与えられたベクトル方程式で表される平面の法線ベクトルを求め、ベクトルを使わずに平面の方程式を表現する。ベクトル方程式は以下の通り。 $\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 \\ 2 \\ 5 \end{pmatrix} + s\begin{pmatrix} 1 \\ 1 \\ 1 \end{pmatrix} + t\begin{pmatrix} 3 \\ 2 \\ 1 \end{pmatrix}$ (s,t: 任意の実数)
2025/7/22
## 解答
以下に、問題文に記載されている各問題に対する解答を記述します。
### (1)
1. 問題の内容
与えられたベクトル方程式で表される平面の法線ベクトルを求め、ベクトルを使わずに平面の方程式を表現する。ベクトル方程式は以下の通り。
(s,t: 任意の実数)
2. 解き方の手順
平面の法線ベクトルは、平面上の2つのベクトル(方向ベクトル)の外積によって求められる。ここでは、 と が方向ベクトルとなる。
法線ベクトルは、
平面の方程式は、法線ベクトルを、平面上の点を とすると、で表される。
ここでは、、となるので、平面の方程式は、
3. 最終的な答え
法線ベクトル:
平面の方程式:
### (2)
1. 問題の内容
行列 と の積 と を求める。また、行列 と の積 及び を求める。
2. 解き方の手順
行列の積は、それぞれの要素の積の和で求められる。
行列Aと行列Cの積は以下の通り。
と の積は以下の通り。
行列 と行列の積は、 なので
行列 と行列の積は、 なので
3. 最終的な答え
### (3)
1. 問題の内容
行列 が正則ならば、 が成り立つことを示す。ただし、 は正の整数。
2. 解き方の手順
を展開する。
したがって、
が正則であるから、両辺に を左から掛けると、
次に、 を展開する。
したがって、
が正則であるから、両辺に を右から掛けると、
3. 最終的な答え
### (4)
1. 問題の内容
行列 が正則であり、行列 が正則とならないような の値を求めよ。
2. 解き方の手順
最初の行列が正則である条件を求める。行列が正則であるのは、行列式が0でないときである。
したがって、 かつ である。
次に、2番目の行列が正則とならない条件を求める。行列が正則とならないのは、行列式が0のときである。
したがって、 である。
最初の行列が正則でなければならないので、 かつ である。
したがって、 である。
3. 最終的な答え
### (5)
1. 問題の内容
行列 の階数を求める。
2. 解き方の手順
行列の階数は、線形独立な行(または列)の最大数である。行列の行列式を計算し、それが0でない場合、階数は3である。行列式が0の場合、階数は3未満である。
行列式が0となるのは、 のとき、つまり のときである。実数解は である。
* の場合、行列式は0でないため、行列の階数は3である。
* の場合、行列は となる。この行列の階数は2である。なぜなら、3つの行を足すとゼロベクトルになるため、3つの行は線形独立ではないが、任意の2行は線形独立である。
3. 最終的な答え
のとき、階数は3。
のとき、階数は2。
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1. 問題の内容
連立方程式 の解を行列を用いて求めなさい。
2. 解き方の手順
与えられた連立方程式を行列で表現する。
係数行列を 、変数ベクトルを 、定数ベクトルを とすると、 である。
この連立方程式を解くには、 の逆行列 を求め、 を計算すれば良い。
まず、 の行列式を計算する。
行列式が0であるため、 は逆行列を持たない。したがって、この連立方程式は一意の解を持たないか、解が存在しない可能性がある。
連立方程式を解くために、拡大行列を作り、行基本変形を行う。
2行目に1行目を足す。3行目から1行目の2倍を引く。
3行目に2行目の3倍を足す。
最後の行が であることから、 のとき解が存在する。 でない場合、解は存在しない。
の場合、連立方程式は
を最初の式に代入する。
したがって、解は (zは任意の実数)。
3. 最終的な答え
のとき、解は存在しない。
のとき、 (zは任意の実数)。
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1. 問題の内容
次正方行列 と の行列式をそれぞれ求めなさい。ここで、 は実数である。
2. 解き方の手順
*行列 A*
の各行から1行目を引く。
次に、2行目からn行目までのそれぞれの行の 倍を1行目に足す。
*行列 B*
は三重対角行列である。 を の行列 の行列式とすると、漸化式が得られる。
この漸化式を解くと、 となる。