y+1)^2}i + \frac{x}{x^2 + (y-1)^2} - \frac{y-1}{x^2 + (y-1)^2}i
=(xx2+(y+1)2+xx2+(y1)2)(y+1x2+(y+1)2+y1x2+(y1)2)i= \left( \frac{x}{x^2 + (y+1)^2} + \frac{x}{x^2 + (y-1)^2} \right) - \left( \frac{y+1}{x^2 + (y+1)^2} + \frac{y-1}{x^2 + (y-1)^2} \right)i
これが実数となる条件は、虚部が0であることなので、
y+1x2+(y+1)2+y1x2+(y1)2=0\frac{y+1}{x^2 + (y+1)^2} + \frac{y-1}{x^2 + (y-1)^2} = 0
(y+1)(x2+(y1)2)+(y1)(x2+(y+1)2)=0(y+1)(x^2 + (y-1)^2) + (y-1)(x^2 + (y+1)^2) = 0
(y+1)(x2+y22y+1)+(y1)(x2+y2+2y+1)=0(y+1)(x^2 + y^2 - 2y + 1) + (y-1)(x^2 + y^2 + 2y + 1) = 0
x2y+y32y2+y+x2+y22y+1+x2y+y3+2y2yx2y22y1=0x^2y + y^3 - 2y^2 + y + x^2 + y^2 - 2y + 1 + x^2y + y^3 + 2y^2 - y - x^2 - y^2 - 2y - 1 = 0
2x2y+2y34y=02x^2y + 2y^3 - 4y = 0
2y(x2+y22)=02y(x^2 + y^2 - 2) = 0
y=0y=0 または x2+y2=2x^2 + y^2 = 2
ただし、z=±iz = \pm i のとき、分母が0になるので、y=±1y = \pm 1 を除く必要がある。
したがって、図形 PP は直線 y=0y=0 と円 x2+y2=2x^2+y^2 = 2 (原点中心、半径 2\sqrt{2}) である。ただし、円上の点(0,1)(0,1)(0,1)(0,-1) は除く。
(2) w=z+iziw = \frac{z+i}{z-i} より、 w(zi)=z+iw(z-i) = z+i
wzwi=z+iwz - wi = z + i
z(w1)=i(w+1)z(w-1) = i(w+1)
z=iw+1w1z = i \frac{w+1}{w-1}
z=x+yiz = x+yi なので、x+yi=iw+1w1x+yi = i \frac{w+1}{w-1}
(1) で求めた図形 PP 上の点 zz に対して x+yix+yi を代入する。
まず、y=0y=0 のとき、z=xz = x なので、
x=iw+1w1x = i \frac{w+1}{w-1}
w+1w1=ix\frac{w+1}{w-1} = -ix
w+1=ix(w1)w+1 = -ix(w-1)
w+1=ixw+ixw+1 = -ixw + ix
w(1+ix)=ix1w(1+ix) = ix - 1
w=ix1ix+1w = \frac{ix-1}{ix+1}
w=ix1ix+1=x2+1x2+1=1|w| = \frac{|ix-1|}{|ix+1|} = \frac{\sqrt{x^2 + 1}}{\sqrt{x^2 + 1}} = 1
よって、w=1|w| = 1。これは原点中心、半径1の円を表す。ただし、w ≠ 1 となる。
次に、x2+y2=2x^2+y^2 = 2 のとき、z=x+yiz = x+yi であり、x2+y2=2x^2+y^2 = 2 を満たす。
x+yi=iw+1w1x+yi = i \frac{w+1}{w-1}
x+yi=i(w+1)(wˉ1)(w1)(wˉ1)=iwwˉw+wˉ1w12x+yi = i \frac{(w+1)(\bar{w}-1)}{(w-1)(\bar{w}-1)} = i \frac{w\bar{w} -w + \bar{w} - 1}{|w-1|^2}
w=u+viw = u+vi とおくと、x+yi=iu2+v2(u+vi)+(uvi)1(u1)2+v2=iu2+v22vi1(u1)2+v2x+yi = i \frac{u^2+v^2 - (u+vi) + (u-vi) - 1}{(u-1)^2 + v^2} = i \frac{u^2+v^2 - 2vi - 1}{(u-1)^2 + v^2}
x+yi=2v(u1)2+v2+u2+v21(u1)2+v2ix+yi = \frac{2v}{(u-1)^2+v^2} + \frac{u^2+v^2-1}{(u-1)^2+v^2}i
x=2v(u1)2+v2x = -\frac{2v}{(u-1)^2+v^2}, y=u2+v21(u1)2+v2y = \frac{u^2+v^2-1}{(u-1)^2+v^2}
x2+y2=4v2((u1)2+v2)2+(u2+v21)2((u1)2+v2)2=2x^2+y^2 = \frac{4v^2}{((u-1)^2+v^2)^2} + \frac{(u^2+v^2-1)^2}{((u-1)^2+v^2)^2} = 2
4v2+(u2+v21)2=2((u1)2+v2)24v^2 + (u^2+v^2-1)^2 = 2((u-1)^2 + v^2)^2
4v2+u4+v4+1+2u2v22u22v2=2(u22u+1+v2)24v^2 + u^4 + v^4 + 1 + 2u^2v^2 - 2u^2 - 2v^2 = 2(u^2-2u+1+v^2)^2
u4+v4+2u2v2+2v22u2+1=2(u4+v4+1+4u2+4u2v24u2u2+2v24uv2)u^4 + v^4 + 2u^2v^2 + 2v^2 - 2u^2 + 1 = 2(u^4 + v^4 + 1 + 4u^2 + 4u^2v^2 - 4u - 2u^2 + 2v^2 - 4uv^2)
この式を整理すると、u=0u = 0 となる。これは虚軸である。ただし wiw \neq i ,wiw \neq -iとなる。

3. 最終的な答え

(1) 直線 y=0y=0 と円 x2+y2=2x^2+y^2 = 2。ただし、円上の点(0,1)(0,1)(0,1)(0,-1) は除く。
(2) 円 w=1|w| = 1 と虚軸。ただし、wiw \neq i ,wiw \neq -i となる。 また w1w \neq 1 となる。

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