円柱 $x^2 + y^2 = 1, 0 \le z \le 1$ の全表面 $S$ 上でベクトル場 $F = 2xi + 2yj + zk$ の面積分 $\iint_S F \cdot n dS$ を求める。

解析学ベクトル場面積分発散定理多重積分円柱座標
2025/7/22

1. 問題の内容

円柱 x2+y2=1,0z1x^2 + y^2 = 1, 0 \le z \le 1 の全表面 SS 上でベクトル場 F=2xi+2yj+zkF = 2xi + 2yj + zk の面積分 SFndS\iint_S F \cdot n dS を求める。

2. 解き方の手順

発散定理を用いて面積分を体積積分に変換する。
発散定理とは、閉曲面 SS で囲まれた領域 VV に対して、
SFndS=VFdV\iint_S F \cdot n dS = \iiint_V \nabla \cdot F dV
が成り立つというものである。
まず、ベクトル場 FF の発散 F\nabla \cdot F を計算する。
\nabla \cdot F = \frac{\partial}{\partial x}(2x) + \frac{\partial}{\partial y}(2y) + \frac{\partial}{\partial z}(z) = 2 + 2 + 1 = 5
次に、体積積分 VFdV\iiint_V \nabla \cdot F dV を計算する。
領域 VV は円柱 x2+y21,0z1x^2 + y^2 \le 1, 0 \le z \le 1 である。
円柱座標 (r,θ,z)(r, \theta, z) を用いると、
x=rcosθ,y=rsinθ,z=zx = r\cos\theta, y = r\sin\theta, z = z であり、
dV=rdzdrdθdV = r dz dr d\theta となる。
積分範囲は 0r1,0θ2π,0z10 \le r \le 1, 0 \le \theta \le 2\pi, 0 \le z \le 1 である。
したがって、
\iiint_V \nabla \cdot F dV = \iiint_V 5 dV = 5 \int_0^{2\pi} \int_0^1 \int_0^1 r dz dr d\theta = 5 \int_0^{2\pi} d\theta \int_0^1 r dr \int_0^1 dz
積分を計算すると、
5 \int_0^{2\pi} d\theta = 5 [ \theta ]_0^{2\pi} = 5(2\pi) = 10\pi
\int_0^1 r dr = \left[ \frac{1}{2} r^2 \right]_0^1 = \frac{1}{2}
\int_0^1 dz = [z]_0^1 = 1
よって、
\iiint_V \nabla \cdot F dV = 5 \times 2\pi \times \frac{1}{2} \times 1 = 5\pi

3. 最終的な答え

5π5\pi

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