関数 $x^2 e^{-x}$ の $n$ 階導関数を求める問題です。

解析学導関数ライプニッツの公式指数関数微分
2025/7/23

1. 問題の内容

関数 x2exx^2 e^{-x}nn 階導関数を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、exe^{-x}の導関数について考えます。
exe^{-x} を1回微分すると ex-e^{-x}、2回微分すると exe^{-x}、3回微分すると ex-e^{-x} となります。つまり、exe^{-x}nn 階導関数は (1)nex(-1)^n e^{-x} と表せます。
次に、ライプニッツの公式を使います。ライプニッツの公式とは、nn 階導関数を求める際に、22 つの関数 u(x)u(x)v(x)v(x) の積の nn 階導関数を求める公式で、以下のように表されます。
(uv)(n)=k=0nnCku(nk)v(k)(uv)^{(n)} = \sum_{k=0}^n {}_n C_k u^{(n-k)} v^{(k)}
ここで、u(x)=x2u(x) = x^2v(x)=exv(x) = e^{-x} とします。
u(x)u(x) の導関数は、
u(x)=2xu'(x) = 2x
u(x)=2u''(x) = 2
u(x)=0u'''(x) = 0
となり、33 階以上の導関数はすべて 00 になります。
v(x)v(x) の導関数は、v(k)(x)=(1)kexv^{(k)}(x) = (-1)^k e^{-x} です。
ライプニッツの公式にこれらの導関数を代入すると、
(x2ex)(n)=nC0(x2)(n)(ex)(0)+nC1(x2)(n1)(ex)(1)+nC2(x2)(n2)(ex)(2)+...+nCn(x2)(0)(ex)(n)(x^2 e^{-x})^{(n)} = {}_n C_0 (x^2)^{(n)} (e^{-x})^{(0)} + {}_n C_1 (x^2)^{(n-1)} (e^{-x})^{(1)} + {}_n C_2 (x^2)^{(n-2)} (e^{-x})^{(2)} + ... + {}_n C_n (x^2)^{(0)} (e^{-x})^{(n)}
u(x)u(x) の3階以上の導関数は0なので、以下のようになります。
(x2ex)(n)=nC0x2(ex)(n)+nC1(2x)(ex)(n1)+nC2(2)(ex)(n2)(x^2 e^{-x})^{(n)} = {}_n C_0 x^2 (e^{-x})^{(n)} + {}_n C_1 (2x) (e^{-x})^{(n-1)} + {}_n C_2 (2) (e^{-x})^{(n-2)}
=x2(1)nex+n(2x)(1)n1ex+n(n1)2(2)(1)n2ex= x^2 (-1)^n e^{-x} + n (2x) (-1)^{n-1} e^{-x} + \frac{n(n-1)}{2} (2) (-1)^{n-2} e^{-x}
=(1)nex[x22nx+n(n1)]= (-1)^n e^{-x} [x^2 - 2nx + n(n-1)]

3. 最終的な答え

(1)nex(x22nx+n(n1))(-1)^n e^{-x} (x^2 - 2nx + n(n-1))

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