正四面体ABCDにおいて、点Pは時刻0で頂点Aに位置する。1秒ごとに、点Pは他の3つの頂点のうちいずれかに確率1/3で移動する。時刻0から時刻nまでの間に、4つの頂点A,B,C,Dすべてに点Pが現れる確率を求めよ。ただし、nは1以上の整数とする。

確率論・統計学確率マルコフ連鎖正四面体包除原理漸化式
2025/7/22

1. 問題の内容

正四面体ABCDにおいて、点Pは時刻0で頂点Aに位置する。1秒ごとに、点Pは他の3つの頂点のうちいずれかに確率1/3で移動する。時刻0から時刻nまでの間に、4つの頂点A,B,C,Dすべてに点Pが現れる確率を求めよ。ただし、nは1以上の整数とする。

2. 解き方の手順

まず、n=1のとき、点PはAから他の頂点に移動するので、A,B,C,Dすべてに点Pが現れることはない。したがって、確率は0である。
次に、n=2のとき、点PはAから1回移動し、その後再び移動する。このとき、A,B,C,Dすべてに点Pが現れるためには、最初の移動でB,C,Dのいずれかに移動し、次の移動で残りの2つの頂点に移動する必要がある。
一般に、時刻nまでに4つの頂点A,B,C,Dすべてに点Pが現れる確率をPnP_nとする。
まず、P1=0P_1 = 0である。
n2n \geq 2のときを考える。
qnq_nを時刻nで初めて4つの頂点全てに点Pが現れる確率とする。すると、Pn=k=1nqkP_n = \sum_{k=1}^{n} q_k となる。
求める確率は、少なくとも3回の移動が必要である。つまり、n3n \geq 3を考える。
時刻nで4頂点全てにPが現れているためには、時刻n-1までに3頂点に現れていて、時刻nで残りの1頂点に現れる必要がある。
pnp_nを時刻nでPがAにいる確率、qnq_nを時刻nでPがA以外の頂点にいる確率とする。
すると、p0=1,q0=0p_0=1, q_0=0であり、pn+1=13qnp_{n+1} = \frac{1}{3}q_n, qn+1=pn+23qnq_{n+1} = p_n + \frac{2}{3}q_nという漸化式が成り立つ。
qn=1pnq_n = 1-p_nなので、pn+1=13(1pn)p_{n+1} = \frac{1}{3}(1-p_n)より、pn+1=13pn+13p_{n+1} = -\frac{1}{3}p_n + \frac{1}{3}となる。
pn=14p_n = \frac{1}{4}とすると、 pn+1=14p_{n+1} = \frac{1}{4}となるので、pn14=(13)n(p014)p_n - \frac{1}{4} = (-\frac{1}{3})^n(p_0 - \frac{1}{4})
pn=14+(13)n34=1+3(13)n4p_n = \frac{1}{4} + (-\frac{1}{3})^n \frac{3}{4} = \frac{1 + 3(-\frac{1}{3})^n}{4}
qn=1pn=3434(13)n=34(1(13)n)q_n = 1 - p_n = \frac{3}{4} - \frac{3}{4} (-\frac{1}{3})^n = \frac{3}{4} (1-(-\frac{1}{3})^n)
しかし、これは4頂点全てに現れる確率を求めるものではない。
別の考え方をする。
まず、A, B, C のみに到達する場合、A, B, Dのみに到達する場合など、3頂点に到達するまでの確率を考える。
A以外の3頂点に初めて到達する確率をrnr_nとする。
n=2n=2のとき、確率2/92/9でA, B, C, Dに到達する。
n=3n=3のとき、A, B, C, Dに到達する確率は2/272/27となる。
包除原理を用いる。
4つの頂点すべてに到達する確率 = 全事象 - (3頂点に到達する確率 + ...) + (2頂点に到達する確率 + ...) - (1頂点に到達する確率)
しかし、この問題はかなり複雑なので、直接確率を求めることは難しい。

3. 最終的な答え

この問題の厳密解を求めることは難しいですが、少なくとも3回の移動が必要なので、n<3のとき確率は0です。
したがって、n=1,2のとき、確率は0です。
nが3以上のときは、Pn>0P_n > 0となります。
より具体的な答えを求めるには、コンピュータなどを用いたシミュレーションが必要になる可能性があります。
最終的な答え:
n=1,2のとき、確率は0。 n>=3のときは0より大きい。具体的な値は求められません。

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