複素数平面上の点 $z$ に対して、$w = z + \frac{1}{z}$ とする。点 $z$ が原点を中心とする半径 $r$ の円上を動くとき、点 $w$ が描く図形を求める。特に、$r=1$ の場合と $r > 1$ の場合について、点 $w$ が描く図形を考える。

1. 問題の内容

複素数平面上の点 $z$ に対して、$w = z + \frac{1}{z}$ とする。点 $z$ が原点を中心とする半径 $r$ の円上を動くとき、点 $w$ が描く図形を求める。特に、$r=1$ の場合と $r > 1$ の場合について、点 $w$ が描く図形を考える。

2. 解き方の手順

(1) $w$ を $r, \cos \theta, \sin \theta$ を用いて表す。

$z = r(\cos \theta + i \sin \theta)$ より、

$w = z + \frac{1}{z} = r(\cos \theta + i \sin \theta) + \frac{1}{r(\cos \theta + i \sin \theta)} = r(\cos \theta + i \sin \theta) + \frac{1}{r}(\cos (-\theta) + i \sin (-\theta)) = r(\cos \theta + i \sin \theta) + \frac{1}{r}(\cos \theta - i \sin \theta) = (r + \frac{1}{r})\cos \theta + i (r - \frac{1}{r})\sin \theta$

したがって、アは $r+\frac{1}{r}$、イは $r-\frac{1}{r}$ である。

(2) $r = 1$ のとき、$w = 2 \cos \theta$ となる。このとき、点 $w$ は実軸上にあり、$-2 \le w \le 2$ を満たすので、$w$ は線分を表す。選択肢の中で、$r=1$のとき線分になるものは①である。

(3) $r > 1$ のとき、$w = x + yi$ とおくと、$x = (r + \frac{1}{r})\cos \theta$, $y = (r - \frac{1}{r})\sin \theta$ となる。

したがって、$\cos \theta = \frac{x}{r + \frac{1}{r}} = \frac{rx}{r^2 + 1}$、$\sin \theta = \frac{y}{r - \frac{1}{r}} = \frac{ry}{r^2 - 1}$ となる。

よって、エは$\frac{rx}{r^2+1}$、オは$\frac{ry}{r^2-1}$である。

$\cos^2 \theta + \sin^2 \theta = 1$ より、$\left(\frac{rx}{r^2 + 1}\right)^2 + \left(\frac{ry}{r^2 - 1}\right)^2 = 1$

$\frac{r^2 x^2}{(r^2 + 1)^2} + \frac{r^2 y^2}{(r^2 - 1)^2} = 1$

$\frac{x^2}{\frac{(r^2 + 1)^2}{r^2}} + \frac{y^2}{\frac{(r^2 - 1)^2}{r^2}} = 1$

$\frac{x^2}{(\frac{r^2 + 1}{r})^2} + \frac{y^2}{(\frac{r^2 - 1}{r})^2} = 1$

ここで、$\frac{r^2 + 1}{r} > 0$, $\frac{r^2 - 1}{r} > 0$ であり、$r > 1$ より $\frac{r^2 + 1}{r} > \frac{r^2 - 1}{r}$ なので、これは楕円を表す。

3. 最終的な答え

ア：④($r+\frac{1}{r}$)

イ：⑥($r-\frac{1}{r}$)

ウ：①

エ：⑥($\frac{rx}{r^2+1}$)

オ：⑦($\frac{ry}{r^2-1}$)

カ：③(楕円)