$^{99m}$Tcは$^{99}$Moとの放射平衡を利用したミルキングという手法により精製される。$^{99}$Moの初期放射能が5.0 GBqのとき、33時間後と66時間後にミルキングを行い、2回のミルキングによって得られる$^{99m}$Tcの放射能の合計をBq単位で求める問題である。ただし、$^{99}$Moの半減期は66時間、$^{99m}$Tcの半減期は6時間とする。また、A→B→Cという逐次反応において、Bの濃度は与えられた式で表される。

応用数学微分方程式放射性崩壊半減期逐次反応
2025/7/22

1. 問題の内容

99m^{99m}Tcは99^{99}Moとの放射平衡を利用したミルキングという手法により精製される。99^{99}Moの初期放射能が5.0 GBqのとき、33時間後と66時間後にミルキングを行い、2回のミルキングによって得られる99m^{99m}Tcの放射能の合計をBq単位で求める問題である。ただし、99^{99}Moの半減期は66時間、99m^{99m}Tcの半減期は6時間とする。また、A→B→Cという逐次反応において、Bの濃度は与えられた式で表される。

2. 解き方の手順

まず、速度定数k1k_1k2k_2を計算する。半減期T1/2T_{1/2}と速度定数kkの関係は、k=ln2T1/2k = \frac{\ln 2}{T_{1/2}}で与えられる。したがって、
k1=ln2660.0105 h1k_1 = \frac{\ln 2}{66} \approx 0.0105 \text{ h}^{-1}
k2=ln260.1155 h1k_2 = \frac{\ln 2}{6} \approx 0.1155 \text{ h}^{-1}
次に、1回目のミルキングで得られる99m^{99m}Tcの放射能を計算する。これは33時間後の99m^{99m}Tcの放射能に相当する。与えられた式にA0=5.0×109 BqA_0 = 5.0 \times 10^9 \text{ Bq}(初期放射能)、t=33 ht = 33 \text{ h}を代入する。
B1=k1A0k1k2(ek2tek1t)B_1 = \frac{k_1 A_0}{k_1 - k_2} (e^{-k_2 t} - e^{-k_1 t})
B1=0.0105×5.0×1090.01050.1155(e0.1155×33e0.0105×33)B_1 = \frac{0.0105 \times 5.0 \times 10^9}{0.0105 - 0.1155} (e^{-0.1155 \times 33} - e^{-0.0105 \times 33})
B1=5.25×1070.105(e3.8115e0.3465)B_1 = \frac{5.25 \times 10^7}{-0.105} (e^{-3.8115} - e^{-0.3465})
B1=5.0×108(0.02210.7071)B_1 = -5.0 \times 10^8 (0.0221 - 0.7071)
B1=5.0×108(0.685)B_1 = -5.0 \times 10^8 (-0.685)
B1=3.425×108 BqB_1 = 3.425 \times 10^8 \text{ Bq}
次に、2回目のミルキングでの99^{99}Moの初期放射能を計算する。これは33時間後の99^{99}Moの放射能に相当する。99^{99}Moの減衰式はA(t)=A0ek1tA(t) = A_0 e^{-k_1 t}で与えられる。
A33=A0ek1t=5.0×109×e0.0105×33=5.0×109×e0.3465=5.0×109×0.70713.5355×109 BqA_{33} = A_0 e^{-k_1 t} = 5.0 \times 10^9 \times e^{-0.0105 \times 33} = 5.0 \times 10^9 \times e^{-0.3465} = 5.0 \times 10^9 \times 0.7071 \approx 3.5355 \times 10^9 \text{ Bq}
2回目のミルキングで得られる99m^{99m}Tcの放射能を計算する。今度は初期放射能がA0=3.5355×109 BqA_0 = 3.5355 \times 10^9 \text{ Bq}、時間t=33 ht = 33 \text{ h}である。
B2=k1A0k1k2(ek2tek1t)B_2 = \frac{k_1 A_0}{k_1 - k_2} (e^{-k_2 t} - e^{-k_1 t})
B2=0.0105×3.5355×1090.01050.1155(e0.1155×33e0.0105×33)B_2 = \frac{0.0105 \times 3.5355 \times 10^9}{0.0105 - 0.1155} (e^{-0.1155 \times 33} - e^{-0.0105 \times 33})
B2=3.7123×1070.105(e3.8115e0.3465)B_2 = \frac{3.7123 \times 10^7}{-0.105} (e^{-3.8115} - e^{-0.3465})
B2=3.5355×108(0.02210.7071)B_2 = -3.5355 \times 10^8 (0.0221 - 0.7071)
B2=3.5355×108(0.685)B_2 = -3.5355 \times 10^8 (-0.685)
B2=2.421×108 BqB_2 = 2.421 \times 10^8 \text{ Bq}
最後に、2回のミルキングで得られる99m^{99m}Tcの放射能の合計を計算する。
B=B1+B2=3.425×108+2.421×108=5.846×108 BqB = B_1 + B_2 = 3.425 \times 10^8 + 2.421 \times 10^8 = 5.846 \times 10^8 \text{ Bq}

