1から49までの自然数全体の集合を全体集合 $U$ とします。 $U$ の要素のうち、50との最大公約数が1より大きいもの全体の集合を $V$ とします。 $U$ の要素のうち、偶数であるもの全体の集合を $W$ とします。 $A$ と $B$ は $U$ の部分集合であり、次の条件を満たします。 (i) $A \cup \overline{B} = V$ (ii) $\overline{A} \cap \overline{B} = W$ このとき、集合 $A$ の要素をすべて求めます。

離散数学集合集合演算ド・モルガンの法則
2025/7/22

1. 問題の内容

1から49までの自然数全体の集合を全体集合 UU とします。
UU の要素のうち、50との最大公約数が1より大きいもの全体の集合を VV とします。
UU の要素のうち、偶数であるもの全体の集合を WW とします。
AABBUU の部分集合であり、次の条件を満たします。
(i) AB=VA \cup \overline{B} = V
(ii) AB=W\overline{A} \cap \overline{B} = W
このとき、集合 AA の要素をすべて求めます。

2. 解き方の手順

まず、U,V,WU, V, W を具体的に求めます。
U={1,2,3,...,49}U = \{1, 2, 3, ..., 49\}
50を素因数分解すると 50=2×5250 = 2 \times 5^2 なので、VVUU の中で 2または5を素因数に持つ要素の集合です。
V={2,4,5,6,8,10,12,14,15,16,18,20,22,24,25,26,28,30,32,34,35,36,38,40,42,44,45,46,48,50}V = \{2, 4, 5, 6, 8, 10, 12, 14, 15, 16, 18, 20, 22, 24, 25, 26, 28, 30, 32, 34, 35, 36, 38, 40, 42, 44, 45, 46, 48, 50 \}
V={nUgcd(n,50)>1}={nUn が2または5の倍数}V = \{ n \in U \mid \gcd(n, 50) > 1 \} = \{ n \in U \mid n \text{ が2または5の倍数} \}
W={nUn が偶数}={2,4,6,8,...,48}W = \{ n \in U \mid n \text{ が偶数} \} = \{2, 4, 6, 8, ..., 48\}
条件(i) AB=VA \cup \overline{B} = V より、 AB=VA \cup \overline{B} = V です。
条件(ii) AB=W\overline{A} \cap \overline{B} = W より、 AB=W\overline{A \cup B} = W であるため、AB=WA \cup B = \overline{W} となります。
W\overline{W} は奇数の集合なので、W={1,3,5,7,...,49}\overline{W}=\{1, 3, 5, 7, ..., 49\}です。
また、AB=W\overline{A} \cap \overline{B} = W を変形すると、ド・モルガンの法則より、AB=W\overline{A \cup B} = W なので、AB=WA \cup B = \overline{W} となります。
AB=VA \cup \overline{B} = V より、 A=VB+(AB)A = V - \overline{B} + (A \cap \overline{B})
AB=W\overline{A} \cap \overline{B} = W より、 AB=WA \cup B = \overline{W} です。
ここで、B=WA+(AB)B = \overline{W} - A + (A \cap B) です。
AB=W\overline{A} \cap \overline{B} = W より、AB\overline{A} \cap \overline{B} は偶数であるため、AABB も奇数を含む必要があります。
AB=VA \cup \overline{B} = Vより、AAVV の部分集合ではありません。
AB=W\overline{A} \cap \overline{B} = Wより、AB=WA \cup B = \overline{W} です。
B=WA+(AB)B = \overline{W} - A + (A \cap B)
条件(ii)より、AA に含まれない奇数は全て BB に含まれます。
条件(i)より、AA に含まれない偶数は全て B\overline{B} に含まれます。つまり、BB には含まれません。
したがって、AA に含まれない要素は、偶数(BBに含まれない)または奇数(BBに含まれる)です。
AB=WA \cup B = \overline{W} より、AABB は奇数のみを含む集合で、AA に含まれない奇数は BB に含まれます。
AB=W\overline{A} \cap \overline{B} = W より、AA に含まれる偶数、および、BB に含まれる偶数は存在しないため、AA に含まれない偶数は B\overline{B} に含まれることになります。
しかし、AB=VA \cup \overline{B} = V より、AA に含まれない偶数は VV に含まれる必要があります。
AB=VA \cup \overline{B} = V であり、AB=WA \cup B = \overline{W} であることを利用します。
A=(AV)(AV)A = (A \cap V) \cup (A \cap \overline{V}) と分解します。
AB=W\overline{A} \cap \overline{B} = W なので、AB=WA \cup B = \overline{W} です。つまり、AABB には奇数しか含まれません。
しかし、AB=VA \cup \overline{B} = V なので、AA に奇数しか含まれない場合、B\overline{B}VV から奇数を除いた集合となります。
A={5,15,25,35,45}A = \{5, 15, 25, 35, 45\}

3. 最終的な答え

A={5,15,25,35,45}A = \{5, 15, 25, 35, 45\}

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