この問題は、以下のマクロ経済モデルについて、均衡GDP($Y^*$)と政府支出乗数を求めるものです。 * 消費関数:$C = 40 + 0.8(Y - T)$ * 投資:$I = 70$ * 政府支出:$G = 50$ * 財市場の均衡条件:$Y = C + I + G$ 4-1では、均衡財政支出($G = T$)の場合について、$Y^*$ と政府支出乗数を計算します。 4-2では、政府支出を全額国債発行によって賄う場合について、$Y^*$ と政府支出乗数を計算します。

応用数学マクロ経済学均衡GDP政府支出乗数消費関数経済モデル
2025/7/21
## 問題の解き方

1. 問題の内容

この問題は、以下のマクロ経済モデルについて、均衡GDP(YY^*)と政府支出乗数を求めるものです。
* 消費関数:C=40+0.8(YT)C = 40 + 0.8(Y - T)
* 投資:I=70I = 70
* 政府支出:G=50G = 50
* 財市場の均衡条件:Y=C+I+GY = C + I + G
4-1では、均衡財政支出(G=TG = T)の場合について、YY^* と政府支出乗数を計算します。
4-2では、政府支出を全額国債発行によって賄う場合について、YY^* と政府支出乗数を計算します。

2. 解き方の手順

4-1:均衡財政支出(G=TG = T)の場合
(1) 均衡条件に各値を代入する。
Y=40+0.8(YT)+70+50Y = 40 + 0.8(Y - T) + 70 + 50
(2) G=TG = T であるから、T=50T = 50を代入する。
Y=40+0.8(Y50)+70+50Y = 40 + 0.8(Y - 50) + 70 + 50
(3) YYについて解く。
Y=40+0.8Y40+70+50Y = 40 + 0.8Y - 40 + 70 + 50
Y=0.8Y+120Y = 0.8Y + 120
0.2Y=1200.2Y = 120
Y=600Y = 600
したがって、Y=600Y^* = 600
(4) 政府支出乗数を計算する。政府支出乗数は 11限界消費性向\frac{1}{1-限界消費性向} で表されます。
限界消費性向は消費関数の YY の係数である 0.80.8 なので、政府支出乗数は 110.8=10.2=5\frac{1}{1-0.8} = \frac{1}{0.2} = 5 となります。
4-2:政府支出を全額、国債発行によって賄う場合
この場合、GG の値は変わらず、G=50G = 50 です。また、TT は変化しません。
(1) 均衡条件に各値を代入する。
Y=40+0.8(YT)+70+50Y = 40 + 0.8(Y - T) + 70 + 50
政府支出が国債発行で賄われているので、T=0T=0となる。(租税がない状態)
Y=40+0.8(Y0)+70+50Y = 40 + 0.8(Y - 0) + 70 + 50
(2) YYについて解く。
Y=40+0.8Y+70+50Y = 40 + 0.8Y + 70 + 50
Y=0.8Y+160Y = 0.8Y + 160
0.2Y=1600.2Y = 160
Y=800Y = 800
したがって、Y=800Y^* = 800
(3) 政府支出乗数を計算する。
政府支出乗数は 11限界消費性向\frac{1}{1-限界消費性向} で表されます。限界消費性向は 0.80.8 なので、政府支出乗数は 110.8=10.2=5\frac{1}{1-0.8} = \frac{1}{0.2} = 5 となります。

3. 最終的な答え

4-1:
均衡GDP:Y=600Y^* = 600
政府支出乗数:5
4-2:
均衡GDP:Y=800Y^* = 800
政府支出乗数:5

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