半径 $a$、長さ $h$、質量 $M$ の一様な円柱の中心を原点に置き、円柱の軸に垂直な $y$ 軸を回転軸としたときの慣性モーメント $I$ を求める問題です。

応用数学慣性モーメント積分物理円柱
2025/7/22

1. 問題の内容

半径 aa、長さ hh、質量 MM の一様な円柱の中心を原点に置き、円柱の軸に垂直な yy 軸を回転軸としたときの慣性モーメント II を求める問題です。

2. 解き方の手順

円柱の慣性モーメントを求めるには、微小体積要素を考え、その体積要素の慣性モーメントを積分します。
まず、円柱の密度 ρ\rho を求めます。円柱の体積は V=πa2hV = \pi a^2 h なので、密度は ρ=MV=Mπa2h\rho = \frac{M}{V} = \frac{M}{\pi a^2 h} です。
次に、円柱を微小な円板に分割します。円板の厚さを dzdz とします。円板の質量 dmdmdm=ρdV=ρπa2dz=Mπa2hπa2dz=Mhdzdm = \rho dV = \rho \pi a^2 dz = \frac{M}{\pi a^2 h} \pi a^2 dz = \frac{M}{h} dz となります。
円板の yy 軸に関する慣性モーメント dIdI は、dI=14dma2+dmz2dI = \frac{1}{4} dm a^2 + dm z^2 で与えられます。これは、円板の中心を通る軸に関する慣性モーメント 14dma2\frac{1}{4} dm a^2 と、平行軸の定理 dmz2dm z^2 を用いて求めたものです。
円柱全体の慣性モーメント II は、この dIdIzz について h/2-h/2 から h/2h/2 まで積分することで求まります。
I=h/2h/2dI=h/2h/2(14dma2+dmz2)=h/2h/2(14Mha2+Mhz2)dzI = \int_{-h/2}^{h/2} dI = \int_{-h/2}^{h/2} (\frac{1}{4} dm a^2 + dm z^2) = \int_{-h/2}^{h/2} (\frac{1}{4} \frac{M}{h} a^2 + \frac{M}{h} z^2) dz
I=Mhh/2h/2(14a2+z2)dz=Mh[14a2z+13z3]h/2h/2I = \frac{M}{h} \int_{-h/2}^{h/2} (\frac{1}{4} a^2 + z^2) dz = \frac{M}{h} [\frac{1}{4} a^2 z + \frac{1}{3} z^3]_{-h/2}^{h/2}
I=Mh[14a2(h2(h2))+13((h2)3(h2)3)]=Mh[14a2h+13h34]=M(14a2+112h2)=112M(3a2+h2)I = \frac{M}{h} [\frac{1}{4} a^2 (\frac{h}{2} - (-\frac{h}{2})) + \frac{1}{3} ((\frac{h}{2})^3 - (-\frac{h}{2})^3)] = \frac{M}{h} [\frac{1}{4} a^2 h + \frac{1}{3} \frac{h^3}{4}] = M (\frac{1}{4} a^2 + \frac{1}{12} h^2) = \frac{1}{12} M(3a^2 + h^2)

3. 最終的な答え

I=112M(3a2+h2)I = \frac{1}{12} M(3a^2 + h^2)

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