与えられた写像 $f: \mathbb{R} \to \mathbb{R}; x \mapsto |1-x|$ に関して、以下の問いに答える。 (1) $f$ のグラフを図示する。 (2) 開区間 $(0, 3)$ の $f$ による像 $f((0, 3))$ を区間の記号で表す。 (3) 左半開区間 $(0, 1]$ の $f$ による逆像 $f^{-1}((0, 1])$ を区間の記号で表す。 (4) $f$ が単射ではない理由を述べる。 (5) $f$ が全射ではない理由を述べる。 (6) $f$ の定義域と終域をそれぞれ $[1, \infty)$ と $[0, \infty)$ に変更すると全単射となる。このとき、$f$ の逆写像 $f^{-1}$ を求め、その定義域と終域を明示する。 (7) (6) の条件の下で、$f^{-1} \circ f = id_{[1, \infty)}$ と $f \circ f^{-1} = id_{[0, \infty)}$ が成り立つことを確かめる。

解析学写像グラフ逆像単射全射逆写像絶対値
2025/7/24

1. 問題の内容

与えられた写像 f:RR;x1xf: \mathbb{R} \to \mathbb{R}; x \mapsto |1-x| に関して、以下の問いに答える。
(1) ff のグラフを図示する。
(2) 開区間 (0,3)(0, 3)ff による像 f((0,3))f((0, 3)) を区間の記号で表す。
(3) 左半開区間 (0,1](0, 1]ff による逆像 f1((0,1])f^{-1}((0, 1]) を区間の記号で表す。
(4) ff が単射ではない理由を述べる。
(5) ff が全射ではない理由を述べる。
(6) ff の定義域と終域をそれぞれ [1,)[1, \infty)[0,)[0, \infty) に変更すると全単射となる。このとき、ff の逆写像 f1f^{-1} を求め、その定義域と終域を明示する。
(7) (6) の条件の下で、f1f=id[1,)f^{-1} \circ f = id_{[1, \infty)}ff1=id[0,)f \circ f^{-1} = id_{[0, \infty)} が成り立つことを確かめる。

2. 解き方の手順

(1) f(x)=1xf(x) = |1-x| のグラフは、y=1xy=|1-x| を描く。これは、y=1xy=1-x (x1x \leq 1) と y=x1y=x-1 (x>1x > 1) を合わせたもので、点 (1,0)(1, 0) で折れ曲がるV字型のグラフになる。
(2) f((0,3))f((0, 3)) を求める。
f(0)=10=1f(0) = |1-0| = 1
f(3)=13=2f(3) = |1-3| = 2
x(0,1)x \in (0, 1) のとき、f(x)=1xf(x) = 1-x であり、 1x1-x11 から 00 に減少する。
x(1,3)x \in (1, 3) のとき、f(x)=x1f(x) = x-1 であり、x1x-100 から 22 に増加する。
したがって、f((0,3))=[0,2)f((0, 3)) = [0, 2) となる。
(3) f1((0,1])f^{-1}((0, 1]) を求める。
1x(0,1]|1-x| \in (0, 1] となる xx を求める。
0<1x10 < |1-x| \leq 1 より、11x1-1 \leq 1-x \leq 1 かつ 1x01-x \neq 0
2x0-2 \leq -x \leq 0 かつ x1x \neq 1
0x20 \leq x \leq 2 かつ x1x \neq 1
したがって、f1((0,1])=[0,1)(1,2]f^{-1}((0, 1]) = [0, 1) \cup (1, 2] となる。
(4) ff が単射ではない理由:
単射とは、x1x2x_1 \neq x_2 ならば f(x1)f(x2)f(x_1) \neq f(x_2) が成り立つことである。
しかし、f(0)=10=1f(0) = |1-0| = 1 かつ f(2)=12=1f(2) = |1-2| = 1 であるから、x1=0,x2=2x_1 = 0, x_2 = 2 に対して x1x2x_1 \neq x_2 だが f(x1)=f(x2)f(x_1) = f(x_2) となるので、ff は単射ではない。
(5) ff が全射ではない理由:
全射とは、任意の yRy \in \mathbb{R} に対して、f(x)=yf(x) = y となる xRx \in \mathbb{R} が存在することである。
しかし、f(x)=1x0f(x) = |1-x| \geq 0 であるから、f(x)f(x) は負の値をとることができない。したがって、例えば y=1y = -1 に対して、f(x)=1f(x) = -1 となる xx は存在しないので、ff は全射ではない。
(6) f:[1,)[0,);xx1f: [1, \infty) \to [0, \infty); x \mapsto x-1 とする。
y=x1y = x-1 とおくと、x=y+1x = y+1 となる。
したがって、f1(y)=y+1f^{-1}(y) = y+1 である。
f1:[0,)[1,);yy+1f^{-1}: [0, \infty) \to [1, \infty); y \mapsto y+1
(7) f1f=id[1,)f^{-1} \circ f = id_{[1, \infty)} を確認する。
f1(f(x))=f1(x1)=(x1)+1=xf^{-1}(f(x)) = f^{-1}(x-1) = (x-1)+1 = x
ff1=id[0,)f \circ f^{-1} = id_{[0, \infty)} を確認する。
f(f1(y))=f(y+1)=(y+1)1=yf(f^{-1}(y)) = f(y+1) = (y+1)-1 = y

3. 最終的な答え

(1) グラフは省略(上記の通り)
(2) [0,2)[0, 2)
(3) [0,1)(1,2][0, 1) \cup (1, 2]
(4) f(0)=f(2)=1f(0) = f(2) = 1 であるため。
(5) f(x)0f(x) \geq 0 であるため、負の値をとることができない。
(6) f1:[0,)[1,);yy+1f^{-1}: [0, \infty) \to [1, \infty); y \mapsto y+1
(7) 確認済み

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