行列 $E-X$ が正則であるとき、以下の等式が成り立つことを示す問題です。ここで $E$ は単位行列、$X$ はある行列、$k$ は正の整数です。 $$E + X + X^2 + \dots + X^k = (E-X)^{-1}(E-X^{k+1}) = (X^{k+1} - E)(X-E)^{-1}$$

代数学行列線形代数正則逆行列等式
2025/7/22

1. 問題の内容

行列 EXE-X が正則であるとき、以下の等式が成り立つことを示す問題です。ここで EE は単位行列、XX はある行列、kk は正の整数です。
E+X+X2++Xk=(EX)1(EXk+1)=(Xk+1E)(XE)1E + X + X^2 + \dots + X^k = (E-X)^{-1}(E-X^{k+1}) = (X^{k+1} - E)(X-E)^{-1}

2. 解き方の手順

まず、左辺と中央の式が等しいことを示します。
(EX)(E+X+X2++Xk)=E+X+X2++Xk(X+X2+X3++Xk+1)=EXk+1 (E-X)(E + X + X^2 + \dots + X^k) = E + X + X^2 + \dots + X^k - (X + X^2 + X^3 + \dots + X^{k+1}) = E - X^{k+1}
したがって、
(EX)(E+X+X2++Xk)=EXk+1 (E-X)(E + X + X^2 + \dots + X^k) = E - X^{k+1}
EXE-X が正則なので、両辺に左から (EX)1(E-X)^{-1} をかけると、
(EX)1(EX)(E+X+X2++Xk)=(EX)1(EXk+1) (E-X)^{-1}(E-X)(E + X + X^2 + \dots + X^k) = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1})
E+X+X2++Xk=(EX)1(EXk+1) E + X + X^2 + \dots + X^k = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1})
次に、左辺と右端の式が等しいことを示します。
(E+X+X2++Xk)(XE)=(X+X2++Xk+1)(E+X+X2++Xk)=Xk+1E (E + X + X^2 + \dots + X^k)(X-E) = (X + X^2 + \dots + X^{k+1}) - (E + X + X^2 + \dots + X^k) = X^{k+1} - E
したがって、
(E+X+X2++Xk)(XE)=Xk+1E (E + X + X^2 + \dots + X^k)(X-E) = X^{k+1} - E
XE=(EX)X-E = -(E-X) が正則なので、両辺に右から (XE)1(X-E)^{-1} をかけると、
(E+X+X2++Xk)(XE)(XE)1=(Xk+1E)(XE)1 (E + X + X^2 + \dots + X^k)(X-E)(X-E)^{-1} = (X^{k+1} - E)(X-E)^{-1}
E+X+X2++Xk=(Xk+1E)(XE)1 E + X + X^2 + \dots + X^k = (X^{k+1} - E)(X-E)^{-1}
以上より、
E+X+X2++Xk=(EX)1(EXk+1)=(Xk+1E)(XE)1 E + X + X^2 + \dots + X^k = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1}) = (X^{k+1} - E)(X-E)^{-1}

3. 最終的な答え

E+X+X2++Xk=(EX)1(EXk+1)=(Xk+1E)(XE)1E + X + X^2 + \dots + X^k = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1}) = (X^{k+1} - E)(X-E)^{-1}

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