$a>0, b>0$ のとき、極限 $\lim_{a \to b} \frac{1}{(a-b)^m} (\frac{a+b}{2} - \sqrt{ab})$ が存在し、その値が $0$ でないとき、実数 $m$ の値を求め、その時の極限値を求める。

1. 問題の内容

$a>0, b>0$ のとき、極限 $\lim_{a \to b} \frac{1}{(a-b)^m} (\frac{a+b}{2} - \sqrt{ab})$ が存在し、その値が $0$ でないとき、実数 $m$ の値を求め、その時の極限値を求める。

2. 解き方の手順

まず、$\frac{a+b}{2} - \sqrt{ab}$ を変形する。

$\frac{a+b}{2} - \sqrt{ab} = \frac{a+b-2\sqrt{ab}}{2} = \frac{(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2}{2}$

ここで、$\sqrt{a} - \sqrt{b} = \frac{a-b}{\sqrt{a}+\sqrt{b}}$ なので、

$\frac{(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2}{2} = \frac{(a-b)^2}{2(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2}$

したがって、

$\lim_{a \to b} \frac{1}{(a-b)^m} (\frac{a+b}{2} - \sqrt{ab}) = \lim_{a \to b} \frac{1}{(a-b)^m} \frac{(a-b)^2}{2(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2} = \lim_{a \to b} \frac{(a-b)^{2-m}}{2(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2}$

この極限が存在して、その値が $0$ でないためには、$2-m=0$ である必要がある。

なぜなら、$2-m > 0$ なら極限は $0$ となり、$2-m < 0$ なら極限は発散するからである。

よって、$m = 2$

$m=2$ のとき、

$\lim_{a \to b} \frac{(a-b)^{2-m}}{2(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2} = \lim_{a \to b} \frac{(a-b)^{0}}{2(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2} = \frac{1}{2(\sqrt{b}+\sqrt{b})^2} = \frac{1}{2(2\sqrt{b})^2} = \frac{1}{8b}$

3. 最終的な答え

$m = 2$

極限値は $\frac{1}{8b}$