箱Sには1からpまでの番号札が1枚ずつ計p枚、箱Tには1から4pまでの番号札が1枚ずつ計4p枚入っている。箱Sと箱Tから番号札を1枚ずつ取り出し、書かれている数をそれぞれX, Yとする。 (1) XとYの積がpで割り切れる確率を求めよ。 (2) XとYの積が2pで割り切れる確率を求めよ。

確率論・統計学確率約数素数
2025/7/22

1. 問題の内容

箱Sには1からpまでの番号札が1枚ずつ計p枚、箱Tには1から4pまでの番号札が1枚ずつ計4p枚入っている。箱Sと箱Tから番号札を1枚ずつ取り出し、書かれている数をそれぞれX, Yとする。
(1) XとYの積がpで割り切れる確率を求めよ。
(2) XとYの積が2pで割り切れる確率を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) XとYの積がpで割り切れる確率
XとYの積がpで割り切れるのは、Xがpで割り切れるか、Yがpで割り切れるか、またはその両方の場合である。
* Xがpで割り切れる確率: Xは箱Sから取り出されるので、X=pとなる確率は 1/p1/p である。
* Yがpで割り切れる確率: Yは箱Tから取り出されるので、Yがpで割り切れる数(p, 2p, 3p, 4p)である確率は 4/4p=1/p4/4p = 1/p である。
XとYが独立であることから、Xがpで割り切れる確率とYがpで割り切れる確率を足し、両方がpで割り切れる確率を引けばよい。両方がpで割り切れる確率は、X=pかつYがp, 2p, 3p, 4pのいずれかとなる確率であるから、 (1/p)(1/p)=1/p2(1/p) * (1/p) = 1/p^2 である。
したがって、XとYの積がpで割り切れる確率は、
P(Xpで割り切れる)+P(Ypで割り切れる)P(XYの両方がpで割り切れる)=1p+1p1p2=2p1p2=2p1p2P(Xがpで割り切れる) + P(Yがpで割り切れる) - P(XとYの両方がpで割り切れる) = \frac{1}{p} + \frac{1}{p} - \frac{1}{p^2} = \frac{2}{p} - \frac{1}{p^2} = \frac{2p-1}{p^2}
(2) XとYの積が2pで割り切れる確率
XとYの積が2pで割り切れるためには、少なくとも一方の数が2で割り切れ、少なくとも一方の数がpで割り切れる必要がある。pは3以上の素数なので、2とpは互いに素である。
場合分け:
* Xがpで割り切れて、Yが2で割り切れる場合: X=pX=pかつYが2の倍数となる確率。Yが2の倍数となる確率は 2p/4p=1/22p/4p = 1/2。したがって、この確率は (1/p)(1/2)=1/(2p)(1/p) * (1/2) = 1/(2p)
* Yがpで割り切れて、Xが2で割り切れる場合: Yがp, 2p, 3p, 4pのいずれかで、かつXが2の倍数となる確率。Xが2の倍数となる確率は、pが奇数なので、(p1)/2p(p-1)/2pである。 Y=p, 3pの時はpは奇数なのでYは2で割り切れない。よって、Y=2p, 4pの時を考える。確率は (1/2p)((p1)/p)=(p1)/(2p2)(1/2p)*((p-1)/p) = (p-1)/ (2p^2)
* Xが2pで割り切れる場合: Xは最大でもpなので、これは起こりえない。
* Yが2pで割り切れる場合: Yは2pの倍数である必要がある。Y=2pまたはY=4pの場合が考えられる。Xは2で割り切れなくてもよい。この確率はX=1,...,pX=1,...,pY=2p,4pY=2p,4pなので確率は p/(4p2)=1/(4p)p/ (4p^2) = 1/(4p)
* Xが2で割り切れてYがpで割り切れる場合: X=2k,Y=npX=2k, Y=np k=1,2,...,(p1)/2,n=1,2,3,4k=1,2,..., (p-1)/2, n=1,2,3,4なので確率は ((p1)/(2p))(1/p)=(p1)/(2p2)((p-1)/ (2p))*(1/p)= (p-1)/ (2p^2)
Xが2の倍数である確率:p2p\frac{\lfloor \frac{p}{2} \rfloor}{p}
Yが2の倍数である確率:2p4p=12\frac{2p}{4p} = \frac{1}{2}
Xがpの倍数である確率:1p\frac{1}{p}
Yがpの倍数である確率:44p=1p\frac{4}{4p} = \frac{1}{p}
求める確率は、以下の事象が起こる確率の合計となる。
(i) Xが2の倍数かつYがpの倍数。
(ii) Xがpの倍数かつYが2の倍数。
これらの事象は排反ではないので、両方が起こる確率を引く必要がある。
両方が起こる場合、Xがpの倍数かつ2の倍数なので、Xは2pの倍数である必要がある。しかし、Xは最大でもpなので、これはありえない。
したがって、両方が起こる確率は0である。
求める確率は、
P(X2の倍数)P(Ypの倍数)+P(Xpの倍数)P(Y2の倍数)=p2p1p+1p12=p2p2+12pP(Xが2の倍数) * P(Yがpの倍数) + P(Xがpの倍数) * P(Yが2の倍数) = \frac{\lfloor \frac{p}{2} \rfloor}{p} * \frac{1}{p} + \frac{1}{p} * \frac{1}{2} = \frac{\lfloor \frac{p}{2} \rfloor}{p^2} + \frac{1}{2p}
pは3以上の素数なので奇数である。したがって、p2=p12\lfloor \frac{p}{2} \rfloor = \frac{p-1}{2}
p12p2+12p=p12p2+p2p2=2p12p2\frac{\frac{p-1}{2}}{p^2} + \frac{1}{2p} = \frac{p-1}{2p^2} + \frac{p}{2p^2} = \frac{2p-1}{2p^2}

3. 最終的な答え

(1) 2p1p2\frac{2p-1}{p^2}
(2) 2p12p2\frac{2p-1}{2p^2}

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