与えられたグラフの隣接行列と連結行列を求め、連結行列から何が分かるかを述べる問題です。グラフは5つの頂点(1, 2, 3, 4, 5)と辺から構成されています。頂点間の辺の向きも考慮する必要があります。

離散数学グラフ理論隣接行列連結行列有向グラフグラフの接続性
2025/7/22

1. 問題の内容

与えられたグラフの隣接行列と連結行列を求め、連結行列から何が分かるかを述べる問題です。グラフは5つの頂点(1, 2, 3, 4, 5)と辺から構成されています。頂点間の辺の向きも考慮する必要があります。

2. 解き方の手順

(1) **隣接行列の作成:**
隣接行列AAは、グラフの頂点数をnnとすると、n×nn \times nの行列で表されます。AijA_{ij}は、頂点iiから頂点jjへ直接つながる辺が存在する場合に1、存在しない場合に0となります。ただし、今回は有向グラフなので、iiからjjへの辺と、jjからiiへの辺は区別されます。
グラフから隣接行列を作成します。
- 頂点1から2, 3, 4, 5へ直接つながる辺はないので、1行目は[0, 0, 0, 0, 0]となります。
- 頂点2から1, 3, 4, 5へつながる辺を確認し、同様に2行目を作成します。
- 頂点3, 4, 5についても同様に確認します。
(2) **連結行列の作成:**
連結行列MMは、グラフの頂点数をnn、辺の数をmmとすると、n×mn \times mの行列で表されます。各列は1つの辺に対応し、各行は1つの頂点に対応します。
有向グラフの場合、MijM_{ij}は、辺jjが頂点iiから出る場合は1、頂点iiに入る場合は-1、それ以外の場合は0となります。 まず辺の数を確認し、それぞれの辺に対して列を作成します。例えば、頂点2から頂点1への辺があれば、2行目は1、1行目は-1、それ以外は0となります。
(3) **連結行列から分かること:**
連結行列からは、グラフの接続関係が明確にわかります。具体的には、どの頂点からどの頂点へ辺が出ているか、入っているかがわかります。また、連結行列の各列の和は必ず0になるという性質があります。さらに、グラフが連結かどうか、つまり、どの2つの頂点間にも経路が存在するかどうかを知る手がかりになります。連結行列から得られる情報は、グラフの構造解析において非常に重要です。
 連結行列の行ベクトルに関する線形独立性を調べることで、グラフのサイクル構造を把握することができます。例えば、連結行列の階数(ランク)が(頂点数1)(頂点数 - 1)に等しい場合、グラフは連結です。もし階数がそれよりも小さい場合、グラフは非連結であり、複数の連結成分に分かれていることがわかります。

3. 最終的な答え

**隣接行列:**
$A = \begin{bmatrix}
0 & 1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 1 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 & 1 \\
0 & 1 & 0 & 0 & 1 \\
0 & 0 & 0 & 0 & 0
\end{bmatrix}$
**連結行列:**
まず、辺を定義します。
e1: 1->2, e2: 2->3, e3: 2->4, e4: 3->5, e5: 4->5
$M = \begin{bmatrix}
-1 & 0 & 0 & 0 & 0 \\
1 & -1 & -1 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 & -1 & 0 \\
0 & 0 & 1 & 0 & -1 \\
0 & 0 & 0 & 1 & 1
\end{bmatrix}$
**連結行列から分かること:**
- 各頂点間の辺の接続関係がわかる。
- このグラフは連結である。
- 連結行列の各列の和は0である。

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