$N$次正方行列 $A$ が対角化可能であると仮定する。すなわち、正則な$N$次正方行列 $V$ と $N$次対角行列 $D$ が存在して、$D = V^{-1}AV$ が成り立つとする。このとき、$A^t = VD^tV^{-1}$ が成り立つことを示す。ここで、$A^t$ は $A$ を $t$ 個掛け合わせたものである。
2025/7/23
1. 問題の内容
次正方行列 が対角化可能であると仮定する。すなわち、正則な次正方行列 と 次対角行列 が存在して、 が成り立つとする。このとき、 が成り立つことを示す。ここで、 は を 個掛け合わせたものである。
2. 解き方の手順
まず、 であることを確認する。これは、 の両辺に左から 、右から を掛けることで得られる。
を計算するために、 を計算してみる。
次に、 を計算してみる。
これらの結果から、 が成り立つと推測できる。これを数学的帰納法で証明する。
(1) のとき:
であるから、 のとき成立する。
(2) のとき、 が成り立つと仮定する。
(3) のとき:
したがって、 のときも成立する。
よって、数学的帰納法により、 がすべての正の整数 に対して成り立つ。