数列 $\{a_n\}$ が $a_n = \frac{n}{n+1}$ で与えられています。この数列は $\alpha = 1$ に収束します。 問題は以下の2つです。 (1) $\epsilon = 0.001$ としたとき、$|a_n - \alpha| < \epsilon$ を満たす自然数 $N$ の値を求めよ。 (2) 任意の正の数 $\epsilon$ に対し、自然数 $N$ をどのようにとればよいか。

解析学数列収束極限ε-δ論法
2025/7/22

1. 問題の内容

数列 {an}\{a_n\}an=nn+1a_n = \frac{n}{n+1} で与えられています。この数列は α=1\alpha = 1 に収束します。
問題は以下の2つです。
(1) ϵ=0.001\epsilon = 0.001 としたとき、anα<ϵ|a_n - \alpha| < \epsilon を満たす自然数 NN の値を求めよ。
(2) 任意の正の数 ϵ\epsilon に対し、自然数 NN をどのようにとればよいか。

2. 解き方の手順

(1) ϵ=0.001\epsilon = 0.001 の場合
anα<ϵ|a_n - \alpha| < \epsilonnn+11<0.001| \frac{n}{n+1} - 1 | < 0.001 となります。
これを解くために、まず絶対値を外します。
nn+11=n(n+1)n+1=1n+1=1n+1| \frac{n}{n+1} - 1 | = | \frac{n - (n+1)}{n+1} | = | \frac{-1}{n+1} | = \frac{1}{n+1}
したがって、1n+1<0.001\frac{1}{n+1} < 0.001 を解く必要があります。
n+1>10.001=1000n+1 > \frac{1}{0.001} = 1000
n>999n > 999
よって、N=1000N = 1000 とすれば、 nNn \ge N であるすべての自然数 nn に対して anα<ϵ|a_n - \alpha| < \epsilon が成り立ちます。
(2) 任意の正の数 ϵ\epsilon の場合
anα<ϵ|a_n - \alpha| < \epsilonnn+11<ϵ| \frac{n}{n+1} - 1 | < \epsilon となります。
先ほどと同様に、1n+1<ϵ\frac{1}{n+1} < \epsilon を解く必要があります。
n+1>1ϵn+1 > \frac{1}{\epsilon}
n>1ϵ1n > \frac{1}{\epsilon} - 1
nn は自然数なので、NN1ϵ1\frac{1}{\epsilon} - 1 よりも大きい最小の自然数とする必要があります。つまり、N=1ϵ1N = \lceil \frac{1}{\epsilon} - 1 \rceil となります。ここで、x\lceil x \rceilxx 以上の最小の整数を表す天井関数です。

3. 最終的な答え

(1) ϵ=0.001\epsilon = 0.001 のとき、N=1000N = 1000
(2) 任意の正の数 ϵ\epsilon に対し、N=1ϵ1N = \lceil \frac{1}{\epsilon} - 1 \rceil

「解析学」の関連問題

画像に示された数学の問題は、微分、n次導関数の表示、および極限を求める問題を含みます。具体的には以下の通りです。 (1) $(x^2 + x + 1)^5$ の微分 (2) $\sin^2 x - \...

微分n次導関数極限合成関数の微分ライプニッツの公式ロピタルの定理
2025/7/26

$\lim_{x \to 0} \frac{3x^2 - 5x}{x}$ を計算する問題です。

極限微積分
2025/7/26

与えられた関数 $y = -\frac{3}{x^3}$ の微分を求めます。つまり、$\frac{dy}{dx}$ を求めます。

微分関数の微分べき乗の微分微積分
2025/7/26

与えられた2つの関数の極値を求める問題です。 (1) $f(x, y) = x^2 - xy + y^2 - 4x - y$ (2) $f(x, y) = xy(2 - x - y) = 2xy - ...

多変数関数の極値偏微分ヘッセ行列
2025/7/26

与えられた関数 $y = \frac{1}{\sqrt{x}}$ を微分して、$y'$を求める問題です。

微分関数べき乗微分公式
2025/7/26

関数 $y = (\log x)^x$ の導関数を求める問題です。

微分導関数対数関数
2025/7/26

関数 $y = \sin^{-1}x^2$ の極値を求める問題です。

微分逆三角関数極値関数の増減
2025/7/26

与えられた極限 $\lim_{x \to \infty} \left(1 + \frac{2}{x}\right)^x$ を計算します。

極限指数関数e変数変換
2025/7/26

問題は、次の極限を求めることです。 $\lim_{x \to 0} \frac{e^x - \sin x - \cos x}{x^2}$

極限ロピタルの定理指数関数三角関数
2025/7/26

$\lim_{x \to 0} \frac{\sin 3x}{\sin 2x}$ の極限を計算します。

極限三角関数解析
2025/7/26