5個の蝶の体長（76ミリ、85ミリ、82ミリ、80ミリ、77ミリ）が与えられたとき、母分散 $\sigma^2$ の95%信頼区間を求める問題です。標本平均 $\bar{x}$、標本分散 $s^2$、統計量 $W$を計算し、カイ二乗分布を用いて信頼区間を求めます。

1. 問題の内容

5個の蝶の体長（76ミリ、85ミリ、82ミリ、80ミリ、77ミリ）が与えられたとき、母分散 $\sigma^2$ の95%信頼区間を求める問題です。標本平均 $\bar{x}$、標本分散 $s^2$、統計量 $W$を計算し、カイ二乗分布を用いて信頼区間を求めます。

2. 解き方の手順

(1) 標本平均 $\bar{x}$ の計算

与えられた体長を足し合わせ、個数で割ります。

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\bar{x} = \frac{76+85+82+80+77}{5} = \frac{400}{5} = 80

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(2) 標本分散 $s^2$ の計算

各データ点と標本平均の差の二乗を足し合わせ、自由度（個数-1）で割ります。

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s^2 = \frac{(76-80)^2+(85-80)^2+(82-80)^2+(80-80)^2+(77-80)^2}{5-1}

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s^2 = \frac{(-4)^2 + (5)^2 + (2)^2 + (0)^2 + (-3)^2}{4} = \frac{16+25+4+0+9}{4} = \frac{54}{4} = 13.5

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(3) 統計量 $W$ の計算

$W$ は以下の式で定義されます。$n$ はサンプルサイズです。

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W = \frac{(n-1)s^2}{\sigma^2}

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この問題では $n=5$ なので、

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W = \frac{(5-1)s^2}{\sigma^2} = \frac{4s^2}{\sigma^2}

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$s^2 = 13.5$ なので、

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W = \frac{4 \times 13.5}{\sigma^2} = \frac{54}{\sigma^2}

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(4) $W$ は自由度 $n-1=5-1=4$ のカイ二乗分布に従います。95%信頼区間を求めるので、カイ二乗分布表から、自由度4に対する2.5%点と97.5%点を読み取ります。

$\chi^2_{0.025}(4) = 0.484$

$\chi^2_{0.975}(4) = 11.143$

よって、

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0.484 \le W \le 11.143

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0.484 \le \frac{54}{\sigma^2} \le 11.143

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(5) 母分散 $\sigma^2$ の95%信頼区間を求める

上記の不等式を $\sigma^2$ について解きます。

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\frac{54}{11.143} \le \sigma^2 \le \frac{54}{0.484}

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4.846 \le \sigma^2 \le 111.57

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3. 最終的な答え

(1) 標本平均 $\bar{x} = 80$

(2) 標本分散 $s^2 = 13.5$

(3) $W = \frac{54}{\sigma^2}$

(4) $W$ は自由度 4 のカイ二乗分布に従うので、$0.484 \le \frac{54}{\sigma^2} \le 11.143$ を満たす $\sigma^2$ が求めたいものです。

(5) 母分散 $\sigma^2$ の95%信頼区間は $4.846 \le \sigma^2 \le 111.57$ となる。