$n \times n$ 行列 $A_n$ の行列式を求める問題です。行列 $A_n$ は、対角成分がすべて2、対角成分の上下に1が並び、それ以外の成分がすべて0である三重対角行列です。ヒントとして、余因子展開を用いて、$A_n$, $A_{n-1}$, $A_{n-2}$ の関係を表す漸化式を作成することが示されています。

代数学行列式線形代数漸化式三重対角行列余因子展開
2025/7/22

1. 問題の内容

n×nn \times n 行列 AnA_n の行列式を求める問題です。行列 AnA_n は、対角成分がすべて2、対角成分の上下に1が並び、それ以外の成分がすべて0である三重対角行列です。ヒントとして、余因子展開を用いて、AnA_n, An1A_{n-1}, An2A_{n-2} の関係を表す漸化式を作成することが示されています。

2. 解き方の手順

行列式を ana_n で表すことにします。
AnA_n の第1行で余因子展開すると、
an=2an11×det(1100021000210012)a_n = 2a_{n-1} - 1 \times \det \begin{pmatrix} 1 & 1 & 0 & \cdots & 0 \\ 0 & 2 & 1 & \cdots & 0 \\ \vdots & \vdots & \ddots & \ddots & \vdots \\ 0 & 0 & \cdots & 2 & 1 \\ 0 & 0 & \cdots & 1 & 2 \end{pmatrix}
ここで、n1n-1n1n-1 列の行列が現れましたが、さらに第1列で余因子展開すると、
an=2an1an2a_n = 2a_{n-1} - a_{n-2}
が得られます。これは ana_n, an1a_{n-1}, an2a_{n-2} の間の漸化式です。
初期条件を計算します。
n=1n=1 のとき、A1=(2)A_1 = (2) なので a1=2a_1 = 2
n=2n=2 のとき、A2=(2112)A_2 = \begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 1 & 2 \end{pmatrix} なので a2=2211=3a_2 = 2 \cdot 2 - 1 \cdot 1 = 3
漸化式 an=2an1an2a_n = 2a_{n-1} - a_{n-2} を解きます。特性方程式は
x22x+1=0x^2 - 2x + 1 = 0
となり、x=1x = 1 (重根) を持ちます。したがって、一般解は
an=(An+B)1n=An+Ba_n = (An + B) \cdot 1^n = An + B
の形です。初期条件から、
a1=A+B=2a_1 = A + B = 2
a2=2A+B=3a_2 = 2A + B = 3
これを解くと、A=1A=1, B=1B=1 となります。

3. 最終的な答え

したがって、行列式は
an=n+1a_n = n + 1
となります。

「代数学」の関連問題

与えられた置換 $\sigma$ を互換の積に分解し、符号を求めよ。ここで、$\sigma$ は以下のように与えられています。 $\sigma = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 ...

置換互換巡回置換符号群論
2025/7/22

2次関数 $y = 2x^2 + ax + b$ のグラフを、原点に関して対称移動し、さらに $x$ 軸方向に $3$, $y$ 軸方向に $1$ だけ平行移動したところ、2次関数 $y = -2x^...

二次関数グラフの平行移動グラフの対称移動係数比較
2025/7/22

13. の空欄を埋め、14. の2次不等式を解く問題です。

二次不等式平方完成不等式の解法
2025/7/22

与えられた問題は、2次不等式に関する穴埋め問題と、具体的な2次不等式を解く問題です。まず、2次不等式の定義に関する穴埋めがあり、次にグラフを利用した2次不等式の解き方に関する穴埋めがあります。最後に、...

2次不等式因数分解不等式
2025/7/22

問題7:次の2次関数のグラフとx軸との共有点のx座標を求めます。 (1) $y = x^2 - 2x - 3$ (2) $y = x^2 + 8x + 15$ 問題9:2次関数 $y = x^2 + ...

二次関数二次方程式グラフx軸との共有点解の公式因数分解
2025/7/22

$e^x + e^{-x} = f(0)$ という式が与えられており、$f(0) = 2$ であるとき、$x$の値を求める問題です。

指数関数方程式代数因数分解
2025/7/22

与えられた画像に記載されている数学の問題を解き、空欄を埋める問題です。具体的には、2次方程式の定義、解き方(因数分解、解の公式)、および具体的な2次方程式を解く問題です。

二次方程式因数分解解の公式
2025/7/22

画像の問題のうち、以下の問題を解きます。 * 1. 次の空欄に当てはまる言葉を書き入れなさい。 $x^2 + 3x - 10 = 0$ のように、$x$ の \_\_\_\_\_\_ で表...

二次方程式因数分解解の公式
2025/7/22

問題は、方程式 $2 + \frac{1}{x^3} = 0$ を解いて、$x$ の値を求めることです。

方程式3次方程式代数有理化累乗根
2025/7/22

行列 $A = \begin{bmatrix} 2 & 0 & 0 \\ 2 & 5 & 3 \\ 0 & -6 & -4 \end{bmatrix}$ の固有値が2と-1であることを示し、$\til...

線形代数固有値固有空間行列
2025/7/22