図のような13個の点を結ぶ15本の経路があり、点Pは点Aからスタートする。1回の試行で隣の点に同じ確率で移動する。移動してきた経路を戻ることも可能とする。 (1) 2回の試行後、点Pが点Aに戻る確率を求める。 (2) 4回の試行後、点Pが点Aに戻る確率を求める。 (3) 6回の試行後、点Pが点Aに戻る確率を求める。

確率論・統計学確率確率過程状態遷移グラフ
2025/7/23

1. 問題の内容

図のような13個の点を結ぶ15本の経路があり、点Pは点Aからスタートする。1回の試行で隣の点に同じ確率で移動する。移動してきた経路を戻ることも可能とする。
(1) 2回の試行後、点Pが点Aに戻る確率を求める。
(2) 4回の試行後、点Pが点Aに戻る確率を求める。
(3) 6回の試行後、点Pが点Aに戻る確率を求める。

2. 解き方の手順

(1) 2回の試行後、点Pが点Aに戻る確率
点Aから隣の点へ移動する経路は3本あるので、1回の移動で隣の点へ移動する確率は 13\frac{1}{3}
2回の試行後、点Pが点Aに戻るためには、一度隣の点へ移動し、次の試行で元の点Aに戻る必要がある。どの隣の点から戻る場合も確率は 13\frac{1}{3} なので、2回の試行後に点Aに戻る確率は、
13×13+13×13+13×13=3×(13×13)=13\frac{1}{3} \times \frac{1}{3} + \frac{1}{3} \times \frac{1}{3} + \frac{1}{3} \times \frac{1}{3} = 3 \times (\frac{1}{3} \times \frac{1}{3}) = \frac{1}{3}.
(2) 4回の試行後、点Pが点Aに戻る確率
4回の試行後、点Pが点Aに戻るパターンは以下の通り。
- A → (隣) → A → (隣) → A
- A → (隣) → (隣) → (隣) → A
- A → (隣) → A → A → A
ただし隣り合う点の移動は13 \frac{1}{3} の確率で起こる。
4回の試行でAに戻るパターンを考える。
(i) 2回目でAに戻り、その後2回Aに留まる場合:1311=13\frac{1}{3} \cdot 1 \cdot 1 = \frac{1}{3}
(ii) 4回全てでAに戻る場合: (隣)->A を2回繰り返す。 (1313 \frac{1}{3} \cdot \frac{1}{3} )^2 = 181 \frac{1}{81}
(iii) 2回目でBに行き、3回目でCに行き、4回目でAに戻る。13×13×13=127\frac{1}{3} \times \frac{1}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{27} (これはB,C,D の3パターン存在)
3本ある辺を使って一つ進み、一つ戻るというのを二回繰り返すとAに戻るので
3C1 * (1/3)^4= 3 * (1/81)=1/27
一度A以外の場所に移動してから、2手でAに戻る場合を考えると、隣の点から動かない確率は0。
13+127=1027\frac{1}{3} + \frac{1}{27} = \frac{10}{27}
別の考え方として、状態遷移を考える。
状態Aから確率13\frac{1}{3}で状態B(隣接点)へ移動し、状態Bから確率13\frac{1}{3}で状態Aへ移動する。
PnP_nをn回後に点Aにいる確率とする。1Pn1-P_nはAにいない確率となる。
Pn+1=13(1Pn)P_{n+1} = \frac{1}{3}(1-P_n)
P0=1P_0 = 1
P1=0P_1 = 0
P2=13P_2 = \frac{1}{3}
P3=13(113)=29P_3 = \frac{1}{3}(1-\frac{1}{3}) = \frac{2}{9}
P4=13(129)=727P_4 = \frac{1}{3}(1-\frac{2}{9}) = \frac{7}{27}
(3) 6回の試行後、点Pが点Aに戻る確率
P5=13(1727)=2081P_5 = \frac{1}{3}(1-\frac{7}{27}) = \frac{20}{81}
P6=13(12081)=61243P_6 = \frac{1}{3}(1-\frac{20}{81}) = \frac{61}{243}

3. 最終的な答え

(1) 13\frac{1}{3}
(2) 727\frac{7}{27}
(3) 61243\frac{61}{243}

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