3. 最終的な答え

5.846×1085.846 \times 10^8 Bq

「応用数学」の関連問題

ある企業の費用関数 $C(X)$ が $C(X) = 2X^2 + 6X$ で与えられています。価格が30であるとき、この企業が利潤を最大にする生産量 $X$ における供給の価格弾力性を計算します。限...

費用関数利潤最大化価格弾力性微分経済学
2025/7/22

位置ベクトル場 $\mathbf{r} = (x, y, z)$ で、$r = |\mathbf{r}|$ のとき、以下の量を $\mathbf{r}$ および $r$ を用いて表す問題です。 (1)...

ベクトル解析勾配ラプラシアン回転graddivcurl
2025/7/22

## 問題の解答

ベクトル解析勾配発散回転単位法線ベクトル方向微分
2025/7/22

質量 $m$ の惑星が $\vec{r} = R\vec{e_r}$ の位置にあり、速度 $\vec{v} = \omega R\vec{e_\theta}$ で運動している。惑星には万有引力 $-\...

力学ベクトル角運動量万有引力モーメント
2025/7/22

固定点Qの位置が $(a, 0, 0)$ であるとき、点Qまわりの物体の角運動量 $\vec{L}_Q$ と力のモーメント $\vec{N}_Q$ を求める問題です。

ベクトル角運動量力のモーメント物理
2025/7/22

一様な電場 $\mathbf{E}$ と磁束密度 $\mathbf{B}$ の空間中を速度 $\mathbf{v}$ で移動する荷電粒子の運動方程式が与えられています。 $m\frac{d\mathb...

電磁気学運動方程式ベクトル解析
2025/7/22

一様な電場 $\mathbf{E}$ と磁束密度 $\mathbf{B}$ の空間中を速度 $\mathbf{v}$ で移動する荷電粒子の運動方程式が与えられている。この運動方程式は $m \frac...

ベクトル解析運動方程式電磁気学微分
2025/7/22

問題は3つの小問から構成されています。 [1] 3次元ベクトル $\vec{a}=(2,0,0)$, $\vec{b}=(1,2,0)$, $\vec{c}=(0,3,2)$ が与えられたとき、外積 ...

ベクトル外積角運動量力のモーメント物理
2025/7/22

質量 $m$ の物体が位置ベクトル $\vec{r} = a\vec{i} + h\vec{k}$ にあり、速度 $\vec{v} = v\vec{k}$ で運動している。物体には重力 $-mg\ve...

ベクトル角運動量力のモーメント物理学
2025/7/22

半径 $a$、長さ $h$、質量 $M$ の一様な円柱の中心を原点に置き、円柱の軸に垂直な $y$ 軸を回転軸としたときの慣性モーメント $I$ を求める問題です。

慣性モーメント積分物理円柱
2025/7/22