区間 $I$ 上の関数 $f$ が狭義単調増加であることの定義を述べる。 $I$ 上の関数 $f$ と $g$ が狭義単調増加かつ正値であるとき、積 $fg$ が狭義単調増加であることを証明する。 $f$ または $g$ が正値と限らないとき、積 $fg$ が狭義単調増加とならない例を挙げる。
2025/7/23
1. 問題の内容
区間 上の関数 が狭義単調増加であることの定義を述べる。
上の関数 と が狭義単調増加かつ正値であるとき、積 が狭義単調増加であることを証明する。
または が正値と限らないとき、積 が狭義単調増加とならない例を挙げる。
2. 解き方の手順
(1) 狭義単調増加の定義
関数 が狭義単調増加であるとは、任意の に対して、 ならば が成り立つことである。
(2) 積 が狭義単調増加であることの証明
と が狭義単調増加かつ正値であるとする。すなわち、 ならば かつ であり、 かつ が任意の で成り立つ。
において、 とする。このとき、 かつ が成り立つ。
かつ である。
ここで、, , , であるから、
となる。
したがって、 であるから、 は狭義単調増加である。
(3) または が正値と限らないときの反例
とする。
, とおく。 は狭義単調増加である。
しかし、 では かつ となり、 と は正値ではない。
であり、 では が増加すると は減少するので、 は狭義単調増加ではない。
例えば、, とすると、 であるが、 であり、 であるから、 となり、狭義単調増加ではない。
3. 最終的な答え
(1) 関数 が狭義単調増加であるとは、任意の に対して、 ならば が成り立つことである。
(2) 関数 と が狭義単調増加かつ正値であるとき、積 も狭義単調増加である。
(3) , とすると、 となり、 または が正値と限らないとき、積 は狭義単調増加になるとは限らない。